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「ふたりがぐずぐず止めるから、出遅れたんじゃない」換金所に間に合わず私たちを責めた友人。翌日、ホテルで黙り込んだ理由

  • 2026.10.28

閉店5分前の換金所へ向かおうとする友人

友人ふたりと海外旅行に出かけたときのことです。

滞在先の街には換金所がいくつもあり、両替する場所には困りませんでした。

ある日の夕方、街を歩いていると、友人のひとりが突然立ち止まり、地図を広げました。

「ここの換金所、ほかより少しだけ得に替えられるんだって。今から行こうよ」

友人が指した場所は、通りをいくつも越えた先にありました。しかも、私たちの目の前にも換金所があります。

「目の前のお店でいいんじゃない?」

私がそう言うと、友人は眉を寄せ、地図を私の顔の前に突き出しました。

時計を見ると、友人が行きたがっている店の閉店まであと5分です。

とても間に合うとは思えません。

もうひとりの友人も、なだめるように腕に手を添えました。

「もう間に合わないよ。明日にしよう」

しかし、友人はその手を振りほどき、私たちをにらみつけました。

「1円でも多いほうがいいに決まってるでしょ」

そう言うなり通りを走り出し、少し先でタクシーを止めて乗り込んでしまったのです。

私たちも友人だけを行かせるわけにはいかず、仕方なく後を追いました。

ところが、目的の換金所に着いたときには、すでにシャッターが下りていました。

友人はシャッターの前で地図を握りしめ、こちらを振り向きました。

「ふたりがぐずぐず止めるから、出遅れたんじゃない」

もともと閉店5分前だったのに、私たちのせいにされても困ります。

あまりの言い分に、私は何も言い返せませんでした。

翌日、レシートを見比べて気づいたこと

翌日の昼過ぎ、友人は結局、ホテルのすぐ近くの換金所で両替を済ませました。

ホテルのロビーに戻ると、友人はソファに腰を下ろし、両替のレシートを取り出して私たちに見せてきました。

「ほら、ここは損なのよ。昨日替えられてたら、もっと得してたのに」

どうやら、まだ昨日のことが納得できていないようです。

さらに友人は、財布から昨日のタクシーのレシートも取り出しました。

私はソファの横に立ちながら、また文句を言われるのではないかと身構えていました。

ところが、友人が2枚のレシートを膝の上に並べ、何度も見比べていると、急にその手が止まったのです。

「……これ、タクシー代のほうがずっと高いじゃない」

友人が行きたがっていた換金所は、ほかより少しだけレートがよいという話でした。

たとえそこで両替できていたとしても、わずかな差額のためにタクシー代を払っていては、かえって出費が増えてしまいます。

友人もようやくそのことに気づいたようで、先ほどまでの勢いがなくなっていました。

隣に座っていたもうひとりの友人が、小さく笑いました。

「だから、明日にしようって言ったのに」

友人は何も言い返さず、耳まで赤くしてレシートを財布にしまいました。

近くの席にいた宿泊客がちらりとこちらを振り返ったので、私もそれ以上は何も言いませんでした。

それから旅行が終わるまで、友人が両替の話を持ち出すことはありませんでした。

私ともうひとりの友人は、ときどき目を合わせて、あの日の出来事を思い出してはこっそり笑ってしまいました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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