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「歴史のなかであまりないことだった」広瀬すずの“感情爆発シーン”が予想外の事態に…!映画『宝島』

  • 2025.5.24

戦後沖縄を舞台に、史実に記されない真実を描き切った真藤順丈による傑作小説『宝島』。審査委員から満場一致で選ばれた第160回直木賞をはじめ、第9回山田風太郎賞、第5回沖縄書店大賞を受賞し栄えある三冠に輝いた本作を、東映とソニー・ピクチャーズによる共同配給のもと実写映画化。9月19日(金)より全国公開を迎える。

監督を務めるのは、さまざまなジャンルや題材を通して常に新たな挑戦を続ける大友啓史(『るろうに剣心』シリーズ、「龍馬伝」)。主演には妻夫木聡を迎え、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太ら日本映画界を牽引する豪華俳優陣が集結。誰もみたことがないアメリカ統治下の沖縄を舞台に、混沌とした時代を全力で駆け抜けた若者たちの姿を、圧倒的熱量と壮大なスケールで描く、衝撃と感動のエンタテインメント超大作が誕生した。SNSでは「今からとても楽しみ」「絶対観に行く」など、注目が集まっている。

完成報告会見

5月5日(月・祝)に開催された【『宝島』完成報告会見】では、姿を消した英雄オンの親友で、彼の行方を追うために刑事となった主人公・グスクを演じる妻夫木聡を始め、オンの恋人であり、教師になって彼の帰りを待つ幼馴染のヤマコ役の広瀬すず、オンの弟でありヤクザになって兄の背中を追うレイ役の窪田正孝、そして本作のメガホンを取った大友啓史監督が登壇し、完成を迎えた本作への熱い気持ちを語り合った。

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(C)真藤順丈/講談社 (C)2025「宝島」製作委員会

姿を消した英雄オンを演じた永山瑛太からのビデオメッセージや、妻夫木聡の「宝島宣伝アンバサダー」就任発表、メディアによる質問応答タイムも設けられ、「今こそ届けるべき物語」として情熱が注ぎ込まれた本作らしい熱量の高いイベントに。

大友啓史監督は「今日はありがとうございます。妻夫木さんが言った通り、この作品は成立するまでに紆余曲折ありました。今日こうしてお披露目できることを嬉しく思います」と熱い気持ちを露わにした。

完成した映画を観て、主人公・グスクを演じた妻夫木は「作品が持つ圧倒的な生命力を感じた」ことを明かし、「生きていかなければならないと心の底から思いました。死というものは終わりを意味すると思っていたけれど、実は死があるからこそ生があり、死が生きる糧になる。そして受け継がれるものが僕らにあって、そういう想いに支えられて生きている。だからこそ僕たちは精一杯生きていかねばならない」と作品から受け取った思いを噛みしめながら述べた。

ヤマコ役の広瀬は「良い意味ですごく疲れました。監督には伝えてしまいましたが血が騒ぐようなシーンがとても多くて。撮影をした日々も濃厚だったなと思い返す瞬間もいっぱいありました。良い疲れがあります(笑)」と笑顔を見せた。

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(C)真藤順丈/講談社 (C)2025「宝島」製作委員会

窪田は妻夫木の感想を受けて「みんな全力で生きていて。彼らの死という概念が、今の僕らとは違う感覚なのかなと思っていて。次の瞬間に命を奪われるかもしれなかったり、全力で今を生きている若き沖縄のうちなんちゅのみんなの、生きている魂を感じたのが大きかったですね。」と感慨深げにコメントした。

映画化への熱い想い

また、映画化するにあたって監督は「原作を読んだときから生きるエネルギーを痛切に感じていた」と言い、「沖縄に宿る魂が直接、時空を超えて語りかけてくるような、原作から感じたパワーをどうやって映像に活かしていくか。色んなことがあるなかでも日々生きていくんだという決意を自覚し、その決意を誰かと連帯し、また大きなパワーになり、一つの歴史となり、今の我々とも繋がっているということ。それを映画というメディアが相応しいか分からないけれど、映画を通して彼らの人生を追体験してもらいたい。役者たちがそれを感じて演じてくれたんだなと、改めて思いました」と俳優陣の熱演へ感謝の一言。

また、妻夫木はオファーをもらった時の心境として「舞台となったコザが以前出演した『涙そうそう』から続くことで、縁があるなと感じていました。なので、自分はどこかでコザに導かれたのかもしれないと思いました。沖縄には今なお続く問題もあって、現地の方の声にならない言葉を表現する使命感があった」と運命めいた巡り合わせに触れた。

窪田は「戦争や当時のものを舞台にした作品を演じる役者にとって、死の価値観の違いを認識しなければいけない。暴力という選択肢しかない時代と、役者という仕事を通して、大友監督の元で『宝島』に出演することで改めて原点、人間の生き様を荒々しく表現できることが画面から出ているのかなと思いました」と思いの丈を語った。

広瀬5日のシーンを2日で撮影

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(C)真藤順丈/講談社 (C)2025「宝島」製作委員会

また、広瀬は感情を爆発させるシーンは「頭で考えてもできることじゃないので、実際にシーンを通したり、沖縄で滞在中に色んなものに触れた」ことで臨んだという。ただ、監督の演出に対しては「テイクを重ねて、いろんな角度からシーンを撮影するのではなく、これ一発で全部取ろう!と。ほぼ一発撮りで、一連で撮影しました。」と予想外の事態になったことを明かした。

対して大友監督は「僕の歴史のなかであまりないことだったんだけど、5日用意されていたシーンを2日で撮っちゃったんです。窪田くんとのシーンは最高でした!」とご満悦。

2000人超えのエキストラ参加

さらに、本作のクライマックスに控えているゴザ暴動シーンは延べ2000人を超えるエキストラを投入して撮影されたことを明かされ、妻夫木は「2000人もいたんですか!?」と驚きの表情。「このシーンはどう撮影するのかはみんな悩んでて。結果、大きいスタジオで撮影しました。初日に撮影を見学したときに、ロケセットではなくスタジオ撮影になったからこそ、好きなことやるぜ!という監督の発想の転換が見えて!」と監督の止まらない勢いが印象的だったことを明かした。

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(C)真藤順丈/講談社 (C)2025「宝島」製作委員会

また、「沖縄に役作りに行ったときに、コザ暴動は暴動だと捉えていない方も多いことを知って。実際に経験された方の中には、ただの憎しみや怒りだけで起こったことじゃないとおっしゃる方も多くいました」と現実に起きた複雑な感情を受け、妻夫木自身が整理しきれない思いを抱えていたという。

しかし、大友監督が演出するゴザ暴動のシーンを見て、「色んな感情が入り混じって出来た混沌とした感情が一つの塊となって流れていくような様を目の当たりにして、しびれましたね!これを大友監督がやりたかったんだ」と監督の手腕を大絶賛した。

それを受けて大友監督は「コザ暴動はコザ騒動ともいわれていて、沖縄の穏やかな方が騒動を起こしたのは1回だけ。あの一晩にみなさんが色んな感情をぶつけている。これは沖縄という舞台じゃなくても、あの時代だったらああいうカオスな状態になったと思う。色んな感情のごった煮であり、感情のうねりがどこに向かうのかという「どう現場を混乱させるか」が僕の演出のテーマだった」と明かした。

永山瑛太からビデオメッセージ到着!

そして、なんと物語のカギを握る英雄オンを演じた永山瑛太よりビデオメッセージが到着!「この役を演じるということの重圧にどう向き合えばいいかという葛藤はあったけど、大友監督や共演者の妻夫木くん、窪田くん、すずちゃんに全部委ねてもいいかなというつもりで、身を投げるような気持ちで今回は役に挑みました。そして、完成した作品を拝見した時に、何度も涙腺の弱い私はボロボロに。試写場で周りの方々にバレないように、涙を拭きながら観ました。本当にたくさんの方に観ていただきたいな、という作品に仕上がっていました」と熱いメッセージが会場の4人に届けられた。

妻夫木は「長い付き合いで、もう何回共演したんだろうというぐらいの間柄。彼がいるということが僕にとって心強い。それだけで僕のなかではっきりオンちゃんを追いかけることができるだろうなと自信があった。彼に助けられました」と旧知の仲だからこそ寄せた信頼感をにじませた。広瀬は「作品の中でも、現場でも、どうみてもヒーローで、その姿がかっこよくて。ついていきたくなる姿を見せていただきました。完成した映画を観て想い続けてきて良かったなと思えるオンちゃんが存在していて、ご一緒できて良かったなと思いました」とコメント。

窪田は「瑛太さんにしかできない偉大なオンちゃんだったと思います。沖縄で誰よりも大きい背中で、誰よりも自由に、誰よりも駆け抜けていった姿が目に残ってますね」と大絶賛した。

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(C)真藤順丈/講談社 (C)2025「宝島」製作委員会

妻夫木アンバサダーとして全国へ

さらに、妻夫木が「宝島宣伝アンバサダー」に就任して大友監督とともに全国を回ることが発表!スクリーンに映し出された「『宝島』宣伝アンバサダー 妻夫木聡」と自身の名前が記された名刺を見て、「この映画は撮っている時から、是非皆さんの前に立って、会いに行って宣伝したいなと思っていて。映画を越える存在になっているこの作品を体感してほしい。『ウォーターボーイズ』の宣伝の時に監督と一緒に全国を回って、行った土地でその映画がその人のものになる姿を拝見しました。まさしくこの映画はそうあるべき映画なんじゃないかなと思ってます!」と自身の経験から思いを語った。

また、「この映画は沖縄を舞台にしていますけど、日本の物語です。そして皆さんの物語だと思っています。人生のバトンの物語として受け継がれていって、未来にバトンを渡すため、皆さんに映画を観てもらいたいです。皆さんに直に届けに行こうと思います!」と意気込みをコメント。

そして、6月7日の沖縄プレミアを皮切りに静岡、富山、長野、北海道など全国を監督とともに巡ることを明かした。また、沖縄プレミアには広瀬も登壇することを受け、窪田も「どこかで馳せ参じたいと思います!」と座長の気合いを受け取った。

質疑応答で意気込み語る

そして、会見ではマスコミからの質疑応答タイムも!1問目の「大友監督がつけた演出のなかで強く印象に残ってるものは?」という質問に対して、窪田が「確実にこうしてください...ということは言わず、役者が動いた方向にカメラが付いていく、というような。大事なシーンで腑に落ちないことがあったとき、段取りからやり直してくれたり、それ迄組んでいたものを更地にして進めてくれたことは印象的でした」と答えた。

2問目の「撮影期間での印象的なエピソードは?」という質問に対しては、沖縄で妻夫木の親友宅に窪田と広瀬がそれぞれ招待してもらったことを明かし、広瀬は「一緒にカチャーシーを踊りました。昔から知り合いなんじゃないかと思うぐらいファミリーというものを感じました」とコメント。

最後は妻夫木に対して「この映画をただの映画で終わらせたくない」と以前コメントしたことについて、「具体的に届けたいメッセージや思いは?」という質問が投げられ、妻夫木は「映画ってひとつのビジネスだけど、この映画は観てもらって「ああ、よかった」で終わらせず、これを覆す力がある作品だと思っています。だからこそ、今回宣伝アンバサダーのキャンペーンというかたちをもって映画というものの力を信じたい」と回答した。

最後に、妻夫木から「ひとりでも多くの人に見てもらいたい渾身の作品だと思っています。9月19日の公開となります。応援歌というものが歌にあるように、この映画が日本を応援する映画になれればいいなと思っています」とイベントを締めくくった。

東映とソニー・ピクチャーズによる共同配給のもと、ハリウッドに拠点を置く LUKA Productions International も製作に参加して日米共同製作で挑む、映画業界への挑戦。今までの常識を覆す、革新的なエンタテイメント超大作『宝島』は、9月19日(金)より、全国拡大公開!お楽しみに。


映画『宝島』2025年9月19日(金)より全国公開
[出演]妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太
[監督]大友啓史
[原作]真藤順丈『宝島』(講談社文庫)
[配給]東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(C)真藤順丈/講談社
(C)2025「宝島」製作委員会