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自分最優先で家族を使う“殿さま”な父。でも、家族で一番弱い人だった【著者インタビュー】

  • 2026.10.29

【漫画】本編を読む

「誰のおかげでメシが食えると思ってる!」「文句があるなら出ていけ!」

意見をすれば横暴な言葉を返してくる父は、定年後も家事は一切せず、目の前のリモコンすら自分ではとらない。お酒や認知症の問題も出てきて、ついに母がダウン。典型的な昭和の男、“殿さま”のような父を介護することになってしまった次女・史子を主人公にした漫画『殿さまとわたし』(ぬまじりよしみ/双葉社)。著者が長年父と母を介護してきた経験をもとにしたフィクション作品だ。

「家族は自分の言うことをきくのが当たり前」という態度に翻弄される日々をリアルに、しかしコミカルに描く。そして父娘の物語だけでなく、姪夫婦の危機など家族の問題を描く本作。著者であるぬまじりよしみ先生に本作を描くに至った経緯から実際の介護生活についてなど、幅広くお話を伺った。

――お父様のキャラクターについて、フィクションの部分はありますか? 「実際はもっとこうだった」という部分がありましたら教えてください。

ぬまじりよしみ先生(以下、ぬまじり):いいほうにフィクションしています。父親のあれこれを描いてひどい娘だと思う方も多いでしょうが、これでも遠慮して描いています。もっとエグい事件もありましたが、父の尊厳のためにも教えません!

――作中で、会社員時代には家族に愚痴をこぼすシーンがありました。お父様の弱い部分も描かれていますよね。

ぬまじり:働いていた時代は、食事中、愚痴が会話のデフォルトでした。威張っていても「男らしさ」にこだわりがない人なのかなと感じていました。うちで一番“女々しい”のは父だったかもしれません。「会社人間は退職後、抜け殻になると始末に負えないですよ」ということは描いておきたいと思いました。

――今振り返って、お父様はどんな方だったと感じていますか?

ぬまじり:ぶいぶいオシャレするくせにとても傷つきやすい、弱い人でしたね。母に支えてもらっているのに男のほうが偉いと信じていて、家族としても歪でした。「父に信頼できる友人や先輩がいてくれたら、全く違う人生・家庭があったのかもしれないな」という気持ちもあって。その思いを最終回に込めました。

取材・文=原智香

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