1. トップ
  2. 天国で再会してもきっと夫は変わらない? 不器用な夫と心優しい妻の何気ないけど愛おしい日常を描いた物語に続編が登場【書評】

天国で再会してもきっと夫は変わらない? 不器用な夫と心優しい妻の何気ないけど愛おしい日常を描いた物語に続編が登場【書評】

  • 2026.11.8

【漫画】本編を読む

いつか別れが訪れるとしても、それまでは大切な人と一緒に笑って過ごしたい。『ずっと一緒にいられたら』(小菊えりか/KADOKAWA)は、老夫婦の仲むつまじい暮らしと、重ねてきた歳月を描いた短編集だ。SNSで話題を集めている本作が電子単行本として発刊され、2026年8月28日に第2巻が発売された。

物語の中心となるのは、不器用で頑固な夫・誠一と、穏やかで愛情深い妻・光子。第1巻では、友人が熟年離婚したことに危機感を覚えた誠一が光子との関係を見つめ直そうと奮闘する姿や、ふたりの若かりしころの甘酸っぱい思い出が描かれる。

そして続編でも、そんなふたりの関係は変わらない。ある日、光子の友人・志乃が家を訪ねてくる。昔と変わらずそっけない態度の誠一について話していると、光子は「無口な人だから、私と天国で再会してもきっとそんな感じよ」と言う。その言葉から、志乃はふたりがいつか天国で再会する場面を想像してみると、天国でも誠一は相変わらず素直になれていないようで、天国に行っても変わらない姿がいかにも彼らしく、思わず笑ってしまう。

ほかにも続編では夫婦の日常だけでなく、子育てに奮闘した若き日の姿も明かされる。仕事に追われて家にいることができず、幼い我が子に懐かれないことに寂しさを感じていた誠一はある日、仕事帰りにカプセルトイの動物消しゴムを手に入れて帰る。すると我が子は弾けるような笑顔を見せてくれた。その反応がうれしくて翌日もカプセルトイに挑戦するのだが、狙った物が出ずにお小遣いを使い果たし、光子にお叱りを受けるというエピソードが微笑ましい。

また、孫の直也が遊びにやってくる話もあり、家族で過ごすなんてことのない時間も描かれる。若いころは子育てに奮闘し、今では孫の成長を見守る夫婦。それだけ長い時間を一緒に過ごしても、互いを思う気持ちは変わらない。ぶっきらぼうな誠一と、そんな夫をよくわかっている光子のやり取りは変わらず微笑ましく、いくつになっても好きな人と笑って過ごせたらいいなと思わせてくれるはずだ。

文=つぼ子

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ