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「うちの教育方針なんで」子どもに自転車の練習をさせる父親。だが、見回りのスタッフが伝えた公園のルール

  • 2026.10.29

ヘルメットなしで車道のほうへ走る男の子

休みの日の昼、私は車道に面した公園のベンチで休んでいました。広場の先には柵のない出入口があり、すぐ向こうを車が行き来しています。

広場では、小学校の低学年くらいの男の子が、補助輪のない自転車の練習をしていました。

男の子はヘルメットをかぶっておらず、地面はかたいコンクリートです。

父親らしい男性は少し離れたところで腕を組み、その様子を見ていました。

最初はふらついていた男の子も、少しずつひとりでこげるようになっていきます。

「おーい、そのまま行けー」

父親は声をかけますが、自転車を支えようとはしません。

自分の力で覚えさせたいのかな、と私は思いました。

ところが、こげるようになった男の子は、出入口のほうへ勢いよく走るようになりました。

車道に出るぎりぎりで足をついて止まるのです。

そのたびに、私は思わず腰を浮かせました。

しかし、父親は特に止める様子もありません。

男の子が出入口へ向かったとき、すぐ向こうを大きな車が通り過ぎました。

さすがに心配になり、私は父親のそばへ行きました。

「あの、道路が近いですけど、危なくないですか」

父親はちらりとこちらを見て、ため息をつきました。

「大丈夫ですよ。ちゃんと止まれてるんで」

「でも、もし止まれなかったら…」

すると父親は、面倒そうに眉を寄せました。

「うちの教育方針なんで。他人の子に口出すの、やめてもらえます?」

それ以上は何も言えず、私はベンチへ戻りました。それでも、男の子が出入口へ向かうたびに気が気ではありませんでした。

見回りのスタッフが指さした先

しばらくすると、管理事務所の腕章をつけた作業着姿の年配の男性が、見回りで広場に入ってきました。

スタッフは自転車で走る男の子と出入口の様子を確認すると、父親のところへ歩いていきました。

「お父さん、すみません。園内は自転車の乗り入れが禁止なんです。あそこはすぐ車道ですから」

スタッフが出入口を指さすと、父親は少し困ったような顔をしました。

「いや、うちは教育方針で…」

「そうでしたか。でも、ここでは決まりを守っていただかないと。練習できる広場なら、ご案内しますよ」

スタッフは落ち着いた口調で伝えました。

父親が出入口の横に目を向けると、そこには自転車の絵にバツのついた看板が立っていました。

近くを通りかかったベビーカーの女性も、看板と父親を見比べて少し足をゆるめます。

そのころには男の子も父親の横に戻り、自転車を止めていました。

スタッフは男の子に少しかがんで、やさしく声をかけました。

「上手にこげてたね。今度はヘルメットもかぶって練習しようね」

男の子はこくりとうなずきました。

父親は顔を赤くして視線をそらしましたが、言い返すことはありませんでした。

そして男の子と並び、自転車を押して出入口へ向かっていきました。

私はその後ろ姿を見送りながら、ようやくほっとしました。

自分で挑戦させることも大切なのでしょう。でも、すぐそばに車道がある場所では、まず安全を確保してほしい。そう感じた出来事でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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