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【エディターズレター】デザインで旅するまだ知らない日本──『ELLE DECOR JAPAN』2026年12月号

  • 2026.11.6
Masaki Iwata + Sou Fujimoto Architects

「この文化に触れることこそが街を訪れる最大の魅力」── 城崎温泉の旅館「錦水」の大将伸介さんの言葉です。ここでいう文化とは、温泉や歴史ある建築だけを指すものではありません。限られた資源を分かち合い、それぞれの個性を生かしながら、街全体で豊かさを育んでいく。そんな人と人との関係が、この温泉街の魅力を支えています。

MASAKI INOUE

旅先の街に、心引かれる理由

今月号の旅特集のディスティネーションは、奈良、城崎、福岡。伝統に新しい感性を重ねる奈良、暮らしのなかでローカルカルチャーを育む城崎、そして新しい建築を通して街をひらく福岡。アプローチは異なりますが、そこには、その土地の魅力を探り、自分たちのやり方で未来をつくっていく人たちがいます。受け継いできたものを大切にしながら、変わることも楽しんでいる。その姿勢に、街が進化していく理由を感じます。

旅先で心を動かされるのは、美しい空間やおいしい食事、思いがけず見つけた店。そして、そこで交わした言葉や、ふと触れた人の優しさは、旅の記憶をひときわ鮮やかにしてくれます。私自身も今回、福岡でレム・コールハースが手掛けた集合住宅に暮らす夫妻を取材した後、手作りのランチをご馳走になりました。レストラン顔負けのおいしさと温かな心遣いに感動し、大好きだった福岡がますます好きになりました。この特集を通じて、気になる場所を見つけるとともに、そこに暮らす人たちの空気を感じてもらいたい。次の旅では、いつもより少し、その街の日常に近づいてみたくなるはずです。

MICHAEL FALGREN

もうひとつの特集は、国内外39人による偏愛アイテムとウィッシュリスト。田根剛さんや芦沢啓治さん、セシリエ・マンツさんやスペース・コペンハーゲンのおふたりをはじめ、小泉智貴さん、皆川明さん、清川あさみさん、松本まりかさんや小関裕太さんetc.。インテリアや建築の分野で活躍する方々はもちろん、アーティストやファッションデザイナー、俳優など、多彩な顔ぶれが参加してくれました。愛用品から、手に入れたいものまで、それぞれの「好き」が詰まっています。

選んだ理由に触れると、その人の感性や暮らしの一端が見えてくるのも楽しみのひとつ。誰かの偏愛が、みなさんの新しい「好き」に出合うきっかけになればうれしいです。

Hearst Owned

『エル・デコ』2026年12月号




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