1. トップ
  2. エピソード
  3. シェーグレン症候群の診断後も関節痛が悪化。転院先の検査で判明したもう一つの病名【医師解説あり】

シェーグレン症候群の診断後も関節痛が悪化。転院先の検査で判明したもう一つの病名【医師解説あり】

  • 2026.11.1

40代後半の私が、体の異変を感じ始めたのは4年ほど前の42歳のときです。手指の変色・倦怠感・疲れやすさ、口や目の渇き……。「何かおかしい」と不安を感じ、病院の門をたたくと、下されたのは膠原病の一種である「シェーグレン症候群」という診断でした。しかし、ここ1年ほどで体調不良は限界に達し、私は転院を決意。転院先で改めて詳しい検査・再診察を受けた結果、予想もしていなかった別の病気が判明するのです。【医師解説あり】

「対症療法しかない」大学病院での診断に募る不安

私が最初に受診したのは、ある大学病院の膠原病内科。担当医は簡単な聞き取りと血液検査、組織検査などをおこない、後日、指定難病である膠原病の一つ、「シェーグレン症候群/涙腺や唾液腺を中心に炎症が起こり、目や口などが乾燥する自己免疫疾患」だと告げられました。

しかし、今後の見通しや治療法などの詳しい説明もなく、医師は「症状に応じた対症療法をするしかない」と、あっさり説明するだけ。仕方なく、地元の皮膚科と整形外科に通い始めましたが、内心しっくりこないところもありました。

長引く体調不良に不安を抱え、大学病院で担当医に訴えても、やはり「対症療法しかありませんね」の一点張り。体全体を総合的に診てもらえている感覚は持てませんでした。

私は心に不満、ストレスを抱えながらも、「大学病院の先生が言うのだから、この診断は間違いないはず」と自分に言い聞かせ、その後数年もの間、皮膚の変色や日に日に強くなる関節痛に、根本的な治療もできないまま苦しみ続けるのです。

「この痛み、もう我慢できない!」ついに転院決断

しかし、そんな私の我慢をあざ笑うかのように、症状はどんどん悪化します。寒くなると、「レイノー現象」という手指の変色が明らかで、感覚がおかしくなり、腫れぼったく、触ると刺すような痛みも。

さらにつらかったのは、朝の目覚めの瞬間です。起きると全身がこわばり、痛くて痛くてすぐに起き上がれない状態も……。着替えにも苦労するなど、体の節々の痛みで暮らしにさまざまな支障が出てきたのです。

「難病だから仕方ない」と耐えてきましたが、生活の自由が奪われていく感覚に、私は恐怖を覚え、心は限界を感じ始めました。

「もうこれ以上耐えられない。病院を変えよう……」

私はついに転院を決意。わらにもすがる思いで訪れたのは、膠原病専門の個人病院でした。しかし、ここでの対応は、不満が残った大学病院とは驚くほど異なっていました。

医師は症状を細かい項目に分け、時間をかけて丁寧に問診や触診をおこないました。さらに、血液検査に尿検査、エコーなど、さまざまな詳しい検査をしてくれたのです。

徹底した検査の末に告げられた「もう一つの病名」

そして数日後、再び個人病院へ行くと、私は衝撃の事実を知らされます。検査結果を示しながら、医師は冷静に

「あなたはシェーグレン症候群と、それとは別に混合性結合組織病という難病もある。厄介な病気になったね」

と告げたのです。

「えっ?」。もちろん初めて耳にする病名です。混合性結合組織病(こんごうせいけつごうそしきびょう/複数の膠原病に似た症状や検査所見が混在する自己免疫疾患)も、国の指定難病です。なんと私には、「シェーグレン症候群」に加え、「混合性結合組織病」も並存していたのです。

「そんなことある!?」と、私の頭の中は真っ白になりました。医師の説明を受け、これまで耐えてきた激しい関節痛や全身のこわばりには、混合性結合組織病が関係していた可能性があると知りました。

新たな診断を告げられ、「これから治療はどうなってしまうんだろう」と現実的な不安が押し寄せ、押しつぶされそうになりました。そんな不安げな私の顔をやさしく見ながら、医師は細やかに治療計画の説明を始めました。

穏やかな声に耳を傾けていると、だんだんと落ち着いていく自分もありました。「そうだ、見えなかった原因がはっきりしたことで、これからの具体的な対策が見えてくる」という前向きな気持ちも出てきたのです。

親身になってくれる医師と出会い、一緒に闘える今の状況は、間違いなく一歩前進です。自分の違和感を信じて病院を変えた行動は、結果として自分自身と真摯に向き合うためのよい選択だったと、今は確信しています。

まとめ

現在、私は薬を服用しながら経過を診ていますが、残念ながら、痛みをはじめとする症状の改善はまだ感じられません。日常生活で「絶対に無理をしない」ことは、言葉で言うほど簡単ではありません。けれど、今の私にとっては、何よりも優先して守る必要があります。

この病気と一生付き合っていく暮らし。私は諦めず、寛解を目指して、今日できることを淡々とやっていこうと思います。

医師による解説:2つの 膠原病と診断・治療の考え方

シェーグレン症候群と混合性結合組織病は、いずれも免疫の異常によって起こる膠原病です。症状や検査所見を総合して診断し、状態に応じて治療します。

2つの病気が併存することもある

シェーグレン症候群は、ほかの膠原病を伴わない一次性と、混合性結合組織病などを伴う二次性に分けられます。2つの病気が併存すること自体は、医学的にあり得ます。

症状は経過とともに変化することも

混合性結合組織病では、複数の膠原病に似た症状や検査所見が、同時に現れることも、経過とともにそろってくることもあります。そのため、以前の診察で必ず見落とされていたとは限りません。

症状と臓器病変に応じて治療する

いずれも現時点で根治的な治療法は確立されていませんが、治療法がないという意味ではありません。乾燥症状や全身症状への治療、炎症や障害された臓器に応じた治療などがおこなわれます。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

監修:菊池大和先生(医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長)

著者:琥珀乃 たびと/40代独身女性。契約社員として働く。高齢の両親と3人暮らし。珈琲とパン、甘いものが好きな食いしん坊。

イラスト:マメ美

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)


監修者:医師 医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長 菊池大和先生

地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。

ベビーカレンダー/ウーマンカレンダー編集室

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ