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サザビーズ香港で約5億3000万円で落札、藤田嗣治《夢(ラ・フォンテーヌ頌)》。75年の時を経て軽井沢安東美術館で一般公開

  • 2026.11.7
今年9月、サザビーズ香港では、英国の実業家ジョー・ルイスと娘のヴィヴィアンが長年にわたって築いてきたルイス・コレクションから、藤田嗣治の絵画と紙作品15点に焦点を当てたセールが開催された。 courtesy of Sotheby's

1920年代のパリで、「乳白色の下地」と繊細な線描による裸婦像で注目を集め、エコール・ド・パリを代表する画家のひとりとなった藤田嗣治。日本で学んだ技術と西洋の絵画表現を結びつけ、独自の画風を築いた藤田は、戦後もニューヨークやヨーロッパで制作を続けた。国境を越えて活動し、時代ごとに表現を変化させたその歩みは20世紀美術における重要な軌跡のひとつだ。

その藤田の作品15点を集めたオークション「The Foujita Lexicon: Works from the Lewis Collection」が9月28日、サザビーズ香港で開催された。サザビーズ・アジアにとって一人のアーティストに特化した単独オークションの開催が初となった本セールでは、全作品が落札。総額は6722万4000香港ドル(当時、約13億5000万円)を記録した。なかでも最高額となったのが、1949年にニューヨークで描かれた《夢(ラ・フォンテーヌ頌)》だ。落札価格は手数料込みで2652万香港ドル(当時、約5億3000万円)。軽井沢安東美術館が落札し、新たに同館の所蔵作品となった。

軽井沢安東美術館の外観 Hearst Owned

2022年に開館した軽井沢安東美術館は、創設者の安東泰志・恵 夫妻が約20年にわたって蒐集してきた藤田嗣治の作品を展示する美術館。夫妻が自宅に飾り、慈しんできたコレクションを、安東邸に招かれて鑑賞するような空間で紹介している。藤田作品だけを展示する美術館としては、世界で初めて開館した。

同館で開催中の生誕140周年記念企画「ニューヨークの藤田嗣治」は、藤田が1949年から約10カ月滞在したニューヨークでの制作に焦点を当てる。展示作品には、ポーラ美術館所蔵の《ラ・フォンテーヌ頌》と、軽井沢安東美術館所蔵の《猫の教室》がある。今回加わる《夢(ラ・フォンテーヌ頌)》は、題名の似た《ラ・フォンテーヌ頌》とは別の作品だ。

展示室3より、中央左は、藤田嗣治《猫の教室》(1949)軽井沢安東美術館蔵。中央右は、藤田嗣治《ラ・フォンテーヌ頌》(1949)ポーラ美術館蔵。 Hearst Owned
軽井沢安東美術館の所蔵作品を展示する常設展「作品とともに巡る藤田嗣治の軌跡」展示室5の風景。 Hearst Owned

《夢(ラ・フォンテーヌ頌)》は1949年に、かつてニューヨークにあったマシアス・コモール画廊で発表され、1951年にはマドリードでの展覧会にも出品された。その後は個人コレクションに収められ、長く公開の機会がなかったが、11月10日から本展に加わる。約75年ぶりに一般公開されるこの作品を、ニューヨーク時代の藤田作品とともに鑑賞できる機会となる。展覧会は2027年1月11日まで。

~2027/1/11、軽井沢安東美術館(長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢東43-10)

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