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「うちは昔からこうなんだよ」正月の食卓で男性の分だけ並んだ刺身。だが、義兄が父に伝えた妻の本音とは

  • 2026.11.7
「うちは昔からこうなんだよ」正月の食卓で男性の分だけ並んだ刺身。だが、義兄が父に伝えた妻の本音とは

男の席にだけ並んだ刺身

結婚して2年目の正月、僕は妻と一緒に妻の実家へ泊まりに行きました。

昼食の支度を手伝おうと台所をのぞくと、義母が笑顔で声をかけてきました。

「いいのよ。座ってテレビでも観ていて」

遠慮しながら居間へ戻ると、座卓には刺身や天ぷらがずらりと並んでいました。

ただ、料理が用意されているのは義父、義兄、僕の前だけ。

義母と妻の分の箸や小皿は見当たりません。

「あれ、お義母さんたちは?」

僕が尋ねると、義父は特に気にした様子もなく答えました。

「ああ、母さんたちは台所で食べるんだよ。うちは昔からこうなんだ」

義母も煮物を運びながら言います。

「私たちは向こうで食べるから、気にしないでね」

僕の実家では、家族そろって食卓を囲むのが当たり前でした。

少し驚きましたが、よその家の習慣に口を出すのもためらわれました。

ふと台所を見ると、妻が立ったまま箸を動かしています。

せめて刺身くらい一緒に食べたいと思い、僕は自分の皿を持って立ち上がりました。

「どうした?」

「妻にも少し持っていこうかと思って」

すると義父は、少し不思議そうな顔をしました。

「そんなに気を使わなくていいよ。お前は座って食べなさい」

「あ、はい…」

義父に悪気があるようには見えませんでした。それでも、妻だけが台所で食べていることが気になり、僕は落ち着かない気持ちのまま箸を動かしていました。

義兄が明かした、妻が来ない理由

その夜も、食卓の様子は昼と変わりませんでした。

義父と義兄と僕が座卓を囲み、義母と妻は熱燗を運んだあとも、座卓のそばにいました。

親戚の話をしていたとき、義父が義兄に尋ねました。

「そういえば、お前の嫁は今年は来ないのか?」

義兄は箸を置いて答えました。

「うん。実はさ、去年ここに来たときのこと、ちょっと気にしてて」

「去年?何かあったか?」

「台所で立ったまま食べたのが、結構つらかったみたいなんだよね」

義父は少し驚いた顔をしました。

「そうだったのか。うちはずっとそうしてきたからなあ」

「うん。でも、母さんもいつも台所で食べてるだろ。せっかく集まったんだし、みんなで一緒に食べてもいいんじゃないかな」

義父はすぐには答えませんでした。

義母も黙って話を聞いています。妻は座卓の端で、そっと僕の袖をつかみました。

少しして、義父が小さく口を開きました。

「……そうか。そんなふうに思ってたんだな」

それ以上、誰も何も言いませんでしたが、義父も何か考えているように見えました。

翌朝、座卓には義母と妻の分のお雑煮も並んでいました。

義父はいつもどおりの様子で箸を動かしています。

僕が「お義母さんも、座ってください」と声をかけると、義母は少し照れたように笑い、妻の隣に腰を下ろしました。

大げさな謝罪や話し合いがあったわけではありません。それでも、前日とは少し違う食卓になっていました。

そして次の正月には、義兄の奥さんも来て、家族みんなで同じ座卓を囲みました。

上座の義父は、いつものように静かに箸を動かしています。

僕もようやく、気兼ねなく正月の料理を楽しむことができました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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