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「うちの木なんだから、放っておいてよ」虫だらけの植木を放置する隣人。だが、おばあさんの静かな指摘に言葉を失う

  • 2026.10.31

玄関まで来るようになった虫

中古の戸建てを購入して、2年がたったころの話です。

わが家があるのは、もともと分譲された住宅地です。

隣同士の家が近く、塀やフェンスもありません。

そのため、近所の人たちは庭の手入れをこまめにして、周囲に迷惑がかからないよう気をつけていました。

ところが、隣の家だけは違いました。

庭には雑草が生い茂り、伸び放題になった植木には大量の虫が発生していました。

最初は気にしないようにしていたのですが、やがて虫がわが家の玄関にまで来るようになったのです。

ドアを開けるたびに虫を手で払わなければならず、さすがに困ってしまいました。

ある日、庭先にいた隣の家の女性に声をかけました。

「すみません。植木に虫が発生しているみたいなので、駆除していただけませんか」

女性は植木をちらりと見て、小さくため息をつきました。

「そのうちね」

そう言われたので、しばらく様子を見ることにしました。

しかし、何週間たっても植木はそのまま。虫も減る気配がありません。

私は改めて隣の家を訪ね、玄関にまで虫が来ていて困っていることを伝えました。

すると女性は、面倒そうに眉を寄せました。

「虫なんて、どこにでもいるでしょう」

「それはそうですけど、うちの玄関にもたくさん来ていて…」

私が説明しようとすると、女性は声を強めました。

「うちの木なんだから、放っておいてよ」

そう言うと、私の返事も待たずにドアを閉めてしまったのです。

自分の敷地のことに口を出されたくなかったのかもしれません。それでも、実際に虫が来ている以上、こちらも困ります。

どうすれば分かってもらえるのか、途方に暮れていました。

杖をついて訪ねた向かいのおばあさん

そんなある朝、向かいに昔から住んでいるおばあさんが声をかけてくれました。

わが家の玄関に虫が来ていることには、以前から気づいていたそうです。

「玄関の虫、困っているでしょう。私からも話してみましょうか」

ありがたい申し出でしたが、隣の女性が素直に聞いてくれるのか、不安もありました。

別の日の昼、おばあさんは杖をついて隣の家を訪ねました。

私は少し離れた、会話が聞こえる場所から様子を見ていました。

玄関から出てきた女性は、おばあさんの姿を見て少し戸惑ったようでした。

おばあさんは伸びた植木を見上げてから、穏やかに話し始めました。

「お宅の植木の虫が、お隣の玄関にまで来ているのよ」

「でも、うちの木ですから」

女性が言いかけると、おばあさんは落ち着いた声で続けました。

「うちの木だからこそ、お宅が手入れをするんでしょう。自分の家のことでも、周りに迷惑がかかったら、それだけでは済まないのよ」

そして、植木のほうに目を向けながら言いました。

「この辺りは、みんなそうやって気をつけてきたの」

女性は何か言い返そうとしたようでしたが、結局、言葉が出てきませんでした。

それまで組んでいた腕をほどき、足元の雑草へと視線を落としました。

通りの向こうでは、庭に出ていた近所の人たちも手を止め、こちらを見ていました。

それ以上、おばあさんが女性を責めることはありませんでした。

そして次の週。

隣の家の植木は、業者によって根元から切られていました。生い茂っていた雑草もきれいに刈られています。

その後、わが家の玄関に虫が来ることもなくなりました。

おばあさんにお礼を伝えると、杖に両手をのせて、にっこり笑いました。

「当たり前のことを言っただけよ」

何度お願いしても聞いてもらえなかっただけに、おばあさんの言葉には本当に救われました。

自分の敷地だから何をしてもいいわけではない。近所で暮らしていくうえで大切なことを、改めて考えさせられた出来事でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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