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「おもてなしが素晴らしい」「出会えない場所の人たちと出会える」第39回東京国際映画祭の審査員会見が開催

  • 2026.10.27

現在開催中の第39回東京国際映画祭(TIFF)の審査員記者会見が、10月27日にTOHOシネマズ シャンテで開催。コンペティション部門審査委員を務める映画監督・脚本家・プロデューサーのロルフ・デ・ヒーア、プロデューサーのアレックス・ロー、プロデューサーのオ・ジョンワン、俳優の渡辺真起子、カラリストのヨブ・ムーアの5人が登壇した。

【写真を見る】TIFFへのあふれる想いを語った俳優の渡辺真起子

コンペティション部門審査委員を務める映画監督・脚本家・プロデューサーのロルフ・デ・ヒーア
コンペティション部門審査委員を務める映画監督・脚本家・プロデューサーのロルフ・デ・ヒーア

今年は世界112の国と地域から、1892作品の応募があり、そのなかから15作品のコンペ作品が選出された。今回、審査員をオファーされた感想を問われると、まずはTIFFの審査員が2度目であるジョンワンが「今回、インターナショナルのコンペティションですが、映画館でそういう作品を観るのがとても好きなので、オファーをお受けしました。また、私は日本食が大好き。いまは10月の天気を楽しみたいです」と笑顔を見せた。

プロデューサーのオ・ジョンワ
プロデューサーのオ・ジョンワ

ムーアは「オファーをいただいて、驚きました。私はカラリストなので、すてきなサプライズでした。だから審査員として立てることを誇りに思っているし、私の仕事を見せられる場にもなっているかなと思います」と喜びを明かす。

プロデューサーのアレックス・ロー
プロデューサーのアレックス・ロー

渡辺は「普段はあちこちへ、参加する作品の撮影に飛び回っていたりするけど、この期間だけ、私は映画だけを観ることができます。今回は15本も拝見できるから、できるだけ誠実に魅力ある作品と出会いたいです。また、今年度関わった作品が、今後どこで上映されるかなという未来も楽しみにしてます」と期待に心を弾ませた。

ローも「私もとてもわくわくしてます。みなさんがおっしゃったように、7日間、ずっと映画を観られるから。独創的なオリジナルストーリーを楽しみたいです」とコメント。

【写真を見る】TIFFへのあふれる想いを語った俳優の渡辺真起子
【写真を見る】TIFFへのあふれる想いを語った俳優の渡辺真起子

昨日開催されたオープニングセレモニーで、小津安二郎や大島渚、黒澤明監督作など、日本映画をたくさん観て影響を受けてきたと言っていたデ・ヒーア審査員長。そんななか、母国オーストラリアと日本とのコラボレーションについて問われると「日本の映画をオーストラリアで撮影する、またはオーストラリアの映画を日本でただ撮影するということはあまり意味がないと思っています」と答えた。

カラリストのヨブ・ムーア
カラリストのヨブ・ムーア

「共同制作に関しては、ヨーロッパ、欧州では大変成功していますが、ほとんどが財務的な関係で、そういう形をとっていることが多いです。オーストラリアは、そういうことをしていないのですが、共同制作を日本とオーストラリアで上手くやるには、もっと自然な形でやるのがいいかなと。自然なストーリーで、ある部分を日本で、ある部分をオーストラリアで撮影するというような形で、そういう脚本があれば、可能性は広がりますね」

TIFFについて5人が語り合った
TIFFについて5人が語り合った

また、映画を観るとき、大事にされている視点について問われると、デ・ヒーアは「私にとって最も大切なものは、映画館を出る時、なにを感じているかです。なにを考えているかということではないですね」と穏やかに答える。

ジョンワンは「とても難しい質問です」と前置きしたあと「観客として観る場合は、純粋に楽しみますが、審査員になると、ほかのところにも集中していかないといけない。演出ですね。監督がなにを伝えたいのかというのがとても重要です。演技、撮影も大切だけど、監督がなにを伝えようとしているのか、そこに説得力があって伝わっているかが大切だと思っています」と持論を述べた。

ムーアは「観客としてはどういったところが心に触れるか、感動するか。作品の複雑さはあるけど、鑑賞後になにを感じるか、なにが残るかということです。審査員としては、どういうところが興味深く誠実であるかを観ていきますし、その作り手の次の作品についても思ったりします。前向きに観ていきます」とコメント。

渡辺は「あまり先入観をもたないこと、答えを探さないことが大事な部分かなと。審査をする場合は、具体性を上げないといけないのですが、やっぱり映画を観ているときはフラットな感じですね」と語ると、ローは「私は知的に挑んでくる作品が好きです。最終的には、映画が終わり、映画館に灯りがともった時、感情の真実がどこにあるのか、観客とそれがつながることが大切だと思っています」と話した。

続いて、東京国際映画祭のイメージを問われると、デ・ヒーアは「私の印象は、このみなさんの状況です。昨日はレインコート姿、雨に濡れたレッドカーペット」と言うと、ジョンワンも「印象深かったのは、けっこう雨が降っているなか、観客の方々、記者のみなさんが集まっていてすごいなと思い、とてもいい印象をもちました。映画の情熱、東京国際映画祭への情熱を持っている方がたくさんいらっしゃるなと」と荒天のなかで参加した方々をねぎらう。

ムーアは「東京国際映画祭を組織として運営されているみなさんは、本当にプロフェッショナル。だから我々も気持ちよく臨めます。組織力がすばらしい」と称賛。

そして、諏訪敦彦監督作『M/OTHER』(99)で、TIFFに初参加したという渡辺は「俳優になって初めて参加した映画祭でした。当時、まだよちよち立っていた私が、20~30年経って、審査員をさせてもらっているので、映画祭のなかで、自分自身が学んだり、そして育てていただいたりしたなと。映画祭に見つけてもらったなというところがあります。この映画祭があることで、出会えない場所の人たちと出会えたり、映画作品と出会えたりして、全然違う文化で育った人たちに思いを馳せたりすることができます。私は東京という小さな町に住んでおりますが、どこか遠くへ行くための入口になったりするような場所だなと思いました」と言葉をかみしめた。

最後に、ローが「東京国際映画祭は、世界中の映画祭のなかで最もおもてなしがすばらしい映画祭だと思っています」と絶賛し「私は過去に何度か関わっている作品で参加させてもらいましたが、東京の観客の方々がとても集中して作品を観てくださいました。作品に対して敬意を表してくださり、真剣に観てくださった。純粋に知的好奇心を持って、映画を楽しんでくださったという印象です」と心温まるコメントを披露した。

文/山崎伸子

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