中学生になって算数が数学になった時、一番変わったと思ったことは何でしたか?
多くの大人は「負の数が出てきたこと」と答えると思います。
今回はそんな「負の数」を含む計算問題に取り組んでみましょう。
さらに忘れやすい「累乗」も出てきます。
注意していても間違えることが多い分野です。
問題
次の計算をしなさい。
(-7)-(-3)×(-4)^2
この問題には、引き算、負の数、累乗と、整理しなければいけないポイントがいくつもあります。
計算の仕方はもちろん、計算の順序も一緒に確認していきましょう。特に負の数と累乗の計算の仕方は他の問題にも応用が効くので重要です。
解説
まず負の数と累乗について確認していきましょう。大人になってから使う機会はなくなったので、忘れているかもしれません。
負の数
→0より小さい数
※0より大きい数は正の数
累乗
→同じ数を何度も掛けること
例えば、3^2=3×3=9 というように、右肩にある数だけ掛け合わせます。
3^2=3×2=6ではないので、要注意です。
負の数と累乗について確認しましたが、それだけではこの問題は解けません。
数学において、計算順序はとても重要です。今回のように複雑な式になればなるほど、間違えやすくなってしまいますので、かっこや累乗も含んだ計算の順序についても確認していきましょう。
計算の順序
1.かっこの中
2.累乗
3.掛け算・割り算
4.足し算・引き算
この順序で計算できるものから計算を進めていきます。ポイントを確認しながら少しずつ計算を進めていきましょう。
今回、かっこの中にはそれぞれ「-7」「-3」「-4」と負の数が入っており、計算できるものはないので「2.累乗」から計算していきます。
累乗を計算する上で注意しなければならないのは、計算結果の符号です。こちらも間違えやすいので要確認ですね。
(-4)^2は、+16と-16のどちらでしょうか。
ここで思い出すべきなのは、かっこの意味です。かっこはその中に入っている数字を「ひとまとまり」として扱うというものでした。
つまり、-4が二回掛けられているということですね。(負の数)×(負の数)=(正の数)でしたから(-4)^2は+16になります。プラスの場合は、符号を省略して16と書いていますよね。
ちなみに、もし-4^2のようにかっこがついていなければ、-4×4=-16と計算します。
ここで、負の数を習いたての時に混乱する計算規則をまとめておきましょう。
(正の数)×(正の数)=(正の数)
(正の数)×(負の数)=(負の数)
(負の数)×(正の数)=(負の数)
(負の数)×(負の数)=(正の数)
さて、問題に戻りましょう。
(-4)^2=16と計算できたので、計算規則も使いながら
(-7)-(-3)×(-4)^2
=(-7)-(-3)×16
=(-7)-(-48)
=(-7)+48
=41
と計算できます。
-(-48)の部分ですが、これは(-1)×(-48)というように1と×が省略されているものだったので+48になります。
まとめ
負の数の考え方は日常生活では、気温やお金の計算などよく使うことがあります。
しかし、いざ計算となると複雑なので定期的に復習しておきましょう。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文・編集(監修):うおうお
数学の教員免許を活かし、個別指導・集団指導の学習塾で主に数学の講師として小学生から高校生までを指導。現在は民間学童保育所で放課後児童支援員として勤務しながらフリーランスで受験指導もしている。日々、小学生の宿題指導を通して算数の魅力を深掘りし楽しく伝えている。
もう一問挑戦!