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「大宮」「高崎」「長野」と彼女に送った俺→「これ、私の実家の駅だよね?」に返した、来月の約束

  • 2026.11.4
ハウコレ

「これ、私の実家の駅だよね?」。4つ目の駅名を送った直後、彼女からそう届きました。気づいてほしかったのに、いざ気づかれると、なかなか返事が打てませんでした。
スマホの画面に「飯山」と打って、俺はなかなか送信ボタンを押せずにいました。付き合って1年の彼女に、どうしても伝えたいことがあったからです。ただ、それを一度に言葉にする勇気はありませんでした。

言えなかった決意

彼女とは、社会人になってから参加した読書会で知り合いました。
この1年で、彼女とこの先もずっと一緒にいたいと思うようになりました。そのためには、まず彼女のご両親に挨拶に行きたい。
それに、彼女は「もう2年、実家に帰れてないんだ」と話していました。帰るきっかけを、俺が作れたらと思ったのです。
けれど、いざ切り出そうとすると、どう伝えればいいのか分かりませんでした。「ご両親に会わせてほしい」と打っては消して、また打っては消しました。
そこで思いついたのが、駅名でした。東京駅から、彼女の実家がある飯山まで。新幹線で向かう道のりを、1日に1駅ずつ送っていく。最後の駅にたどり着いたら、ちゃんと言葉で伝えようと決めました。

1日1駅の道のり

最初に送ったのは、「大宮」でした。
「どうしたの?」と訊かれても、「なんでもない」とだけ返しました。
次の日は、「高崎」。
「旅行中?」
「ううん、家にいるよ」
本当のことを言いそうになって、慌てて画面を閉じました。会ったときに訊かれても、笑ってごまかすのが精いっぱいでした。
3日目に送ったのは、「長野」です。彼女の出身地の名前を打ちながら、気づかれるだろうか、まだ早いだろうかと、ずっと落ち着きませんでした。

最後の駅

4日目、ようやく最後の駅名を送りました。
「飯山」
既読はすぐにつき、少しして彼女から返事が届きました。
「これ、私の実家の駅だよね?」
気づいてくれた。そう思った途端、用意していたはずの言葉がまとまらなくなりました。何度も書き直してから、ようやく送ったのはこれです。
「来月、飯山まで一緒に行ってくれる?ご両親に挨拶したい」

そして...

しばらく、返事は来ませんでした。重すぎたのかもしれない。早すぎたのかもしれない。そう思いはじめた頃、通知が鳴りました。
「ばか。普通に言ってくれたらいいのに」
続けて、彼女からもう1通届きました。
「うん、行こう。でも、うちのお父さん手ごわいよ」
彼女には、まだ言っていないことがありました。最初に「大宮」と送って「なんでもない」とごまかした日、俺はもう来月の新幹線を2人分予約していました。

(20代男性・出版社勤務)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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