基本的な立体図形を組み合わせることで、さまざまな立体図形の体積を求めることが可能になります。
今回は、どのように組み合わせるかがポイントになる問題に挑戦してみましょう!
問題
次の立体の体積を求めよ。(円周率は3.14とする)
真ん中が空洞になったバウムクーヘンのような形をしています。
どのように体積を求めれば良いのでしょうか。
解説
今回の問題の答えは「803.84cm3」です。
次のようにして体積を求めていきます。
問題の図形は、円柱の真ん中が空洞になった形をしており、空洞になった部分もまた円柱です。
そこで、 全体の円柱から真ん中の円柱を引くことで体積を求めましょう。
計算のイメージ図は以下です。
円柱の体積の求め方は次の通りです。
円柱の体積= 底面積×高さ
全体の円柱は、底面が半径6cmの円、高さが8cm、
小さい円柱は、底面が半径2cmの円、高さが8cm
となっているので、それぞれの体積を次のように計算しましょう。
全体の円柱
底面積=6×6×3.14=113.04(cm2)
体積=113.04×8=904.32(cm3)
小さい円柱
底面積=2×2×3.14=12.56(cm2)
体積=12.56×8=100.48(cm3)
求める体積
=904.32−100.48
=803.84(cm3)
上記の計算では、それぞれの体積を求めて、引き算をしました。
しかし、小数の計算が複雑で計算ミスをしてしまいそうではないでしょうか。
そこで、次のように計算の工夫をしてみましょう。
(別解・計算の工夫)
求める体積
=6×6×3.14×8−2×2×3.14×8
=288×3.14−32×3.14
=(288−32)×3.14
=256×3.14
=803.84 (cm3)
二回あった「×3.14」を一回にまとめて計算しました。
このように計算の工夫をすることで、より計算ミスを少なく体積を計算できそうですね。
まとめ
体積を求める問題であっても計算力が必要となります。
図形を考える力と計算力の両方をバランスよく鍛えていきましょう!
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
監修:堀口智之(ほりぐち ともゆき)
和から株式会社代表取締役
大人のための数学教室「和」(なごみ) 創業者
大人の数トレ教室 代表
一般社団法人ビジネス数学協会 理事
2010年に、日本で初めて「社会人専門の数学教室」を創業。講師40名、累計受講者20,000人を超えるほどに成長。日本最大級数学イベント「ロマンティック数学ナイト」の企画・創設。延べ10万人以上が参加。2022年に、youtube「大人の数トレチャンネル」を本格稼働を開始。約1年でチャンネル登録者数4万人を超えるまで成長。
円柱の体積を求める問題にもう一問挑戦!