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「私道に雪を出すんじゃない」雪を溶かす私に怒る隣人。しかし、近所の女性が指さした先には大きな雪の山が

  • 2026.11.4

雪の置き場に困っていた冬の朝

数年前、雪の多い地域のアパートに住んでいたころの話です。

アパートの前には、近所の家と共有で使う私道がありました。

冬になると雪かきが欠かせませんが、困っていたのは雪の置き場所でした。

まとまった雪が降ると、敷地の端はあっという間に雪の山になります。

私道の一部には地下水を出して雪を溶かす設備があったので、私は通行の邪魔にならないよう、そこへ少しずつ雪を運んで溶かしていました。

ただ、水が出る場所は、ちょうど隣の家の前だったのです。

ある朝、いつものように雪かきをしていると、隣の家の年配の男性が窓からこちらを見ていました。

目が合ったので会釈をしたのですが、男性は舌打ちをするだけでした。

そして次に雪が降った朝、男性がスコップを持って玄関から出てきました。

「ちょっと、そこで何してるの?」

「雪を溶かしているんです。水が出ているので」

「私道に雪を出すんじゃない」

突然注意され、私は戸惑いました。

「でも、ここなら溶けますし、通る方の邪魔にならないようにしているんですが……」

「そういう問題じゃないよ。自分のところの雪なんだから、自分の敷地で何とかしてよ」

確かに私道は雪の捨て場ではありません。ただ、雪を積み上げているわけではなく、地下水で溶かしているつもりでした。

「すみません。でも、ほかに置く場所もなくて…」

「それはそっちの事情でしょ」

男性はそう言って、スコップを地面に下ろしました。

これ以上言い返しても口論になりそうで、私は黙るしかありませんでした。

雪はまだ降り続いています。目の前に残った雪をどうすればいいのか、途方に暮れてしまいました。

隣の家の前にあった大きな雪の山

それから別の雪の朝のことです。

私がまた少しずつ雪を運んでいると、男性が玄関から出てきました。

「またそこに雪を出してるの?この前も言ったよね」

「はい。でも、ほかに場所がなくて…」

「だから、道に出されると困るんだよ」

私が返事に困っていると、ちょうど近所の年配の女性が私道を通りかかりました。

女性は私たちのやり取りを聞くと、男性の家の前を指さしました。

そこには、男性が自分の家の屋根から下ろした雪が高く積まれていました。しかも、その雪は私道に大きくはみ出していたのです。

「でも、お宅の雪も道に出ていますよね」

男性は女性の顔を見てから、自分の家の前の雪に目を向けました。

「いや、うちのは屋根から下ろした雪で…」

「それは分かりますけど、道に出ているのは同じでしょう?」

男性は黙ってしまいました。

女性は続けて、穏やかな口調で言いました。

「今年は雪が多くて、どこの家も困っていますからね。この方だけに言うのは、ちょっと違うんじゃないですか」

「まあ……そうだけど」

男性は小さくそう答え、スコップを下ろしました。

向かいの家の前で雪かきをしていた人も、こちらの様子に気づいて手を止め、男性の家の前の雪を見てうなずいていました。

男性はそれ以上何も言わず、そのまま家に戻っていきました。

私は女性の言葉に救われた気がしました。自分一人では、あそこまで言えなかったと思います。

その後、私道の雪は近所のみんなで順番に溶かすようになりました。

男性から雪のことで注意されることもなくなり、冬の朝には、あの女性と並んで雪かきをするようになりました。

雪の多さは変わりませんが、お互いに困っていることを理解し合えるようになったのは、ありがたいことでした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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