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「あと1人だけ足りないの」とPTA役員を頼まれた私。だが、最初の集まりで複数の保護者から聞いてしまった事実

  • 2026.10.29

夜の居間に届いた相談

子どもたちを寝かせ、居間を片づけていた夜のことです。

携帯電話に、子どもが同じクラスのママ友からメッセージが届きました。「相談がある」とだけ書かれています。

子どものことで何かあったのかもしれないと思い、私はすぐに電話をかけました。

「どうしたの?うちの子、何かした?」

「ううん、そうじゃないの。PTAの学年委員のことでね」

ママ友は今年、学年委員の人数集めを任されていました。名簿を早く埋めたいらしく、明るい声で話し始めました。

「あと1人だけ足りないの。引き受けてくれたら、選挙にならなくて済むんだけど」

どう答えようか迷っていると、ママ友の声が少し低くなりました。

「でもさ、子ども3人いて、役員はまだ1回だけだよね?」

私がこれまで役員を何回引き受けたかまで知っていることに驚きました。

電話の向こうで返事を待たれるうちに、断る言葉が見つからなくなってしまいました。

結局、私は引き受けると答えました。

「ほんとに助かる!あと1人だけだったから」

電話を切ってからも、最後の弾んだ声が耳に残りました。

役員の仕事をやっていけるだろうかという不安もありましたが、もう引き受けた以上、頑張るしかありません。

会議室で聞こえた同じ言葉

最初の集まりは、昼間の小学校の会議室で開かれました。保護者たちが長机を囲んで座り、ママ友は私の向かいで名簿をめくっていました。

「今年はみなさん快く引き受けてくださって、すんなり決まりました」

そう話すママ友を見ていると、隣の保護者が私のほうへ少し身を寄せました。

「実は私も、あと1人だけ足りないって頼まれたんです」

驚いて顔を向けたそのとき、斜め向かいの保護者が声を上げました。

「え、私もです」

その声を聞いた周りの保護者たちも顔を見合わせ、次々とうなずきました。同じ言葉で頼まれたのは、私だけではなかったのです。

隣の保護者が、ママ友のほうを向いて尋ねました。

「あと1人って、どなたが最後の1人だったんでしょう」

それまで話していた人たちが静かになり、視線がママ友に集まりました。ママ友は名簿を持ったまま口を開きかけましたが、すぐには言葉が出てきません。

「それは、その……」

やがて目をそらし、名簿に視線を落としました。先ほどの得意げな様子とは、まるで違って見えました。

集まりが終わったあと、廊下で隣の保護者が私に笑いかけました。

「同じように頼まれた同士、がんばりましょうね」

その日から、同じように頼まれた保護者たちと自然に話すようになり、学年委員の仕事は最後までやり通しました。

ただ、あの夜の電話を思い出すと、今でも少し複雑な気持ちになります。ママ友からの電話やメッセージには、必要なこと以外は返さず、距離を置いています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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