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「日焼けしすぎたかな…」野外フェスに行った女性→1週間後、37.7℃の熱が出て受診すると…医師から告げられた“予想外の宣告”

  • 2026.11.6
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。現役内科医のゆっこです。

「強い日差しを浴びて顔が赤くなった」「最近少し体がだるくて熱っぽい」。そんな体調の変化を、「ただの日焼けや風邪だろう」と見過ごしてはいませんか?

20代〜30代の若い女性に好発する難病「全身性エリテマトーデス(SLE)」は、何気ない日焼けや風邪に似た症状から静かに進行することがあります。今回は、野外フェスの日焼けをきっかけに思わぬ診断を受けた大学2年生・Aさんの事例を通して、見逃してはならない初期症状と紫外線のリスクについて現役内科医が解説します。

フェスの翌朝から消えない「頬の赤み」

地元から少し離れた都市で一人暮らしを送る、大学2年生のAさん。

初夏のある日、友達に誘われて野外の音楽フェスに出かけました。日焼け止めを塗り、帽子もかぶっていましたが、初夏の強い日差しに顔がじんじんとほてるのを感じていました。

翌朝、顔を洗おうと鏡を見て驚きます。両頬が赤く染まっていました。

「日焼けしすぎたかな……」

メイクでも隠しきれないほどの赤みだったため、マスクをして登校しました。しかし数日経っても赤みは引かず、両頬から鼻筋にかけて、蝶が羽を広げたような形に広がっていきます。

皮膚科に行くことも頭をよぎりましたが、「日焼けくらいで病院なんて大げさだ」と思い直しました。友達から「顔、赤くない?」と心配されても、「そのうち治るでしょ」と軽く受け流していました。

突然のむくみと体重5kg増、そして37℃台の微熱

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

異変が起きたのは、フェスから1週間ほど経ったころでした。

朝起きると顔がむくみ、まぶたが重く感じられます。さらにその1週間後には、靴を履くのがつらいほど足がパンパンにむくんでしまいました。

体が鉛のように重く、体重計に乗ってみると、普段より4〜5kgも増えています。暴飲暴食をした覚えもまったくありません。

ここ数日は強い倦怠感も抜けず、熱を測ると37.7℃ありました。

「もしコロナだったら、大学もバイトも休まなきゃいけない。違ったとしても風邪薬くらいもらっておこう」

Aさんは、自宅近くの内科の発熱外来を受診することにしました。

「風邪薬をもらうつもり」で訪れた発熱外来での異変

発熱外来で新型コロナウイルスの抗原検査を受けるため、マスクを外した瞬間でした。Aさんの顔を見た看護師が、小さく「え?」と息を呑みました。

「日焼けのあとが、まだ残っているからかな」Aさんはそう思いました。

検査結果は陰性。ほっと胸をなでおろしたのも束の間、診察室に入ると医師がまっすぐAさんを見つめて問いかけました。

「顔に湿疹が出ていると看護師から聞いたけれど、いつからですか?」

Aさんは、2週間前のフェスで日焼けしたこと、赤みが引かないこと、そしてここ最近の足のむくみや体のだるさについて話しました。

話を聞き終えた医師の表情が引き締まりました。

「もしかしたら風邪ではなく、別の病気のサインかもしれません。詳しい検査をしましょう」

急遽行われた血液検査と尿検査で、思いがけない結果が出ます。白血球の数が著しく減少し、尿には大量のタンパクが漏れ出ていたのです。

「今日か明日、すぐにB病院の総合内科へ行けますか? すぐに紹介状を書きます」

医師の切迫した様子に、Aさんはただ頷くことしかできませんでした。

告げられた入院勧告と「全身性エリテマトーデス」

翌日、紹介された総合病院を訪れ、2日連続となる採血や検査を受けました。

再び呼ばれた診察室には、総合内科の女性医師の隣に、もう一人、男性医師が座っていました。

「膠原病(こうげんびょう)の可能性が非常に高い状態です。腎臓から大量のタンパク質が漏れ出し、白血球や血小板も減っています。詳しく調べるため、すぐに入院してください」

男性は膠原病内科の専門医でした。「入院」という言葉の重さに頭が真っ白になり、Aさんの目から涙がこぼれました。その日は一旦帰宅し、震える手で地元の母親へ電話をかけました。

3日後、新幹線で駆けつけた母親とともに正式に入院。精密検査を重ねた結果、告げられた病名は「全身性エリテマトーデス(SLE)」でした。

主治医となった医師は、不安そうなAさんと母親に丁寧に説明を始めました。

「本来はウイルスなどから体を守るはずの免疫が、異常を起こして自分の体を攻撃してしまう病気です。Aさんの場合、腎臓に強い炎症が起きています。そのせいで尿中にタンパク質が漏れ出し、血液中のタンパク質が減った結果、血管の外へ水分が逃げ出してひどいむくみや急激な体重増加を引き起こしていました。

顔の赤みも日焼けではなく、この病気特有の『蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)』と呼ばれる湿疹です。蝶が羽を広げたような形をしていて、鼻と唇の間の溝(ほうれい線)には赤みが出ないのが特徴です」

紫外線が引き金に?早期発見が大切な理由

説明を聞いたAさんは、フェスの日のことを主治医に打ち明けました。

「日焼け止めを塗っていたのに、あの日すごく日差しを浴びてしまって……それが原因だったのでしょうか?」

主治医は静かに頷きながら答えました。

「日焼けだけがすべての原因とは言えませんが、紫外線は全身性エリテマトーデスの発症や症状を悪化させる大きな引き金になります。皮膚の細胞が紫外線を浴びることで、免疫の暴走のスイッチが入ってしまうことがあるのです」

幸い、早期に治療を開始できたことで、3週間ほどの入院治療を経て急性期の炎症やむくみが落ち着き、寛解(病状が安定した状態)に向けて退院となりました。現在は薬の量を慎重に調整しながら、紫外線対策を徹底して外来通院を続けています。

日焼けのあとの消えない赤み、理由のない急なむくみや体重増加、長引く微熱。強い倦怠感、微熱、むくみ、関節の痛みなどが伴う場合は膠原病などの全身性疾患も疑う必要があります。「ただの日焼け」「ちょっとした風邪」と自己判断せず、体が発する小さなSOSを見逃さないことが大切です。


執筆・監修:ゆっこ(現役内科医)

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