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連休明け「学校行きたくない」…不登校の息子と10年歩んで気づいた親のNG行動

  • 2026.10.30
cocreco「連休明けの行き渋り」なぜ? 不登校の理由を8年間探し続けて気づいたこと イラスト:べるこ

コクリコママライターの一ノ瀬奈津です。

「連休はあんなに楽しく過ごせたのに、どうして……」 連休明けの朝、子どもから「学校に行きたくない」と言われ、胸がざわついた経験はありませんか?

わが家の息子が不登校になったのも、小学2年生の連休明けのことでした。 「なぜ行けないの?」と理由がわからず、当時は子どもを問い詰め、親である自分自身もひどく追い込まれていました。

しかし、8年という長い時間を経た今だからこそ、はっきりとわかることがあります。

この記事では、連休明けの行き渋りに直面し、「学校に行けない理由」を探し続けて苦しんでいるママやパパへ向けて、わが家の葛藤の記録と「最初に手放すべきだった思い」をお伝えします。

ゴールデンウィークをきっかけに増える体調不良

息子は幼いころから感受性が強く、環境の変化に強いタイプではありませんでした。保育園時代は、運動会やお遊戯会などのイベント前日に体調を崩してしまうことも……。

それでも小学校に入学してからは、「○○くんに会いたい」「図工が楽しみ」など自分なりの楽しみを見つけては、なんとか登校していました。

変化が訪れたのは、小学2年生に進級し、担任の先生が若い男性に変わったことでした。息子は体調不良を訴えるようになりました。

大学を卒業したばかりの新任の先生で、はつらつとした元気なタイプ。私は「若い先生だから子ども目線で接してくれそう。学校が楽しくなるかもしれない」そんな期待を持ちながら、新学期を迎えたことを覚えています。

ところがゴールデンウィークが近づくにつれ、体調不良を訴えるようになった息子。それまでは帰宅するとすぐ近所の友だちのところへ飛び出していたのに、帰宅するなり「疲れた」と言って床に倒れ込むようになったのです。夕食もとらずにそのまま眠ってしまう日が増えていきました。

最初のうちは「新学期で生活リズムが変わったんだろう」「運動会の練習が始まったからかも」と思っていました。「子どもだって疲れちゃうよね」と自分に言い聞かせながら、様子を見ていたのです。

しかしゴールデンウィークが明けても息子の体調は改善することなく、学校への足取りはさらに重くなっていきました。

「今日は行く」と言ったまま玄関で動けなくなってしまったり、通学路の途中で引き返してきたり。気づけば、学校を休む日が少しずつ増えていったのです。

毎朝の「行く? 行かない?」の押し問答と憂鬱な欠席連絡

当時、すぐに息子が学校に行かないことを受け入れられたわけではありません。朝、起きてから登校時間までは、毎日「今日は行ける? それとも行かないの?」の押し問答が続きます。

パジャマ姿のままソファに倒れ込んでしまう息子を見て「今日も無理だろうな……」と感じる朝であっても、最初から「休んでいい」とは言いたくない。多少は無理してでも、登校してしまえば学校が楽しくなるのではないかと思っていたからです。

何より休むと決めたら、学校に欠席の連絡を入れなければならないことが、私にとっては憂鬱で仕方ありませんでした。

欠席連絡の際、電話口に出るのが担任の先生とは限りません。また、「欠席します」と伝えると、「体調不良ですか? 病院には行きましたか?」と聞き返されることもあります。

子どもが「ただ学校に行きたくない」と言っている。そのまま伝えれば、私が親として「過保護だと思われるのでは」と世間の目が不安になってしまっていたのです。

cocreco写真:takasu/イメージマート

息子が学校に行けなくなった本当の理由

「なんで行きたくないの?」

そう聞くと、息子は「うーん」と黙り込みます。「勉強が……」「友だちが……」と単語は出てくるけれど、その先が続きません。何か原因があるのはわかるのですが、それが何なのかハッキリしないのです。

私に言えないことでもあるのかなと、知り合いのママに学校での様子を聞いたこともあります。しかし「クラスで息子にトラブルがあったとは聞いてない」という返事。

そんな日々が続いたある朝のことです。いつものように「ねえ、今日は行くの? 行かないなら、ちゃんと理由を教えてよ!」と問い詰める私に、息子は泣きながら小さな声でこうつぶやきました。

「先生が怖い」

思いがけない息子の言葉に、私は戸惑いました。先生に怒られたのかと聞いても、「自分が怒られたわけじゃない」と言うのです。

自分が怒られたわけではないのに、先生が怖くて学校に行けない。その理由を、当時の私にはうまく理解できませんでしたし、そのまま学校に伝える勇気もありませんでした。

「先生が怖いから、息子は学校に行けない」なんて言ったら、子どもを守りたいだけの過保護な親、あるいはモンスターペアレントだと思われるのではないか。そんな不安がふくらんでいたのです。

そこで私は、「お腹が痛いそうです。それに熱もあって……」など、そのたびにもっともらしい理由を添えて、学校に欠席連絡を入れ続けていました。

息子の「安心できる場所」が侵される

ゴールデンウィークが明け、学校を休む日が増えると、担任の先生が時間を作って家まで来てくれるようになりました。しかし息子は、先生の車の音が聞こえると2階へ駆け上がり、布団をかぶってじっと動かなくなってしまいます。

「みんな○○くんのこと待ってるよ」「今日はこういう授業があるよ」と声をかけてくれる先生の姿に、親としてはありがたさを感じていました。一方で、訪問のたびに先生に背を向ける息子の態度が申し訳なく、ただ謝ることしかできない自分に、私自身もつらくなっていったのです。

息子がなぜそこまで先生を怖がるのか。はっきりした理由を私が学校に伝えられないから、先生は「家に行けば学校に来られるかもしれない」と思ってしまうのではないか。そう考えるほど、私は息子に「行けない理由」を求め、問い詰めるようになっていたのです。

先生の自宅訪問には、いわゆる「登校刺激」といわれるような、それなりの理由があるのだと思います。でも当時の息子にとって、家は「怖い学校から離れ、安心できる場所」だったはずです。

その場所に先生が来るということは、自宅でさえも安心できる場所ではなくなることを意味していたのではないかと、今になって思います。

理由がわからないままでも転機はやってくる

不登校の理由は「説明しやすい形」では表れない

子どもが学校に行かなくなると、いじめ、友人関係のトラブル、学習のつまずきといった「わかりやすい理由」を親は探したくなります。

親としては、理由がわかれば学校に対応してもらえるし、自分たちも対応できるかもしれないという気持ちを抱くからです。また「正当な理由」さえあれば、親が学校を休ませる判断も、世間から許されるような気がしていました。

でも実際には、本人ですらうまく言葉にできない「体調」「不安」「怖さ」「漠然とした圧力」などが積み重なっているのが不登校という状態です。 学校に行けなくなった理由は、おそらくひとつではないのでしょう。

あのころの私は、ずっと「説明できる理由」を探していました。

それは学校に対してだけではありません。夫に対しても、祖父母に対しても、周りの保護者に対してもです。誰にも聞かれていないのに「うちの子は、こういう理由で不登校なんですよ」と明確な理由を添えて伝えたかったのです。「そうなんだね、じゃあ仕方ない」そう言ってほしかったのかもしれません。

最初に手放すべきは「理由がほしい」という気持ち

今、お子さんの行き渋りや不登校に直面しているママやパパへ。

学校に行けない理由を子どもに問い詰めてしまったり、明確な理由がないことに戸惑ってしまったりすることもあるかもしれません。でも不登校の子どもにとってまず必要なのは「ここにいれば安全だ」と思える場所です。そんな環境を用意してあげられるのは、私たち親にしかできないこと。

理由が何であれ、不登校の子どもたちは、心身ともに「バッテリー切れ」を起こしています。そうであれば、まずはそのバッテリーを充電する必要があります。

だからこそ、子どもが心身を休められる場所であるかどうか、バッテリーが充電できるまで安心できる場所であるかどうかが、その後の回復に大きく関わってくると感じます。

とはいえ、子どもが学校に行けなくなったとき、親もまた必死です。理由を知りたい、助けたい、早く元に戻ってほしい──そう思うのは当然のこと。いつだって穏やかにいられるとは限りません。それでもまずは、私たち自身が「不登校の明確な理由がほしい」という気持ちをいったん脇に置くことが大切なのかもしれません。

たとえ周りにうまく説明できなくても、目の前の子どもが今、休むことを必要としている。その事実を受け止めるだけでも、子どもをこれ以上追い詰めずにすみます。

そして親である自分自身も、「理由を見つけなければ」「世間に説明しなければ」というプレッシャーから解放されることにつながるはずです。

文/構成・一ノ瀬奈津

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