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「ええ」とマニュアル通り返事→「タメ口で返事するな!」と怒鳴る電話先の男性。だが、上司が同じ言葉で対応した結果

  • 2026.10.28

「ええ」と答えただけなのに

20代前半のころ、私は給付金の手続きに関する問い合わせを受ける短期アルバイトをしていました。

オフィスには電話対応用の席がずらりと並び、周囲のスタッフもヘッドセットをつけて、次々と問い合わせに対応していました。

仕事には細かなマニュアルがあり、相づちは「ええ」か「はい」を使うようにと書かれていました。

私もその指示に従い、電話を受けていました。

ある日の昼すぎ、男性から給付金の手続きについて電話が入りました。

「言われたとおりに書類を出したんだよ。それなのに、まだ何も届かないってどういうこと?」

男性はかなり不満そうでした。私は話を遮らないように、相づちを打ちました。

「ええ」

すると、突然男性の声が大きくなったのです。

「はあ?タメ口で返事するなよ!」

「えっ……申し訳ございません」

思わず体がこわばりました。マニュアルに書かれた言葉でしたが、不快にさせてしまったのならと、次からは「はい」に変えました。

ところが、今度は別のことで怒り始めたのです。

「さっきから、はい、はいって!ちゃんと話聞いてるのか?」

「いえ、そんなことは……。お話は伺っています」

「だったら、ちゃんと答えてくれよ!」

何を言っても怒鳴られ、私はすっかり困ってしまいました。

給付金が届かないことへの不満は分かります。でも、相づちを変えても怒られてしまっては、どう応じればいいのか分かりません。

悔しさと緊張で、目の奥がじんわり熱くなりました。

上司が口にした、まったく同じ相づち

このままでは対応を続けられないと思い、私は通路に向かって手を挙げました。

すると、ベテランの女性上司が来てくれました。事情を伝えると、上司は私の隣に座り、ヘッドセットを引き継いでくれたのです。

「お電話代わりました。引き続き、私がお話を伺いますね」

上司の声は落ち着いていました。電話の向こうでは、男性がまだ大きな声で話しているようでした。

ところが、次の瞬間です。

「ええ……ええ、そうですね」

私は驚いて上司の横顔を見ました。

上司が使っていたのは、さっき私が怒鳴られたのと同じ「ええ」という相づちだったのです。

それでも上司は慌てず、男性の話に耳を傾けていました。一度、電話の向こうの声が途切れましたが、上司は急かすこともありません。

「ええ、承知いたしました。では、手続きの内容を順番にご案内いたしますね」

やがて、先ほどまで聞こえていた大きな声は収まっていきました。

上司は男性の話を最後まで聞いたうえで、手続きについて一つずつ説明していました。

私はその隣で、同じ言葉でも声の調子や話す間の取り方によって、ずいぶん印象が変わるものだと感じていました。

向かいの席で電話対応をしていた女性スタッフも、一瞬こちらを見て目を丸くしていました。

その後、電話は落ち着いたまま終了しました。

上司はヘッドセットを外して私に返すと、優しく声をかけてくれました。

「大丈夫。さっきの相づち、間違ってなかったよ」

「でも、何を言っても怒られてしまって…」

「そういうときもあるよ。焦らず、落ち着いて聞けばいいからね」

その言葉を聞いて、ようやく肩の力が抜けました。

次の電話が入ったとき、私はもう一度、落ち着いて相手の話を聞き始めました。

同じ「ええ」という一言でも、慌てずに伝えることが大切なのだと、あのときの上司の対応が教えてくれた気がします。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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