日本では小学校2年生の算数で「九九(くく)」を学習します。
一方、インドの小学生は「19×19」までのかけ算を瞬時に答えられるまで学習します。
ここでは、インドの小学生が学習する「インド式計算」を使った1~19どうしのかけ算の方法をご紹介します。
17×19を暗算で計算しなさい。
日本の小学校では、こうした計算問題を解くためには筆算がスタンダードになっています。
インド式計算法なら暗算で解けちゃいます。
解説
この問題の答えは「323」です。
インド式計算法では、「19×19」までの掛け算を以下の解説にある考え方に当てはめて計算します。
【手順1】上二桁の計算
どちらかの二桁の数字と、もう一つの数の一の位の数字の和になります。
17+9または19+7で26になります。
この数字が百の位と十の位の数になり260となります。
【手順2】下二桁の計算
一の位の数字どうしをかけてください。
9×7=63
【手順3】足し算
手順1と手順2の数を合わせた
260+63=323が答えになります。
ポイント
インド式計算法は、なぜ成り立つのでしょうか。
インド式計算法の仕組みは、次の3つの手順で解明できます。
- 掛け算を長方形の面積で表す
- 10で区切って面積を移動させる
- 面積の計算を行う
(1)掛け算を長方形の面積で表す
掛け算は長方形の面積で表すことができます。
長方形の面積は縦×横で求められるので、今回の問題の17×19は縦の長さが17・横の長さが19の面積で表せます。
(2)10で区切って面積を移動させる
(1)で用意した縦の長さが17、横の長さが19の長方形の縦と横の長さをそれぞれ10で区切ってみましょう。
そして、縦7×横10で表される部分を、図のように向きを変えて移動させます。
(3)面積の計算を行う
(2)でできた図形の面積を求めて計算が完了します。
10×26+7×9=260+63=323
ここででてきた10×26+7×9という式が、インド式計算の手順と当てはまっているのです。
上2桁が10×26の部分、下2桁が7×9の部分になります。
いくつか例題を紹介するので、確認をしてみましょう。
練習問題
(1)15×14
(2)14×17
(3)12×19
練習問題の答え
(1)15×14=10×(15+4)+5×4=190+20=210
(2)14×17=10×(14+7)+4×7=210+28=238
(3)12×19=10×(12+9)+2×9=210+18=228
まとめ
インドは近年、世界のIT分野を牽引している国の一つ。
「インドがなぜそのような国になったのか?」の理由の一つが、インド式計算法をはじめとした進んだ算数教育にあります。
今回、紹介した計算方法を活用して、あなたも素早く計算を解きましょう。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文・監修:篠原尚斗
兵庫いぶき塾の塾長。
これまで15年以上、学習塾で教務部長や教室長として小学生から高校生まで算数・数学の指導を行っている。
兵庫県の中学生のための学習情報サイト“いぶきwebスクール”を運営中。
インド式計算法をもう一問どうぞ!