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「たまにはあなたも私のこと撮ってよ」に「気が向いたらね」と返した俺→別れて1年、黙って足した1枚

  • 2026.10.31
ハウコレ

旅行から帰った日、当時付き合っていた彼女のメッセージに軽い返事をしたのは照れくささからでした。1年後、2人のアルバムに1枚を足したとき、俺はあえてメッセージを付けませんでした。

スマホを買い替える前にカメラロールを整理していると、1年以上前の日付のところに、波打ち際を歩く彼女の後ろ姿が残っていました。最後の旅行で、送るつもりで撮ったまま、一度も渡せなかった1枚です。

一度だけ向けたカメラ

彼女とは3年付き合い、1年前に別れました。旅行の写真はいつも彼女の担当で、2人のチャットに作った「2人旅」というアルバムは、ほとんど彼女の撮った写真で埋まっていました。

最後の旅行の日、サンダルを片手に先を歩く彼女に、一度だけカメラを向けました。帰ったら送るつもりだったのです。

ところが帰った日に、彼女からメッセージが届きました。

「今回も私ばっかり撮ってたね。たまにはあなたも私のこと撮ってよ」

実は1枚撮っていたと返せばよかったのに、後ろ姿を勝手に撮っていたと知られるのが急に照れくさくなりました。既読をつけてから少し迷って、「気が向いたらね」とだけ返しました。そのうち送ればいい。そう思ったまま、渡すきっかけを逃し続けたのです。

メッセージではなくアルバムに置いた1枚

別れてから、彼女とのチャットを開くことはありませんでした。あの写真も、カメラロールの奥に埋もれたままでした。1年たち、スマホを買い替える前の整理で、その1枚が出てきました。

新しいスマホに移すのも、消すのも違う気がしました。ただ、写真をメッセージで送れば、会話を始めるきっかけを作ろうとしているように見えそうでした。よりを戻したいわけではありませんでした。彼女の写真を、彼女に返したかっただけ。

そこで、「2人旅」のアルバムに、その1枚だけを追加しました。アルバムなら、彼女が見たあとに返事をしなくてもいい。そう考えて、メッセージは何も付けませんでした。

下書きを消して送った短い返事

しばらくして、チャットに彼女からメッセージが届きました。

「写真見たよ。どうして今なの?」

通知に気づいて開いたのは、少したってからでした。そこから返事を送るまでには、さらに時間がかかりました。あの日撮っていたこと。軽く返した理由。別れてからも写真を消せずにいたこと。書いては消すうちに、どれも今さら彼女に背負わせる話に思えてきました。

結局、送ったのは短い文面でした。

「ずっと渡しそびれてた。それだけだから、返信はいらない」

少しして、彼女から「ありがとう」と届きました。彼女がどんな気持ちでこれを打ったのか、画面からは分かりませんでした。

そして...

彼女から届いた「ありがとう」には、返事をしませんでした。返信はいらないと書いたのは、俺のほうです。それでも、あの一言は消せずにいます。

「2人旅」の最後の1枚は、あのアルバムで俺が撮った、たった1枚の彼女の写真です。あの日「気が向いたらね」と返したとき、本当はもう、とっくに気が向いていました。

(20代男性・営業職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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