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「文句を言われる筋合いはないわよ」景色をふさぐタープの移動を拒んだ母親。だが、夕方の見回りで担当者が伝えたお願い

  • 2026.10.28

初めてのキャンプで、目の前をふさいだ大きなタープ

夫に誘われて、初めてキャンプに行ったときのことです。

夫はそのキャンプ場に何度も通っていて、「早く行けば景色のいい場所が取れるよ」と張り切っていました。

私たちはオープンから30分後には到着しましたが、見晴らしのいい場所には、すでに何組ものテントが並んでいました。

「やっぱりみんな早いな。でも、ここも悪くないよ」

夫が選んだ場所からも、山と湖がよく見えました。初めてのキャンプに少し緊張していた私も、その景色を見て、来てよかったと思いました。

ところが午後になると、小さな子どもを連れた家族が、私たちのテントの前にある空いた場所へやってきました。

作業着姿のキャンプ場の担当者が、家族に声をかけていました。

「ここは景色を楽しみに来る方も多いので、タープの向きには気をつけてくださいね」

「はいはい、分かってます」

父親は担当者のほうをほとんど見ずに答えました。

しばらくすると、その家族が大きなタープを張り始めました。どんどん布が広がり、気づけば私たちのテントから見えていた山も湖も、すっかり隠れてしまったのです。

家族からは、特に声かけもありませんでした。

困った夫が、父親に声をかけました。

「すみません。せっかく張ったところ申し訳ないんですけど、少しだけ位置をずらしてもらえませんか?」

「え?いや、もう張っちゃったんで…」

父親が面倒そうに答えると、タープの下から母親が出てきました。

「文句を言われる筋合いはないわよ」

母親は腕を組んだまま、そう言って背を向けてしまいました。

夫もそれ以上は言えず、私のところへ戻ってきました。

確かに、空いていた場所を使っているのは分かります。それでも、ほんの少し向きを変えてくれたらと思うと、残念でなりませんでした。

夫が楽しみにしていた景色も見えなくなり、初めてのキャンプが台無しになったような気がしました。

夕方の見回りで、担当者が伝えたお願い

夕方になると、昼間に声をかけていた担当者が見回りにやってきました。

担当者は私たちの前にあるタープを見て足を止めると、父親と母親に声をかけました。

「あの、すみません。昼間にも少しお伝えしたんですが、今の向きだと後ろのお客様の景色がほとんど見えなくなってしまうんです。少し向きを調整していただくことはできますか?」

すると、母親が不満そうに言い返しました。

「でも、場所は早い者勝ちなんじゃないですか?」

担当者は落ち着いた声で答えました。

「はい、場所は先着順です。ただ、せっかく皆さん景色を楽しみに来られているので、できれば周りの方にもご配慮いただきたいんです」

「でも、もう張っちゃってるんですよ?」

「そうですよね。お手数をおかけして申し訳ないんですが、少しだけご協力いただけませんか?」

担当者は無理に責めることなく、丁寧にお願いを続けていました。

父親はしばらくタープを見上げていましたが、やがて小さくため息をつきました。

「……分かりました。少し動かします」

隣のサイトの人たちも作業の手を止め、こちらを見ています。

母親はまだ納得していない様子でしたが、父親がロープを外し始めると、黙ってペグを抜き始めました。

二人でタープの向きを調整していくと、それまで隠れていた山と湖が、再び見えるようになりました。

ちょうど夕日が湖の水面に映り、昼間とはまた違った美しさでした。

その景色を眺めていると、夫が私の肩をぽんとたたきました。

「ほら、これが見せたかったんだ」

夫のうれしそうな顔を見て、私まで笑顔になりました。

途中は残念な気持ちにもなりましたが、最後には夫と並んで、初めてのキャンプでいちばんきれいな景色を見ることができました。

担当者が間に入ってくれたおかげで、気まずいまま一日を終えずに済んだことも、ありがたく感じました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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