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14歳の息子に家族のキッチンカーを手伝わせた両親に約140万円の支払い命令、「子どもの夢を応援しただけ」英国で物議

  • 2026.11.2

料理が大好きな14歳の息子に、家族で営むキッチンカーを手伝わせていたイギリスの両親が、裁判所から罰金を言い渡された。「子どもの夢を応援しただけ」と訴える両親に対し、自治体が問題視したのは、16歳未満の子どもが“業務用の厨房”で働いていたことだった。(フロントロウ編集部)

罰金と訴訟費用、合わせて約140万円

英BBCによると、罰金を科されたのは、イギリス南部ハンプシャー州に住むカレン・オレジャルカとグレッグ・オレジャルカの夫妻。2人はサウサンプトンの治安判事裁判所で、16歳未満の子どもが業務用の厨房で働くことを禁じるハンプシャー州議会の条例に違反したことを認めた。

夫妻には600ポンド(約12万7,000円)の罰金に加え、6,000ポンド(約126万8,000円)の訴訟費用の支払いが命じられた。合計6,600ポンド、日本円にして約140万円にのぼる。

きっかけは息子の腕前をほめる動画

夫妻がキッチンカーで料理をさせていたのは、料理に情熱を注ぐ14歳の息子、デクスター・オレジャルカ。デクスターは12歳の頃から家族の移動販売トレーラーで調理をしており、両親は息子の好きなことを応援しているつもりだったという。

ところが、デクスターの料理の腕前を称賛するYouTube動画が、事態を一変させた。動画にはデクスターがグリルや揚げ物用のフライヤーを使う姿が映っており、これをきっかけにハンプシャー州議会が彼の就労を把握した。

裁判では、デクスターがフライヤーや包丁を使い、利益を目的とした業務用の厨房で働いていたことが問題視された。一方、家族側は「移動販売トレーラーは業務用の厨房にあたらない」と主張し、デクスターの学業にも影響は出ていないと訴えていた。

しかし、裁判で争い続ければ費用がかさみすぎることから、夫妻は最終的に罪を認めたという。父親のグレッグは「誰もデクスターのことを考えていなかった。子どもがスキルを身につけるのを応援した親として、私たちは訴追された」と悔しさをにじませた。

さらに、一家は17歳の長男オスカーが血液のがんの治療を受けるなか、州議会との問題にも対応してきた。母親のカレンは、次男が好きなことを続けられるよう闘っていたところに、長男の命を守るための闘いも重なったと語っている。現在、デクスターはキッチンカーでの調理をやめているという。

イングランドでは13歳から働けるのに、なぜ違法?

イングランドでは、子どもの就労は1933年の児童・青少年法や各自治体が定める条例によって規制されている。ハンプシャー州では、13歳から義務教育を終えるまでの子どもに対し、安全や健康、学業に悪影響を及ぼさない「軽い仕事」を認めているそう。

ただし、どんな仕事でも許されるわけではないという。ハンプシャー州の条例では、業務用の厨房で子どもを働かせることは禁止されており、報酬の有無にかかわらず、子どもを雇用する場合には自治体への届け出と許可が必要になる。

今回のケースでも、家族の店を手伝っていたことや、本人が料理を楽しんでいたことは、違法性を否定する理由にはならなかった。

ハンプシャー州議会は、訴追に踏み切る前に問題の解決を試みたと説明。そのうえで、法的措置を検討するのは、ほかの方法では対処できない子どもの安全や保護に関する懸念がある、ごく例外的な場合に限られるとしている。

子どもの夢を応援したかったという両親と、子どもの安全を守るための規則を重視する自治体。家族のキッチンカーを手伝っていた14歳の少年をめぐる今回の一件は、イギリスでも議論を呼んでいる。

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