「0を含む割り算」は、実は正しく理解していない方が多い問題の一つです。
皆さんは正しく理解できているでしょうか?問題に挑戦して、確認してみましょう。
問題
次の計算をしなさい。
0÷10÷2
きちんと答えを出すことができるでしょうか。
まずは自分で考えてみましょう。
解説
今回の問題の答えは「0」です。
「0を割る計算(0÷△)」は、どのような数で割っても結果は0になります。
前から順に計算すると、
0÷10=0
0÷2=0
となり、結果は「0」です。
正しく理解できるている方は、式を見た瞬間に答えが分かったのではないでしょうか。
勘違いしやすいポイント
「0の割り算は、答えがない」と考えた方はいないでしょうか。
「0を割る計算(0÷△)」は結果が「0」となり、計算可能です。
一方、「0で割る計算(△÷0)」は、答えがありません。
そもそも数学では、0で割るという計算が定義されていません。そのため、「△÷0」の△にどのような数が入っても、計算不能となります。
「0で割る計算」ができない理由
ここでは、なぜ「0で割る計算」ができないのかを考えてみましょう。
まず、通常の割り算から考えます。
例えば、15÷5という割り算ですが、答えは「3」ですね。
この割り算をするために、九九を考えたのではないでしょうか。
「5の段の九九で答えが15になるもの」、つまり「5×□=15」の□に当てはまる数が、15÷5の答えということになります。
この考え方で、「0で割る計算」をやってみます。例えば「5÷0」を考えてみましょう。
「0×□=5」に当てはまる□を探さなければいけないということです。
このような数は存在しません。□にどんな数を入れても、式が成り立たないからです。
つまり5÷0というのは、答えが存在しないのです。
数学ではこのような答えが存在しない計算を「不能」といいます。
まとめ
「0を割る計算(0÷△)」は、結果が必ず「0」。
「0で割る計算(△÷0)」は、定義されていない。
これらの違いを間違えないようにしましょう。
「0を含んだ計算」は簡単だと思われるかもしれませんが、意外と勘違いの多い問題の一つです。
※当メディアでご紹介する数学関連の記事においては、複数の解法を持つものもございます。
あくまで一例としてのご紹介に留まることをご了承ください。
文・編集:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
監修:堀口智之(ほりぐち ともゆき)
和から株式会社代表取締役
大人のための数学教室「和」(なごみ) 創業者
大人の数トレ教室 代表
一般社団法人ビジネス数学協会 理事
2010年に、日本で初めて「社会人専門の数学教室」を創業。講師40名、累計受講者20,000人を超えるほどに成長。日本最大級数学イベント「ロマンティック数学ナイト」の企画・創設。延べ10万人以上が参加。2022年に、youtube「大人の数トレチャンネル」を本格稼働を開始。約1年でチャンネル登録者数4万人を超えるまで成長。
0を含む計算にもう一問挑戦!