皆さんは大きな数のルートを外すときに使う「開平法」という計算方法を聞いたことがありますか?
これは問題集などでも発展問題のおまけとして取り扱われることが多い方法です。
やり方は少し複雑ですが知らない人の方が多い内容なので、正しく身につけることができれば、大きく差をつけることができますね。
問題
次の数を簡単にしなさい。
√55225
ルートのついた数を簡単にするということは、ルートを外すかルートの中身ができるだけ小さい数になるように変形するということですね。
解説
この問題の答えは「235」です。
ルートがついているものなので、二乗して55225になるもののうちプラスの数が答えになります。
ですが、数が大きすぎて簡単に見つけることができませんよね。
そこで、開平法という方法を利用します。実際に計算しながらやり方を身につけていきましょう。
1.まずは調べたい数を書きます。このとき、右から二桁ずつに区切っておくことを忘れないようにしてください。
2.次に、二乗して「右側の最も左のブロック(今回は5)」に最も近い整数(今回は2)を右側に一箇所、左側に二箇所書きます。
また、計算結果(今回は2^2=4)を右側に書きます。割り算の筆算の要領で書いていきますよ。
3.続いて、左側は縦の足し算、右側は引き算をしながら次の二桁を下ろします。
4.次が最も重要です。「左側の数の一番後ろに“ある数”をつけた数דある数”」が右側の数に最も近づくような“ある数”を探します。
その数をまた、右側に一箇所、左側に二箇所書きます。さらに掛け算の結果も書いておきましょう。
今回は、左側に4がありますから「4□×□」が152に最も近づくような□を探します。
すると3が見つかりますので、3を右側に一箇所、左側に二箇所書きます。
さらに、43×3=129ですので、その結果も書きます。
ここからは、3.と4.の繰り返しになります。まずは3.をするとこのようになります。
次に4.の作業です。46□×□の結果が2325に最も近くなるような□を探すと5が当てはまりました。
465×5=2325となるのでこれで計算終了となります。
割り算との違いは3.と4.ですね。慣れるまでは、やり方を確認しながら計算をしてみてください。
まとめ
この開平法のようにあまり知られていない計算スキルは他にもたくさんあります。
学校では習わないものも多くありますので調べてみると楽しいですよ。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):うおうお
数学の教員免許を活かし、個別指導・集団指導の学習塾で主に数学の講師として小学生から高校生までを指導。現在は民間学童保育所で放課後児童支援員として勤務しながらフリーランスで受験指導もしている。日々、小学生の宿題指導を通して算数の魅力を深掘りし楽しく伝えている。
監修:株式会社カルチャー・プロ(公式HP / インスタグラム)
「誠実なモノづくり」を信条とし、高い専門性を有する編集者が幼児から大人向けまで幅広い年代に向けての学習教材を制作する編集プロダクション。家庭や学校、塾などで日々使われている教材だけでなく各種テストや教養系の一般書などを制作。社会や教育を取り囲む環境の変化に対応するため、新しい技術にも着目し、教育業界の未来も模索しながら、下支えしている会社。社内はフラットに意見が言い合える雰囲気で、パートナー、クライアントからの信頼も厚い。
ルートの問題にもう一問挑戦!