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『#神絵師になりたい!』装画・れおえんの思考の裏側に迫る

  • 2026.10.29

青い鳥文庫の新シリーズ『#神絵師になりたい!』の装画を描いてくれた、人気イラストレーター・れおえんインタビューの後編です。

今回は、れおえんさんがどんな世界観に惹かれ、どうやってあの繊細で深みのある表現を生み出しているのか、その思考の裏側をじっくりうかがいました。

「自分の限界が完成になる」「マネしたいという衝動の正体」──インタビュー中で語られる数々の言葉には、絵を描く人だけでなく、ものづくりに携わるあらゆる人の胸を打つ本質がつまっています。プロとして長く生き残るための「生存戦略」とは?

10代のころはダークで切ない世界観に引きこまれました

──れおえんさんの作品には、どこか退廃的(滅びかけた世界のような、どこかさびしさを感じること)、幻想的な空気感がただよっている気がします。10代のころには、どんな作品に影響を受けていたのでしょうか?

れおえん:

中学生のころにペンタブレットを買ってもらい、デジタルで絵を描き始めたのですが、当時はマンガ『ソウルイーター』(大久保篤/スクウェア・エニックス)が大好きでした。

主人公側のキャラクターが悪を取り入れて強くなっていくような展開で、ダークで強くてカッコいい世界観にワクワクさせられました。

アニメでは『交響詩篇エウレカセブン』や『ノエイン もう一人の君へ』の「切なさ」のような部分に強い影響を受けました。

このとき抱いた「こういう熱いシーンや世界観を自分も再現したい」という素直な衝動は、いまの自分の創作とも地続きになっているかもしれません。

cocrecoオリジナル作品(「WWXXXXXXXIVc」)

音楽で楽しくなりすぎると冷静な判断ができなくなる

──ふだんの作業環境や、描くときの習慣についても教えてください。作業中はどのような音楽を聴かれていますか?

れおえん:

机はL字型でパソコンが2台あり、1台はペンタブにつなげていて、もう1台はモニターでゲームをしたり配信を流したりしています。

となりに本棚も置いていて、この配置は引っ越しをしてもあまり変えないようにしています。「ここで仕事するぞ!」というスイッチの入る場所にしています。

作業中はVtuberさんやストリーマーさんのゲーム配信を流すことが多いですね。

音楽を聴いて描くこともありますが、音楽は気分がノリすぎて自分の絵がよく見えすぎてしまうことがあるんです(笑)。

正しい評価ができなくなってしまうので、冷静に描きたいときは配信を聴き、逆に特定の「雰囲気」を絵に乗せたいときは音楽を選びます。

選曲はエレクトロニカ・アンビエントのような静謐(落ち着いて穏やかな様子)なものからJ-ROCKまでさまざまです。

創作面で強く影響を受けたのは「エレクトロキューティカ(ELECTROCUTICA)」というユニットと、「相対性理論」のやくしまるえつこさんです。

エレクトロキューティカは、中学生のころにボーカロイドの音楽をいろいろと聞いているときに出会いました。

とてもきれいで、切なさもあるのですが、同時に「無敵感」を感じるような音楽で、「こんな雰囲気を自分の絵でも表現したいな」と思いました。

やくしまるえつこさんは歌詞が持つ独特のユーモアが素敵で、こちらも「自分もこういう世界観のある絵を描きたい」と強く刺激を受けました。

──仕事中によく飲むものなどはありますか。

れおえん:

最近、ペットボトルのお茶を飲みすぎたのか、味をあまり感じなくなってしまって。

それでいまは「お~いお茶 濃い茶 PREMIUM STRONG(プレミアムストロング)」が好きです。

コンビニで売っていないのが不便ですが……。コーヒーは好きなのですが、お腹を壊してしまうので飲めないのです。

cocrecoれおえんさんの作業部屋

「これ以上やることはない」 と思った瞬間が「絵の完成」

──れおえんさんがイラストを「完成」と判断する基準はどこにありますか? とくにデジタルだと何度もやり直せるから、終わりを決めるのが大変そうですが……。

れおえん:

たしかに、デジタルならいくらでも描きこめるんじゃないかと思いますよね。でも実際は、それは不可能なのです。

ある一定のタイミングで、「もうこれ以上、この絵に対してやることがない」と感じる瞬間、「限界」が来るものだな、と最近よく感じています。

だから、自分で「これでよし」と決めるのではなく、「自分はこれ以上この絵に愛情を持てない、これ以上観察もできない、描きこむ気力もない」という瞬間が「完成」の正体なんです。

でも、その「限界」は自分の意識で引き上げることができます。成長すると、「やれること」は増えるんですよ。

そのために僕は最近、1枚の絵に100時間をかけるという挑戦もしました。

100時間というのは、ずっと手を動かして描きこんでいるわけではなく、資料を集めたり、キャラクターデザインを練ったり、映画やアニメのように事前の「設計と準備」を徹底的に行うことを含めての時間です。

そうやって試行錯誤を重ねることで、自分の限界は引き上がっていくものだと思っています。

ちょっとすごいことをやっていそうな言い方をしましたが、うまい人はたいていこれをやっていますし、僕もそんな憧れの絵師さんたちに追いつきたくて、一生懸命手を動かしているところです。

cocrecoタイトル(⬜)

自分を含めてだれも 「見たことがない」ものを創りたい

──今回れおえんさんには『#神絵師になりたい!』の装画を描いていただきましたが、本書のタイトルにもある「神絵師」という言葉や、れおえんさんが目指すものについて教えてください。

れおえん:

「神絵師」とは、みんながあこがれて目標にすると同時に、「思わずマネしたくなる存在」かなと思います。クリエイティブにおいて「マネをする」というのはとても大切なことです。

そこには、相手を「理解したい」「近づきたい」という欲求と、「自分ならこうしたい」という反骨心のようなものが渦巻いていて、そこに大切な「なにか」がある気がします。

難しいけれど楽しい、そんな大切なプロセスなので、マネしたくなる絵師さんを見つけたら、「なぜマネしたいんだろう」「マネするってどういうことだろう」と、深く考えてみることも大切ではないかと思います。

僕自身が最終的に目指したいのは、「自分も、みんなも、見たことがないものを見せること」です。

クリエイターはさまざまなものに影響を受けますが、創作をつづけていると、あこがれていた場所とはまったく違うところにたどり着くことがあります。

夜空を見上げると、星と星ってすごく近く見えるじゃないですか。

でも実際は、ものすごく遠く離れている。それと同じように、憧れの星に向かって進んでいても、気がつくとまったく別の場所にいる……。

創作における「理想と自分の立ち位置の距離感」は、そんな星と星の関係に似ているんじゃないか、そんなことを考えながら描いています。

でも同時に、イラストレーターとしてできるだけ長く絵で生き残る、そのための「生存戦略」をいろいろと考えて実行していく生き方も楽しいと感じています。

自分の好きな表現を追求することと、プロとして必要とされるための研究。

その両輪を回しながら、これからも絵を描き続けていきたいと思っています。

cocrecoオリジナル作品(「LROOM」)

れおえんさんに質問!

Q:いちばん最初の「お仕事」を覚えていますか。

A:おそらく 中学生のときに、「ボカロ関係のウェブサイトのためのイラストを描いてほしい」と頼まれたことが最初かと思います。個人の方からの依頼で、5000円で描きました!

Q:人の絵では、なにを見ますか。

A:いろいろなことを感じますが、「楽しく描いたんだろうな」という絵にはうらやましさを感じます。「アクセサリーが好きなんだろうな」「車が好きなんだろうな」など、その絵を描いた人のことはなんとなく伝わってきますし、そんな楽しさが伝わってくる絵には、うまいへたとは違うよさがあると思います。

れおえん

1996年生まれのイラストレーター。

退廃と光が同居した世界観で、“(not) Invincible”なキャラクターたちを描く。国内外IPへの作品提供を軸にグローバルに活動中。

読めば絵が上手くなる! エンタメ&レッスン・ノベル

\青い鳥文庫初!のエンタメ&レッスン・ノベル/

「がんばって描いたのに、ぜんぜんバズらない~!」

そんな悩みを抱えるお絵描き大好き中2年女子・虹乃(にじの)が出会ったのは、こわいとウワサのヤンキー風転校生・百瀬翠くん。

だけど……彼の正体は、大人気Vライバーのイラストを手がける神絵師!?

ひょんなことから2人は、ナゾのSNSアカウント〈かりすまえし〉が仕掛ける「イラストレッスン」に挑むことに!

◆「女の子の顔」と「男の子」の顔の黄金バランスって?

◆顔のバランスが左右でゆがんじゃう……どうしたらいい?

◆「映える髪の毛」にレベルアップさせるコツは?

◆メガネや服、手をうまく描くには?

◆そもそも自分が描きたいのは、どんな絵?

……などなど、 物語を読み進めると、みんなのイラストも劇的にレベルアップしちゃうこと間違いなし!

しかも、普段はぶっきらぼうなのに、恋愛には超ウブな翠くんとのドキドキの距離感に、胸キュンが止まらない……っ!

読むと絶対に絵が描きたくなる、最高にエモいイラスト成長ストーリー、開幕!

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