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「ちょっと焼くだけだし、誰も困ってないって」火気厳禁の原っぱで肉を焼く父親。だが、見回りの職員が告げた言葉

  • 2026.10.28

日曜日の原っぱに流れてきた焼き肉のにおい

日曜日の昼、私は妻と二人で、歩いて行ける大きな公園へ散歩に出かけました。

よく晴れた原っぱには家族連れが大勢いて、シートを広げてお弁当を食べる人や、キャッチボールを楽しむ親子の姿が見えました。

私たちがベンチに座って休んでいると、どこからか焼き肉のにおいが漂ってきました。

「ねえ、なんだか焼き肉のにおいがしない?」

妻に言われて周囲を見回すと、原っぱの隅で2組の家族が小さなコンロを囲み、肉を焼いていました。

しかし、ここはバーベキューも花火も禁止されている、火気厳禁の原っぱです。

コンロの前では、父親らしい男性が缶ビールを片手に大声で笑っていました。

小さな子どもたちは紙皿を持ち、肉が焼けるのを待っています。

コンロから上がる白い煙は、風に乗って原っぱの真ん中まで流れていました。

近くにいた家族は、何も言わずに荷物をまとめ、離れた場所へ移っていきました。

そんなとき、犬を連れた年配の男性が通りかかり、コンロのほうに目を向けました。

すると、父親は仲間に聞こえるような大声で言いました。

「ちょっと焼くだけだし、誰も困ってないって」

仲間の男性が苦笑いしながら返します。

「でもさ、ここ、火はだめなんじゃなかったっけ」

ところが父親は、肉を裏返しながら平然と答えました。

「平気平気。見回りなんか、日曜には来ないって」

私は思わず妻と顔を見合わせました。

禁止されていると分かっていて、子どもたちの前でも気にする様子がありません。妻も困ったように眉を寄せていました。

見回りの職員が、コンロの前で告げた言葉

それからしばらくすると、作業着姿の男性が原っぱを横切ってきました。

公園を見回っている管理事務所の職員です。

職員は煙の上がっているコンロに近づくと、その前で足を止めました。

父親は缶ビールを手にしたまま、軽い調子で話しかけました。

「すぐ終わりますから。誰にも迷惑かけてないですし」

しかし、職員は落ち着いた声で、はっきりと伝えました。

「ここは火気厳禁です。すぐに火を消してください。煙も周りまで広がっています」

そして、煙が流れている原っぱのほうへ目を向けました。

その先には、先ほど煙を避けて移動した家族たちがいました。職員の言葉が聞こえたのか、こちらを見てうなずく姿も見えます。

それまで「誰も困っていない」と言っていた父親は、気まずそうに目をそらしました。

さらに職員は、静かに続けました。

「火の始末が終わるまで、ここで見ています」

父親は何も言い返さず、缶ビールを足もとに置くと、黙ってコンロの火を消し始めました。

仲間たちも気まずそうな表情で、片付けに取りかかります。

やがて煙が消えると、原っぱには再び子どもたちの楽しそうな声が響いていました。

隣にいた妻が、ほっとしたように言いました。

「よかったね」

私もうなずき、ベンチの背にもたれました。

大きな騒ぎになることなく、その場が落ち着いて本当によかったと思いました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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