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彼女への「了解」に毎回47分かけていた俺→待ち合わせのベンチで、慌てて伏せた画面の中身

  • 2026.11.6
ハウコレ

名前を呼ばれて、思わずスマホを伏せました。画面に開いたままだったのは、47分の理由そのもの。彼女にだけは見られたくないものでした。
辞書アプリの検索欄に「了解」と打ち込むのは、もう何回目か分かりません。付き合って半年になる彼女に返す一言を、俺はまた調べていました。3つ年上の彼女に送る言葉は、いつまで経っても決まらないのです。

「了解」が怖くなった日

入社1年目、上司への返信に「了解です」と送って注意されたことがあります。目上の人には失礼だと言われ、その日から短い返事が苦手になりました。
彼女とは友人の紹介で知り合いました。最初のころ、彼女から届いた一言をよく覚えています。
「メッセージ、丁寧で好き」
それが嬉しくて、俺は彼女にとって丁寧な人でい続けたいと思いました。友だちのように話せる関係になっても、雑な一言で幻滅されるのが怖かったのです。

一言に47分かかる理由

「明日、駅前に11時でいい?」
彼女のメッセージを読むと、まず辞書アプリを開いていました。「了解」の意味、目上への使い方、言い換えの例。「承知しました」は堅すぎて他人行儀、「わかった」は軽すぎる気がしました。打っては消してを繰り返し、敬語の解説ページを何本も読みました。
長い返事なら気持ちを足せますが、短い返事はごまかしがききません。結局、行き着くのはいつも「了解」。解説ページを上から順に読み切るといつも同じくらいの時間になり、気づけば既読から47分ほど経っていました。休みの日でも、それは変わりませんでした。
彼女がその時間を数えていたなんて、考えたこともなかったのです。

ベンチで届いたメッセージ

デートの日、俺は待ち合わせの広場に早めに着きました。ベンチに座ると、彼女からメッセージが届きました。
「ごめん、少し遅れるかも」
すぐに辞書アプリを開きました。遅れる相手に「了解」は冷たくないか、「大丈夫です」のほうが丁寧か。画面に顔を近づけ、首をひねりながら解説を読み比べているうちに、30分以上が過ぎていました。
名前を呼ばれ顔を上げると、目の前に彼女が立っていました。俺は慌ててスマホを伏せて膝に置き、「……早かったね」と笑ってごまかしました。

そして...

カフェに入ると、彼女に聞かれました。
「いつも返事まで47分かかるの、なんで?」
言い逃れはできないと思い、伏せていたスマホを見せました。開いたままの辞書アプリに、「了解目上失礼」の検索履歴が並んでいました。俺は、最初のころの「丁寧で好き」がずっと頭にあったことも話しました。
彼女はしばらく画面を見つめてから、吹き出しました。「了解でいいよ。なんなら、りょ、でもいい」
まだ「りょ」は送れていません。そっけなく見えていたあの「了解」は、俺が一番時間をかけて選んだ言葉でした。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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