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“仮面ライダー美女”椛島光、30歳の節目を刻む2nd写真集 「大人度はまだ50%」と語る現在地 人生の転機と未来図

  • 2026.10.30
椛島光 クランクイン! 写真:高野広美 width=
椛島光 クランクイン! 写真:高野広美

『仮面ライダーリバイス』(テレビ朝日系)のアギレラ役で女優デビューしてから約5年。2nd写真集『Ortensia』を刊行する椛島光。30歳という節目の年齢を迎え、イタリア・ヴェネツィアの異国情緒のなかで解き放たれた椛島は、かつてないほど澄んだ輝きを放っている。少女から大人の女性へと歩みを進める日々の葛藤、人生を大きく変えた決断の瞬間、敬愛する表現者への熱い眼差し、そして未来図まで、心の深層にある思いを語ってもらった。

【写真】椛島光、魅力あふれるショットの数々 2nd写真集『Ortensia』より(3枚)

■2年ぶりの写真集 異国の風に身を委ねて手に入れた、ありのままの呼吸


1st写真集『chouchou』で抱えていた重圧を脱ぎ捨て、肩の力を抜いて旅立った。かつての気負いから解放され、ただそこに佇む姿をレンズの前に差し出している。

「初めての写真集は、完璧にしなくては……と勝手に背負い込んでいた部分があったのですが、今回は逆に何にもせず自然体でいようと決めていて。そういう点では、より自分らしくいられたなって大きく感じています」。

運河が張り巡らされた水の都は、五感を心地よくほどいていった。水面を渡る乗り物の上でも、現地の人々との温かな触れ合いが生まれた。

「気候もちょうど良く、過ごしやすくて、ほのかに水の香りが漂うところにすごく癒やされました。移動手段が水上タクシーかゴンドラだったので大変さはあったのですが、船上で撮影していたら隣の方が写真を撮って『可愛い』って送ってくれたり、現地ならではのコミュニケーションがありました」。

街行く車からの情熱的な賛辞や、通りすがりの人物から突然美しい花を手渡された驚き。文化の違いを肌で感じながら、街の温もりに心を開いていく。タイトルとなった花も、そうした偶然の優しさから手元へと届けられた。

「車の中から『アモーレ』って言われて、こんなところなんだってびっくりしました。皆さんすごく人情味があって温かくて。お花も、日本だと買わないともらえないじゃないですか。全然知らない方に『こっちおいで、あげるよ』って言われてカルチャーショックでしたけど、この国の空気感があってこその開放感だったなって思います」。

長年焦がれ続けた名作映画の舞台に足を踏み入れた瞬間は、胸が震えるほどの歓喜に包まれた。憧れの地に立つため、身体作りにもストイックに向き合った。

「ずっと行きたかった映画『ベニスに死す』のホテルとビーチに立てて、素敵なカメラマンさんに残していただけたのは本当に貴重な機会でした。約3キロ絞って、ジムとピラティスで引き締めもしたので万全な状態で挑めました。終わったあとの最後の食事では、パスタもピザもジェラートも食べまくりました(笑)」。

■故郷・青森からの旅立ちと芝居との邂逅――涙の先に宿る強さ


写真のなかにふと立ち現れる成熟した気配。かつて思い描いていた理想像とは少し違っていても、ありのままの現在地を受け止めている。

「自分ではあまり大人っぽくなった実感がなかったんですけど、写真を見返すと『30歳かも』と思える表情があって、残せてよかったです。幼い頃に想像していた30歳は、完璧に自立していて心に余裕があるキャリアウーマンで、泣かないイメージでした。昔と比べたら成長したと思いますけど、理想を100%としたらまだ半分くらい。倍は大人になれる、伸び代があると思っています」。

感情が揺れ動くと、今でも瞳を潤ませてしまう。だが、その瑞々しい感受性こそが表現者としての器を育んでいる。

「私、結構泣き虫で。悲しいときというより、悔しかったり感動したり心が大きく動いたときに流れちゃうんです。涙を流すと解決はしなくてもデトックスされて、すっきりするのですが、人前では我慢できるようになりたいですね」。

自らの歩みを振り返ったとき、運命の歯車を大きく回した転機がふたつある。ひとつは夢を追い求めて故郷・青森を離れた決断、そしてもうひとつは、特撮ドラマでの鮮烈な登場を機に踏み出した役者の道だった。

「やっぱり上京したことが最初の転機です。昔から芸能の仕事に憧れていて、地元の青森では機会に恵まれなかったので。その決断がなければ、いまここにいることはありませんでしたから。次にもう一つ挙げるなら俳優業を始めたことです。『仮面ライダーリバイス』でデビューしてから約5年、自分の人生の中で一番長く続いていることなんです。まさかこんなに長く続けられるものに巡り合えるとは思っていませんでした」。

■暗中模索のなかで現場を重ね、演じる歓びは確信へ


まだまだ試行錯誤な俳優業。正解がない世界だけに手探り状態ではあるが、確実に前に進んでいる感覚を宿すようになった。

「今でも難しいですし、もっとこうすれば良かったとずっと思います。最初は右も左も分からなかったのが、作品を重ねるうちに少しずつ掴めてきて、この仕事が好きで楽しいんだと身に染みて感じるようになりました。続けてきて本当に良かったです」。

表現の道を歩むうえで、胸の奥深くに灯り続ける道標がある。母親の世代から受け継ぎ、魂を揺さぶられた希代の歌姫への思慕は尽きることがない。

「表現者として一番尊敬しているのが中森明菜さんなんです。私にとって本当に特別な方なので、いつかお会いできたら感動しすぎて涙してしまうかも。出会うきっかけをくれた母には感謝していますし、私自身もっと成長してお会いできるように頑張りたいです」。

さらなる進化を誓うこれからの日々。本業での飛躍を期すとともに、ジャンルにとらわれない挑戦へと視線を向ける。

「俳優業をもっと充実させつつ、自分にできることがあったら枠を広げて活動していきたいです。プライベートでは旅行が大好きなので、行けるだけたくさんの国を巡りたいですね。景色を眺めたり、絵画を鑑賞したり、現地の人と話したり。何気ない体験を通して自分の内側を豊かにしていきたい。目指せ100か国です。いつか旅の本も出してみたいですね」。

少女のようなあどけなさを残しながらも、確固たる信念を胸に秘めた椛島光。背負った力みを脱ぎ去り、水の都の光の下でありのままの美しさを焼き付けた本作は、彼女が真の表現者へと羽ばたく通過儀礼となった。「まだまだ大人度は50%」と笑うが、溢れ出る豊かな感受性を武器に、枠に収まることなく世界へと歩みを進めるこれからの物語に注目したい。(取材・文:磯部正和 写真:高野広美)

椛島光の2nd写真集『Ortensia』は、KADOKAWAより発売中。

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