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「あなたの通帳の中身、もうなくなっちゃった」50万円以上あったはずの通帳を返してきた母。笑顔で告げられた耳を疑う言葉

  • 2026.11.3
「あなたの通帳の中身、もうなくなっちゃった」50万円以上あったはずの通帳を返してきた母。笑顔で告げられた耳を疑う言葉

何度もお金を借りにくる母

学生のころ、私は母からよくお金を貸してほしいと頼まれていました。

妹が同じように頼まれているところは見たことがなく、母がお金の話を持ちかける相手は、いつも私でした。

ある日の昼、台所にいた私に、母が両手を合わせながら近づいてきました。

「ちょっとお願い。お金を貸してくれない?すぐ返すから」

「この前の分も、まだ返してもらってないよ」

「ごめんね。でも親子なんだし、今回もお願い」

母は甘えるように笑っていました。

結局、私はその日もお金を渡しました。

貸す金額は毎回1万円ほどでしたが、返ってくることはあまりありません。

返してほしいとは思っていても、家族相手に何度も催促するのは気が引けて、いつもうやむやになっていました。

そんなある時期、アルバイトが忙しくなり、銀行へ行く時間がなかなか取れなくなりました。

そこで私は、アルバイト代が振り込まれる通帳を母に預け、必要なときにお金を下ろしてもらうことにしました。

「ちゃんと管理しておいてね」

「うん、任せて」

母はそう言って通帳を受け取りました。

それまでにもお金を貸していたので、少し気になる気持ちはありました。

それでも、自分の母親です。通帳を預けることまで疑ってはいませんでした。

50万円以上あったはずのお金が……

それから何か月かたったある日の夕方、母に「ちょっと話があるんだけど」と呼ばれました。

居間で向かい合って座ると、母は預けていた通帳をテーブルに置きました。

そして、にこやかな顔のまま、こう言ったのです。

「あなたの通帳の中身、もうなくなっちゃった」

一瞬、何を言われたのか分かりませんでした。

「えっ、どういうこと?50万円以上あったはずだよ」

「あなたの生活費に使ったのよ」

「生活費って……何にそんなに使ったの?」

「そんなに細かく覚えてないわよ」

母は特に悪びれる様子もなく、そう答えました。

ただ、そのころ母は父から生活費を受け取っていたはずです。

そもそも、私のお金を生活費に使うという話は聞いていませんでした。

何にいくら使ったのか、もう一度聞いても、母からはっきりした説明はありません。

私は納得できませんでしたが、それ以上話しても答えは変わらず、結局、お金が戻ってくることはありませんでした。

それから何年もたったころ、親戚が集まる機会がありました。

私が廊下にいると、母がおばたちと話している声が聞こえてきました。

「あの子のために使ったお金なのにね。いろいろしてあげたのに、恩知らずで。こっちだって大変だったのよ」

おばたちは気の毒そうに母を見て、うなずいていました。

私は思わず、その場で立ち止まってしまいました。

母はそんな私に気づくと、いつもと同じ笑顔で小さく手を振りました。

あのときのお金が実際に何に使われたのか、今も分かりません。

今、私の通帳は私の手元にあります。それでも母が親戚の前で通帳の話をするたびに、あの日の居間で見た笑顔を思い出してしまうのです。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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