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言われた時刻どおりに義実家へ着いた私に「お嫁さんは重役出勤ねえ」→義母が私にだけ送っていた時刻

  • 2026.11.1
ハウコレ

玄関の引き戸を開けると、たたきにはもういくつもの靴が並んでいました。義実家で開かれる、親戚が集まるお正月の会。言われた時刻どおりに着いたはずなのに、奥の居間からはにぎやかな笑い声が聞こえていました。

差し出されたスマホに書かれていた時刻

夫は仕事を片づけてから合流する予定で、この日は私だけが先に来ていました。居間に入ると、親戚はすでにそろっていて、テーブルの上には空いたグラスがいくつも。

「遅くなってすみません」

頭を下げると、義姉が首をかしげました。

「あれ、集合1時間前だったよ?」

義姉が差し出したスマホには、親族のグループチャット。私の入っていないそのチャットに、たしかに1時間早い時刻が書かれていました。自分のスマホを開くと、義母からのメッセージが残っていました。

「お正月の集まり、13時に来てくれたら大丈夫だからね」

何度読み返しても、数字は同じ。私にだけ、違う時刻が伝えられていたのです。

親戚の笑い声と、目をそらした義母

夫の大叔母が、グラスを置いてこちらを見ました。

「お嫁さんは重役出勤ねえ」

あちこちから、小さな笑いが起きました。本当のことを言えば、義母を責めることになる。言葉を探しているうちに、廊下から義母が顔をのぞかせました。

「いいのよ、座って」

それだけ言うと、義母は私と目を合わせないまま、廊下の奥へ戻っていったのです。

わざとだ、と思いました。遅れてくる嫁を、親戚の前で笑い者にするため。私が理由を口にできないことも、分かっていたはずです。その日、私は誰にも何も言いませんでした。後から来た夫にも、帰りの車の中でも。

お盆の集まりが近づいた頃、義母から1通のメッセージが届きました。

「お盆も同じ時間で大丈夫だからね」

また、私にだけ。

誰にも言わずに決めたこと

画面の文字を、しばらく見つめていました。夫に「お盆って、何時に集合だっけ」とだけ聞くと、夫はグループチャットを開いて、1時間早い時刻を読み上げました。聞いた理由は、夫には話しませんでした。

義母に問いただしても、きっと「勘違いさせたかしら」と笑われて終わる。それなら、あの1時間に何があるのかを、自分の目で確かめたい。教えられた時刻ではなく、本当の時刻に行く。そう決めて、返信には「分かりました」とだけ打ちました。

そして...

お盆の日も、夫は仕事で後から来ることになっていました。本当の集合時刻より少し早く、1人で義実家の引き戸を開けました。廊下に出てきた義母は、私を見て足を止めました。

「……今日は、早いのね」

義母は何か言いかけて、一度口を閉じました。

「恥をかかせてしまって、ごめんなさいね」

「次からは、本当の時間を教えてください」

少し間を置いてそう返し、靴をそろえて自分から台所へ向かいました。私にだけ遅い時刻を送り、お正月の居間では目をそらした義母。あのとき、何を思っていたのでしょうか。

(30代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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