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【お盆の帰省】義実家の“当たり前” 「エアコンなし」「肉禁止」「台所は女性だけ」に違和感を覚えて…

  • 2026.11.5
cocrecoイラスト:べるこ

13歳と9歳の男の子と7歳の女の子を子育て中のママ(43歳)です。

数年前のゴールデンウィーク、夫の身勝手な主導で始まった義実家への帰省。

あのドタバタ劇以来、私は義実家とちょうどいい距離感で過ごせるようになりました。

それでも、親戚一同が集まる「お盆」の帰省だけは、毎年の恒例行事としてどうしても外すわけにはいきません。これは、ある年、お盆の帰省のときに起きた出来事です。

※本記事はママの実体験を取材し、プライバシーに配慮して構成したものです。

令和の夏に「エアコンなし」? 義実家のお盆ルール

私と義実家との関係は決して悪くはありません。ただ、義実家があるのは昔ながらの風習が色濃く残っている地域。その地域ならではの風習の違いに、私は何年経っても慣れることができずにいました。

たとえばお盆の期間中は、昔からのしきたりで肉類を口にしないことになっていました。また親戚が集まると長机を囲むのですが、通されるのはなぜかエアコンのない暑い部屋なのです。

男性陣は、その部屋で早々に着席しお酒や食事が運ばれてくるのを待つだけ。私たち女性陣は、さらに暑い台所に立ち続けなければならないという暗黙のルールがありました。そのうえ、子どもたちの服装にまで「男の子は短パン、女の子はスカートを着るものだ」という古い決まりごとがあるのです。

夫に「このルール、いつからなの?」と聞いてみたことがあります。何のためのルールなのかも、夫はほとんど理解していないようでしたが、「ただ、昔からこうだから」というだけで、素直に従っていたのです。

災害級の暑さが続いているここ数年。さすがに心配になった私は、「お義母さん、今は昔と違って暑さも危険ですし、エアコンのある部屋に移動しませんか?」とやんわり伝えてみたこともあります。しかし義母は、困ったような顔で「昔からこうだからねえ」と口ごもるだけでした。

完璧な義妹の子育て

cocrecoイラスト:べるこ

そんなある年のお盆のこと。義弟の妻であるAちゃんが出産し、仕事前の義弟に送られて、初めて赤ちゃんを連れて帰省してきました。

義弟は出張がちで、今回のお盆休みも不在。Aちゃんは義実家から車で30分ほどの場所に住んでいるため、今回はAちゃんひとりで赤ちゃんを連れての帰省です。

義実家の古い風習にも文句ひとつ言わず、きっちり合わせることのできるAちゃん。育児に対して、完全母乳で、離乳食はすべて手作り。義実家にいる間はスマホは一切触りません。

起床、就寝、お風呂、絵本の読み聞かせまで、義実家への帰省中も、家での毎日のルーティンを守っているようでした。授乳中もずっと赤ちゃんを愛おしそうに見つめ、優しい笑顔を絶やさないAちゃん。

そんな彼女を見て、義父や私の夫は「いやあ、Aちゃんは本当に立派なお母さんだ」と大絶賛。私も「すごいな……」と純粋に感心していました。けれどその一方で、赤ちゃんが少しぐずった瞬間、Aちゃんが不安そうな表情を浮かべたことが気になりました。

「ちゃんとしていない嫁」の居心地の悪さ

完璧な子育てぶりを発揮するAちゃんとは裏腹に、結婚して何年経っても、義実家でうまく立ち回れない私。動きやすさを重視して娘にズボンを履かせていたところ、義祖母から「女の子なんだから、お盆くらいちゃんとした格好をさせなさい」とチクリと言われてしまいました。

また少しでも夕食の足しになればと、帰省する途中でお惣菜を買ったのですが、食卓に出すと「最近のお母さんは手抜きができて楽でいいわねぇ」と言われる始末。

気づけばAちゃんは「ちゃんとしたお嫁さん」。一方の私は「ちゃんとしていないお嫁さん」いつの間にか、そんな構図が出来上がっているように感じていました。

実際、私はズボラなところがあるので仕方ない。そう思ってはいるものの、ことあるごとにAちゃんと比べられ、私はだんだんと義実家で肩身の狭い思いをするようになっていきました。

そんなふうに私が落ち込んでいると、あとから義母がそっと近づいてきて、「ごめんね~、うちが古くさくて大変でしょう」と小声でフォローしてくれました。

その言葉で、私は悟りました。義母もまた、義祖母やこの家のルールには決して逆らえないのだと。

義母なりの気遣いはありがたかったものの、「誰にも本音を言えないこの家の空気」に、私はどこか胸がざわついていたのです。

「お義姉さんがうらやましい」義妹が漏らした小さなSOS

Aちゃんの子育てっぷり、嫁っぷりを本当にすごいと思って見ていた私。ある日、台所でふたりきりになったタイミングで、私は思い切ってAちゃんに声をかけてみました。

「Aちゃんって、本当にすごいね。私なんて子どもたちが小さいころ、もっとボロボロだったし、家事も子育ても適当だったよ」

するとAちゃんからは「でも……私はお義姉さんのほうが、なんか楽しそうで、羨ましいです」そんな言葉が返ってきたのです。私が楽しそう……?

その日の夜、私たちより一足先に、自宅へ帰ることになったAちゃん。すると義母は、「心配だから、家まで送っていくわ」と言い、Aちゃんと赤ちゃんに付き添うことにしました。

義母の表情がどこか気になった私は、そっと尋ねました。

「何かあったんですか?」

すると、義母は小さな声で、こう漏らしたのです。「Aちゃんね、ひとりだと、食事も外出もできないみたいなのよ……」

ひとりで食事も外出もできないって、どういうこと? あのしっかり者のAちゃんが? 義母の言葉の意味が、そのときの私にはよくわかりませんでした。

文/構成・橘サチ

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