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「主人はいつも最後なんです」娘の嫁ぎ先で気を遣った僕。なぜか頑なにお風呂を断る義父の思わぬ事情

  • 2026.11.7

花火のあとに気になったお風呂の順番

ある夏の日、僕は娘夫婦に誘われ、花火を見に娘の嫁ぎ先を訪ねました。

娘夫婦が暮らしているのは、娘の義父母との二世帯住宅です。

玄関は別々ですが、家の中では行き来できる造りで、お風呂は2階のものを両世帯で使っているそうです。

その日は2階のリビングに娘の義父母も集まり、みんなで窓から花火を眺めました。

花火が終わるころ、娘の義母が声をかけてくれました。

「今日は泊まっていかれますよね?」

「いえ、そこまでお世話になるのは申し訳ないですよ」

「遠慮しないでください。お布団も用意してありますから」

そこまで言ってもらい、ありがたく泊めてもらうことにしました。

しばらくすると、娘が声をかけてきました。

「お風呂、沸いたよ」

最初に入ったのは娘の義母でした。

その次に娘が入り、僕はリビングでお茶を飲みながら待っていました。

やがて、お風呂から上がった娘が戻ってきました。

「パパ、次に入っていいよ」

「えっ、僕が先でいいのか?」

僕は思わず、ソファに座っている義父を見ました。

この家を建てた義父が、まだお風呂に入っていなかったのです。

泊めてもらう立場としては、家の主より先に入るのは気が引けました。

義父が最後に入る理由

「お義父さん、よかったら先にどうぞ。僕はあとで大丈夫ですから」

そう声をかけると、義父は笑って首を横に振りました。

「いやいや、私は最後でいいんですよ」

「でも、僕がお邪魔しているわけですし…」

すると、娘の義母が横から言いました。

「本当に気にしないでください。主人はいつも最後なんです」

どうやら、普段からそういう順番になっているようです。

「そうなんですか。何か理由でも?」

僕が何気なく尋ねると、義父は言いました。

「まあ、私には前科がありますからね」

「前科、ですか?」

思わぬ言葉に、僕は戸惑いました。

義父は外資系の会社に勤める、物腰のやわらかな人です。

冗談めかした口調でしたが、どういう意味なのか見当がつきません。

義父はそれ以上説明せず、「どうぞ、ごゆっくり」と笑っていました。

そのあと義父が席を外したとき、僕は隣にいた娘の夫に小声で尋ねました。

「さっきの前科って、どういうこと?」

娘の夫は少し困ったように笑い、声を落として答えました。

「実は父、昔、浮気したことがあるんです」

「えっ、そうなの?」

「それが母にばれてから、父は家では一番最後にお風呂に入ることになったんですよ」

「なるほど。そういうことだったのか…」

思いがけない話に驚きましたが、同時に、義父が「前科」と言った意味もようやく分かりました。

娘の夫によると、今では義父自身もその順番に慣れていて、特に気にしていないそうです。

僕はそれ以上詮索せず、浴室へ向かうことにしました。

「それじゃあ、お先にいただきます」

お風呂につかりながら、先ほどの義父の照れ笑いを思い出しました。

あんなに穏やかな人にも、そんな過去があったとは。

花火を見に来たはずなのに、その夜いちばん印象に残ったのは、娘の嫁ぎ先のお風呂にまつわる意外な事情でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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