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世界遺産の杜に抱かれる「日光 星の宿」。庭園美と会席料理を楽しむ和の休日|栃木

  • 2026.11.5

世界遺産「日光の社寺」の玄関口、神橋の近くにある「日光 星の宿(にっこう ほしのやど)」。苔むした日本庭園を望む全21室の温泉宿です。窓いっぱいに広がる緑、趣の異なる和の客室、四季を感じる庭園風呂。そして食事では、豆乳から自分で作る名物「ひきあげ湯波」が待っています。観光にも、宿でゆっくり過ごす旅にも利用したい一軒をご紹介します。

神橋から徒歩約2分。日光の社寺に近い、緑に囲まれた宿

「日光 星の宿」外観
門

神橋から坂を上がって徒歩約2分。落ち着いた色合いの門構えの奥に、「日光 星の宿(にっこう ほしのやど)」はあります。日光東照宮へは徒歩約15分と、二社一寺を訪ねる拠点にも便利な立地です。秋には門の周囲の木々が赤く色づき、建物を鮮やかに彩ります。

この場所では、かつて「小西旅館」の名で旅人を迎えていました。館内には往時の旅の便りなど、宿の歩みを伝える資料も残されています。古くからの旅館の歴史を受け継ぎながら、現在は全21室の温泉宿として親しまれています。

「日光 星の宿」ロビー
ロビー

館内に入ると、庭に向かって大きく開いた窓が目に入ります。ロビーのソファに腰を落ち着ければ、木々と石を配した庭の景色がすぐそこに。外の観光地のにぎわいとは異なる時間が流れます。

苔と水が織りなす日本庭園を、館内から眺める

「日光 星の宿」日本庭園
庭園

宿の中心には、苔に覆われた岩や飛び石、池、植栽を組み合わせた日本庭園が広がります。遠くの山々の借景との調和が美しく、新緑の季節には緑の濃淡、秋には赤や黄色に染まる木々など、訪れる時期によって異なる表情が見られます。庭はロビーだけでなく、客室や食事処、浴場からも望むことができます。

「日光 星の宿」庭園のシロサギ
庭園

池のほとりには、野鳥が姿を見せることも。白いサギが水辺でじっと立つ姿に出会いました。スタッフによると、時には鹿が訪れることもあるそうです。人がつくり上げた庭の景観と、周囲の自然とのつながりを感じられるひとときです。

眺めのよい和室から特別室まで。客室ごとの個性にも注目

「日光 星の宿」客室
客室

全21室の客室は、一般和室と趣の異なる特別室から選べます。一般客室は12畳の和室で、最大4名まで宿泊可能。写真の309号室には、掛け軸のある床の間や座卓を置いた畳の間、窓際の椅子・テーブルがあります。正面の大きな窓からは日光の山並みと木々が見渡せ、室内でくつろぎながら景色を眺められます。

「日光 星の宿」特別室の佳松
特別室

家族やグループでの滞在には、2階の角部屋にある特別室「佳松(かしょう)」がおすすめです。29畳の和室を二間続きにした造りで、最大7名まで泊まることが可能。襖を開けると畳の空間が奥まで続き、窓際には山の景色を望む椅子席もあります。石張りの客室風呂やマッサージチェアを備え、二世代での旅行などにも使いやすい広さです。

「日光 星の宿」特別室の胡蝶
特別室

3階の特別室「胡蝶(こちょう)」は15畳の和室。座卓を置いた畳の空間の奥に、椅子とテーブルを備えた窓辺の一角が続く造りです。大きな窓から木々や山並みをゆったり眺められます。室内には檜風呂も備えているため、自分のペースで湯浴みができます。

「日光 星の宿」特別室の蓬莱
特別室

さらに、301号室の特別室「蓬莱(ほうらい)」は、畳敷きの和室とセミダブルベッド2台を備えた21畳の和洋室。

蓬莱
特別室

「蓬莱」はバリアフリー対応で、玄関から居室、洗面・浴室、トイレまで車椅子でも移動できるよう配慮されています。

「日光 星の宿」特別室の蓬莱の浴室
蓬莱

浴室には手すりと入浴用の椅子を用意。客室はそれぞれ広さや設備が異なるため、人数だけでなく、室内でどのように過ごしたいかに合わせて選ぶのがおすすめです。

庭園を眺めながらいただく、季節の会席料理

「日光 星の宿」の料亭「宵むらさき」
宵むらさき

食事の中心となるのは、1階の料亭「宵むらさき」。窓の外に日本庭園を望むテーブル席のほか、個室も備えています。2階には竹林に面した大広間「若竹」があり、団体での食事やお祝いの席などにも利用されています。

「日光 星の宿」の料亭「宵むらさき」の会席料理、若菜
「若菜」13200円

会席料理は、旬の魚介の造りや手の込んだ小鉢、肉料理などを組み合わせた内容。

「宵むらさき」の会席料理、若菜の八寸
八寸

器の形や色まで変化をつけた品々が食卓に並びます。季節感がもっとも表れるのは八寸で、内容はその時季の食材に応じて細かく変わるそうです。

ローストビーフ
ローストビーフ

薄く切ったローストビーフには、野菜を添えて。和食を軸に洋の要素を取り入れた一品もあり、食感や味わいに変化があります。料理の種類や品数は選ぶコースによって異なり、品数を抑えた「夕霧」、陶板焼きが付く「松風」、料理長が厳選した食材を使う「葵」などが用意されています。

豆乳の表面から自分ですくう、名物「ひきあげ湯波」

「日光 星の宿」の料亭「宵むらさき」の看板料理、ひきあげ湯波
ひきあげ湯波

「日光 星の宿」の看板料理が、卓上で豆乳を温めて湯波を作る「ひきあげ湯波」。20年ほど前から提供している名物です。日光の工場で作られた豆乳を使い、京都の湯葉を参考に、器の大きさや形、燃料の量を調整し、宿独自のスタイルに仕上げています。

「日光 星の宿」の料亭「宵むらさき」ひきあげ湯波
ひきあげ湯波

上手に引き上げるコツは、早まらず、豆乳の温度がしっかり熱くなるのを待つこと。表面がふつふつとして中央にしわが現れ、そのしわが全体に広がったら、箸を中央に差し入れてすくい上げます。二つ折りになるように引き上げるのが日光式。薄い膜のようでいて、食べると想像以上に厚みがあり、豆乳の風味が口いっぱいに広がります。

湯波は3回ほど引き上げられるそうです。甘めのだしが利いた専用のたれで味わったら、残った豆乳ににがりを加えておぼろ豆腐にします。湯波作りから豆腐まで、ひとつの鍋で段階を追っていただける楽しさがあります。ランチでも名物を味わえるため、宿泊せず食事に訪れることも可能。

庭園の緑を眺める温泉。露天風呂と貸切風呂も

「日光 星の宿」の大浴場
大浴場

温泉は、離れのような落ち着いた造りの湯処になっています。石張りの広い浴槽の向こうには緑が広がり、大きく取った開口部から庭園を眺められます。木立に囲まれた環境を生かした、開放感のある空間です。

「日光 星の宿」の木の露天風呂
木の露天風呂

大浴場の奥には、木の露天風呂もあります。さらに、予約制の貸切風呂「あまのがわ」(1500円)も設けられ、家族で利用したい場合や、周囲を気にせず入浴したいときに選べます。温泉は日光温泉「夢想の湯」の湯を使用。天候や安全上の理由によって開口部の開放状況は変わりますが、季節の景色を近くに感じながら湯につかることができます。

アクセス・基本情報

神橋
神橋

世界遺産の社寺へは、宿から歩いて向かえる距離。スタッフのおすすめは、観光客が増える前の朝の時間帯に参道を歩くことだそうです。澄んだ空気のなかで歩いたあと、宿で朝食をいただく。そんな過ごし方も、この立地ならではです。

東武日光駅・JR日光駅からは東武バスで約5分、「神橋」バス停で下車して坂を上がり、徒歩約3分。宿泊者には両駅からの予約制無料送迎も用意されています。車の場合は日光ICから約10分で、無料駐車場も利用できます。

ランチと日帰り入浴も受け付けているので、参拝にあわせて名物湯波を味わう立ち寄り先としても利用できます。一方、宿泊すれば食事や温泉、庭園を眺める時間をよりゆったり確保できます。日光の見どころを巡る旅に、落ち着いた和の時間を添えてくれる宿です。

■日光 星の宿(にっこう ほしのやど)
住所:栃木県日光市上鉢石町1115
電話:0288-54-1105
チェックイン/チェックアウト:15時/10時(プランにより変更の場合あり)
日帰り:ランチ・温泉入浴に対応
営業日・料金・入浴条件は公式サイトで要確認

Text:川野大介 Photo:田村裕未

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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