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「ちょっと聞きたいだけだから」チェックインの列を押しのけた客。だが、ホテルスタッフが静かに示した場所

  • 2026.10.28

チェックインの列から抜け出した女性客

友だちと旅行に出かけた日の夕方、私たちはホテルのフロントでチェックインの順番を待っていました。

カウンターでは男性スタッフが、ひと組ずつ丁寧に対応しています。列はなかなか進みませんでしたが、並んでいる人たちは静かに待っていました。

ただ、私たちの後ろにいた女性客だけは違いました。

「はぁ……まだなの?」

何度もため息をつき、落ち着かない様子でカウンターを見ています。

しばらくすると、女性客は突然列から抜け出しました。そのまま前へ進み、並んでいる客の肩を押しのけるようにして、カウンターに身を乗り出したのです。

「ちょっと、いいかしら」

ちょうど手続き中だった年配の夫婦が、驚いて身を引きました。

夫のほうが困ったように声をかけます。

「あの、すみません。まだ手続きの途中なんですが……」

ところが女性客は振り向きもせず、スタッフに言いました。

「ちょっと聞きたいだけだから」

その言い方に、私は思わず友だちと顔を見合わせました。

質問するだけなら順番を抜かしても構わない、ということなのでしょうか。

女性客の不満に、スタッフが返した言葉

スタッフは戸惑いながらも、女性客の話を聞こうとしました。

「部屋の場所が分かりにくいのよ。壁の館内図を見ても、よく分からなくて」

そう言われたスタッフが館内図を取り出し、説明を始めようとしたときです。

女性客はカウンターを指でたたきながら、さらに声を大きくしました。

「そもそも、なんでこんなに待たせるの?」

私は耳を疑いました。

待っているのは、この女性だけではありません。しかも今は、先頭の夫婦の手続きまで止まっている状態です。

隣の友だちも、困ったように首を横に振っていました。

女性客の話がいったん途切れたところで、スタッフが落ち着いた声で言いました。

「申し訳ございません。ただ、ご質問も順番に伺っています。ほかのお客様もお待ちですので、列の最後尾へお戻りいただけますか」

女性客は驚いたようにスタッフを見つめました。

「えっ? だから、ちょっと聞きたいだけなのに……」

「恐れ入りますが、順番にご案内しておりますので」

スタッフは丁寧な口調を崩さず、手で列の最後尾を示しました。

周囲の客も、黙ってそのやり取りを見ています。

女性客は何か言いかけましたが、結局それ以上は何も言いませんでした。顔を赤くして目をそらすと、先ほど押しのけた人たちの前を通り、列のいちばん後ろへ戻っていきました。

スタッフは年配の夫婦に向き直り、頭を下げました。

「大変失礼いたしました。お待たせして申し訳ございません」

夫婦はほっとしたようにほほえみ、再び手続きが始まりました。

ようやく列が動き始め、私も肩の力が抜けました。

隣で友だちが小さくつぶやきました。

「やっと落ち着いたね」

私は思わずうなずきました。

女性客を怒鳴ったり、責めたりすることなく、必要なことをきちんと伝えたスタッフ。その落ち着いた対応が、何より印象に残った出来事でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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