1. トップ
  2. エピソード
  3. 「私には、もう返したって言ってたよね?」3年間10万円を返さなかった弟。だが、婚約者の前で明らかになった事実

「私には、もう返したって言ってたよね?」3年間10万円を返さなかった弟。だが、婚約者の前で明らかになった事実

  • 2026.11.8
「私には、もう返したって言ってたよね?」3年間10万円を返さなかった弟。だが、婚約者の前で明らかになった事実

3年間返ってこない10万円

弟から電話がかかってきたのは、3年ほど前のことです。

「急な車の修理代で、今月だけ厳しいんだ。貸してくれないかな」

仲のいい兄弟でしたし、給料日には返してくれるという約束だったので、僕はその日のうちに弟の口座へ10万円を振り込みました。

借用書も作りませんでした。

ところが、約束の給料日を過ぎても返済はありません。

こちらから連絡すると、弟は申し訳なさそうに言いました。

「ごめん、今月は出費が多くて。来月には必ず返すから」

それからも、返済をお願いするたびに似たような理由で先延ばしにされました。

その間、弟は新しい携帯電話に替えたり、旅行の写真を家族に見せたりしていました。

そうした様子を見ると、どうして貸したお金は返してくれないのかと、複雑な気持ちになりました。

気づけば、3年がたっていました。

ある日の昼、実家の玄関で、弟が真新しいスニーカーをはいているのが目に入りました。

僕は思わず尋ねました。

「ねえ、あの10万円、いつ返してくれるの?」

すると弟は、笑いながら答えました。

「ごめんごめん、そんな顔しないでよ。兄貴なら、もう少し待ってくれるでしょ」

台所には母もいました。余計な心配をかけたくなかった僕は、それ以上何も言わず、弟が出かけていくのを見送りました。

婚約者の前で発覚した未返済

それからしばらくして、弟が婚約者を連れて実家へ挨拶に来ました。

居間のテーブルをはさんで母と僕が並び、向かいに弟と婚約者が座りました。

しばらく話をしていると、婚約者が僕に声をかけてきました。

「そういえば、車の修理のとき、弟さんにお金を貸してくださったんですよね。ありがとうございました」

僕は少し戸惑いました。お礼を言ってもらうのはありがたいのですが、まだ返してもらっていないお金です。

「いえ、でも、あのお金はまだ…」

そう言いかけると、弟が慌てたように口を挟みました。

「ちょっと、今その話?家族なんだから、そんなに催促しなくてもいいでしょ」

すると、婚約者が弟のほうを向きました。

「え、ちょっと待って。まだ返してないの?」

弟は答えません。

「私には、もう返したって言ってたよね?」

その言葉を聞いて、僕も驚きました。どうやら弟は、婚約者には返済済みだと話していたようです。

婚約者は困惑した様子で続けました。

「返してないなら、ちゃんと言ってほしかった。これから結婚するんだよ?」

それまで黙っていた母も、弟に尋ねました。

「あんた、まだ返してなかったの?」

弟は笑うのをやめ、気まずそうに視線を落としました。何か言おうとしていましたが、結局何も答えませんでした。

婚約者は少し間を置いて、静かに言いました。

「家族だからこそ、ちゃんとしてほしいの」

僕はその言葉を聞きながら、何度お願いしても返してもらえなかった3年間を思い出していました。

それから翌週、僕の口座に10万円が振り込まれました。婚約者からも、丁寧なお詫びのメッセージが届きました。

次に実家で会ったとき、弟は玄関で僕と目が合うと、小さく会釈しただけでした。

ようやくお金が戻ってきてほっとした一方で、弟との間には、まだ少し気まずさが残っていました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ