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相葉雅紀×日向亘『4アウト ─もう一度、プレイボール─』野球好きで意気投合、相葉“監督”に日向が尊敬の眼差し「やさしくもあり、熱く強い」【ロングインタビュー】

  • 2026.11.1

東京に初めて結成された身体障害者野球チーム「東京ブルーサンダース」。その創設にまつわる実話を基にした『4アウト ─もう一度、プレイボール─』が、相葉雅紀主演で実写映画化された。

相葉が演じるのは、野球一筋で生きてきた矢上雄一。社会人野球で戦力外通告を受け失意の中にいた矢上は、ある障害者スポーツセンターに転職する。そこで、たった5人しかいない障がい者たちの野球チームの監督を、思いがけず引き受けることになる。最初は面食らう矢上だが、彼らと汗を流しながら交流を深めるうちに自身の気持ちも変化。チームの仲間たちと日本一を目指す中で、監督として、人として成長していく。

劇中の東京ブルーフェニックスの選手たちには、オーディションで選出された、障がいのあるキャストも多数出演している。プロの俳優に交じり躍動する彼らのリアリティーが、作品に説得力を与えている。そして、足先に欠損のある元高校球児・雅を演じたのが、日向亘だ。野球経験者でもある日向は、雅の気持ちに近づくため、つま先を地面につけずに歩き日常生活から雅の身体感覚を追求したという。

FILMAGAでは、相葉&日向ペアにロングインタビューを実施。監督と選手という役どころさながら、練習中からコミュニケーションを重ねていたという二人。撮影現場でも、相葉の細やかな心配りや周囲を引っ張る姿に、日向は敬愛の眼差しを向けていた。そんな二人の熱量そのままに、インタビューを届けたい。

『4アウト ─もう一度、プレイボール─』のオファーを受けたとき、どのような印象でしたか?

相葉:恥ずかしながら、僕は身体障害者野球について当時知らなかったんです。そして実在するチームの立ち上がりや経緯を勉強したりして、知れば知るほど、映画化することにすごく意義があるのではと感じました。台本を読んでいて、作品の中で描かれている選手の皆さんや、矢上という監督に惹かれていったので、全力でやらせていただこうと思いました。

日向:僕はまず野球が大好きで、「いつか野球に携わるお仕事がしたい」と思っていたので、野球関係のお芝居をさせてもらえることが何よりうれしかったです。僕も身体障害者野球のことを存じ上げていなかったのですが、本作を機にきちんと知ることができました。それぞれの選手にバックボーンやドラマがあり、乗り越えた大きな壁があって。野球がその壁を乗り越えるきっかけになるという、そのさまがすごくかっこよくて…。僕も選手の一員となって、実際にお芝居をさせてもらえることがすごく光栄だなと思いました。

矢上も雅も、過去に大きな挫折を味わった役どころでした。どのように役に向き合っていかれたんですか?

相葉:矢上は社会人野球で頑張っていたんですけど、戦力外通告を受けてチームにいられなくなってしまうんです。幼い頃から野球しかやっていなかったので、矢上にとって、戦力外通告を受けたことはもちろん大きな挫折ではあったと思います。だけど、再就職した障害者スポーツセンターでいろいろな人たちに出会えたことで、価値観が変わっていくんです。

矢上は最初、選手たちに自分の野球の価値観を押しつけるけど、途中でそうではいけないと気づいていきます。選手たちは大きな壁を乗り越え、野球を通じて人生を生きているし、そもそも勝ち負けの世界で生きてきた自分とは、異なる世界にいると気づいて成長していくんです。この物語は、ある意味、矢上の成長物語でもあるので、そのターニングポイントを意識して、役作りをしていきました。

日向:雅は健常者として野球をしていて、プロを目指すほどの実力者だった男の子です。野球で輝かしい人生を歩んでいくと信じていた矢先に、事故で足先を欠損してしまいます。思い通りに足も動かないし、もちろん強く踏み込むこともできなくなるので、本当に目の前が真っ暗になったんだろうと思いました。台本を読んでいてもしんどいし、絶望だし、もう生きているのもつらくなるだろう……と。そうした想像はできても、お芝居でどう表現しようと、自分でもずっと悩んで苦しんでいました。

そんな僕の気持ちを、チームの皆さんが察してくださって、「日向くん、悩んでいるんだったら僕の話を聞く?」と、それぞれご自分のバックボーンの話をしてくれたんです。もしかしたらなかなか話したいことでもないかもしれないのに、自分たちがどうやって乗り越えたか、そのときに周りからどういう声をかけられたか、とたくさん話してくれました。自分の想像だけではとても補いきれない部分を、親身になって教えてくださったチームの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。本当に皆さんのことを大好きになりました!

お二人とも初共演ですが、お互いの印象はいかがでしたか?

相葉:撮影に入る前から、何度か日向と一緒に練習をしたよね。キャッチボールをよくしてたよね。

日向:していました!時間があるときに相葉さんが一緒にやってくださって、ありがたかったです。ノックもいっぱい受けましたし、相葉さんがすごく上手なんですよ!

相葉:最初、ノックを打つのが大変だったんですけど練習して。僕ね…ノック、うまくなったんです(笑)。きれいなフライを上げられるようになりました。でも、腱鞘炎になりましたけどね(笑)。日向は自分のピッチング練習もあるのに付き合ってくれて、すごいやさしい子だな、という印象を受けました。あとは作品を観ていると、すごくスクリーンに映えるよねと思った!手足も長いし、ダイナミックなフォームだし、日向の魅力が詰まっていると思います。

日向:ありがとうございます!僕は仕事をする前から、テレビをつけたら毎日相葉さんが出ているくらいだったので、本当に…本当に…大好きで…!

相葉:ありがとう(笑)。

日向:相葉さんと初めてお会いしたときは、平静を装いつつも、「本物だ!」と心の中でははしゃいでしまっていました。その後、相葉さんと初めて練習でご一緒したとき、1日目で全選手・全スタッフの名前を覚えていらしたんです。僕のことも初めましての日から「日向、日向」と呼んでくださって…。本当に気遣いや心配りが、ものすごく素敵な方なんだなと感激しました。

その相葉さんの居方は、日向さんから見て座長として頼りになるという印象にもつながりましたか?

日向:はい。チームを束ねる監督役ということもあり、座長としてもいつもチームを一つにしてくださっていました。今回、お芝居の経験があまりない方もいらしたんですが、相葉さんが「みんなで面白いものを作ろうぜ!」と中心になってやってくださったので、みんなが臆することなくできたと思っています。本当にみんな、この映画が大好きなんです。それは、相葉さんがたくさん動いてくださったからだと思っています。僕も見習って、いつかは相葉さんのような座長になりたい、という目標ができました。

お話にあるように、本作では、演技経験のない障がい者の方もキャストとして出演されています。チームの皆さんと向き合っていて、実際に心を動かされるような瞬間はありましたか?

相葉:選手の皆さんの熱量が、とにかく高いんです。お芝居経験がある・ないなどは関係なく、「この作品の中で、自分はこれを表現したいんだ」、「これが伝わってほしいんだ」という思いがすごく強くて。その皆さんに、僕はすごく刺激を受けました。何と言うか…その役を演じているというよりも、彼ら自身が体一貫でぶち当たってくるみたいな、そんなエネルギーを持っていたんです。もちろんこの作品は実話がある原作(平山讓氏によるノンフィクション小説「4アウト ―ある障害者野球チームの挑戦」)を基にしていますが、映画というエンタメでありながら、ドキュメンタリーに近いというか。一人一人、実在する方がモデルになっているので、そういうリアリティーはとても感じられると思います。

日向:普段お芝居をしているとき、「こういったお芝居をしてみたらどうだろう」と頭で計算をしてしまうことも、時々あるんです。今回皆さんとご一緒して、計算だけじゃない、心でお芝居することの大事さを改めて感じました。初心に返る…と言うと大げさですけど、やっぱりお芝居はちゃんと台本を読んで、汲み取って、それをどう自分が心で演じるかが大事なんだなと。それを体現してくださっていたから、改めて自分も頭でずっと考えたりするんじゃなくて、心で真っすぐにお芝居をしようと、現場中に感じさせてもらっていました。

相葉:本当に、そうだよね。日ごろ、こちらは「ここの部分はちょっとウィスパーで言うから、逆に立つかな」とか、「このセリフは句読点なしで全部言ったほうがいい」とかロジカルに考えているもんね。そうしたことを、まったくやらないお芝居なんです。だからこそ、全部伝わるんだと思います。

先ほど日向さんからお話もありましたが、相葉さんは本作で、演技経験がない方でも安心してお芝居に臨めるような現場作りを意識されていらしたんですか?

相葉:そうですね。選手で出ている人たちの中には、普段は公務員さんをやっていたり、一般企業で働いている人もいました。僕としては、お芝居経験のあまりない人たちは、思っていることを言えないことも多いんじゃないか、と感じたんです。「本当はこうしたいな、ああしてみたいな」という思いを持っているかもしれない、言えないかもしれないと思ったので、それを引き上げて現場で相談する、ということをやっていました。せっかく映画に出たり、自分を表現できる場にいて、それぞれすごく熱があるんだから、「絶対に全部ここで出していってほしい」という思いが僕にはあったんです。だから、みんなの意見が現場に伝わるように意識をしていました。

日向:相葉さんが思いを汲み取って、監督や演出部全体との橋渡しを率先してやってくださったことが、ほかのメンバー含め、みんなが救われたと思います。「悔いなくやり切ろう」という大事なことを、相葉さんが先導してくださっていました。

相葉:「ああしておけばよかった」と思われちゃうのが、一番もったいないからね!

日向:キャストの皆さん、チームのみんなの、この作品にかける思いは本当に高かったですよね。野球経験者の方も、未経験者の方も、みんなが「野球を好き」という共通点がチームにあって。この作品にすべてをぶつける、この作品をいいものにしたいと、相葉さんを中心に全員が同じところに向かって撮影していました。実際、完成したものを観ても画を通しても伝わってくると思いますし、何より、この作品の魅力になっているかなと思います。

相葉:もう一つ言えるとしたら、この作品を観て、残りの人生をどう生きればいいんだろうとか、限られた時間をどう過ごせば自分が豊かになるのかとか、そういうことも割と考えさせられるのかなとも思いました。

お二人とも元々野球がお好きだということで、この作品でご一緒していて、相葉さんは、もし日向さんを選手として起用するならどのポジションに置きたいですか?日向さんは監督として相葉さんを見るなら、どんな監督ですか?

相葉:どうですかね!?日向亘は、もちろんピッチャーじゃないですかね。

日向:ええっ、ありがとうございます!

相葉:投げてもらいたいな~。ピッチング練習って、実は相当つらいんですよ。特に、ブランクがあって野球をやっていない中で、急にピッチング練習をしたら次の日は本当に肩が上がらないくらいになるんだよね。

日向:はい、なりました。

相葉:…なんだけど、日向は相当投げ込んでいて。「肩肘は大丈夫か…?」というくらい(笑)、本気でよく投げていたんです。それくらい作品にかける思いがあったんだなと思いました。

日向:本当にそうでした。僕は相葉さんが本当に監督だったら…きっと皆さんが持たれているような相葉さんのやさしいイメージもありつつ、真剣なときは本気で向き合ってくださる方という印象です。その眼差しは非常に鋭いときもあるし、そこは指揮官として本当に心強く感じます。やさしくもあり、熱く強い監督だと思います。

(取材:編集部、文:赤山恭子)

映画『4アウト ─もう一度、プレイボール─』は、2026年11月6日(金)よりTOHO シネマズ日比谷ほか全国ロードショー。

出演:相葉雅紀、
黒島結菜/松本利夫、福松凛、日向亘、花瀬琴⾳/古村⽐呂 前⽥亜季
斉藤由貴 佐々木蔵之介
監督:脚本:稲垣壮洋
原作・脚本:平⼭ 讓
公式HP: https://4out-movie.com/

(c)2026映画「4アウト」製作委員会

※2026年10月26日時点の情報です。

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