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【漫画】「10年私の専用。荷物をどけなさい」と入会1か月の私に命じる古株。だが、扉が開くと威勢が消えた

  • 2026.10.28
【漫画】「10年私の専用。荷物をどけなさい」と入会1か月の私に命じる古株。だが、扉が開くと威勢が消えた

更衣室で私を待っていた、古株の会員

更衣室のロッカーの前で、古株に荷物をどけるよう命じられました

十月の夕方、スイミングスクールの女子更衣室でのことです。入会して1か月、先週から月額制の専用ロッカーを契約し、今日が初めての使用でした。

受付で教わったのは、入口から三つ目の薄灰色の扉です。

ところが、その扉の前に古株の会員が立っていました。パーマの短髪で、赤紫のスウェットの腕を組み、横のベンチには自分のスポーツバッグを置いています。

この教室に10年通っている人だと、以前ほかの会員から聞いていました。

私が水着の入ったバッグを持って近づき、ロッカーの前に荷物を置くと、古株は私の顔も見ずに言いました。

「10年私の専用。荷物をどけなさい。」

更衣室にほかの会員の姿はありません。みんなプールへ出たあとで、私と古株の二人きりでした。

受付は休みで番号札もなく、私は言い返せません

受付に確かめれば済む話ですが、今日は受付窓口の休業日で、プールのレッスンだけが行われています。

私は入会1か月で、相手は10年のベテランです。

三つ目の扉で合っているとは思うものの、先週まで付いていた番号札がなくなっていました。

契約したロッカーを示せる書類も手元になく、返す言葉が出てきませんでした。

古株は扉を背にして立ったまま、続けます。

『今朝入れたタオルが中にあるわ。他人の扉に鍵を差せば、規約違反で退会よ』。

そして鍵穴をにらみ、言い切りました。

「鍵は世界に一つ。合鍵は作れない。」

言い返せない私が、その場で決めたこと

私が鍵を回すと、扉が開いて空っぽの庫内が見えました

言い返せないまま、私は足元の水着バッグを開き、内ポケットをさぐっていました。

受付で渡された、ゴムバンド付きの小さな鍵が入っています。

退会と聞いて足がすくみましたが、正式に渡された鍵なのだから、確かめることはできるはずです。

合わなければ頭を下げて出ていくだけです。

私が扉へ進むと、古株は『開くわけないけど』と半歩退きました。私は鍵穴に鍵を差しました。

「私の鍵で、開けてみます。」

鍵を回すとカチリと音がして、薄灰色の扉が手前へ大きく開きました。

庫内は空っぽで、棚にもフックにも何もありません。

タオルもシャンプーもなく、私の荷物すら入っていない、まっさらな空間でした。古株の眉が寄ります。

古株は隣のロッカーの重い扉に、両手をかけて引きました

古株はしばらく庫内をにらんでから、声を荒らげました。

「合鍵を勝手に作ったんだ!」

「合鍵は作れない鍵のはずですが。」

古株は反論を探しましたが、見つかりません。眉を寄せ、口を一文字に結びました。

私は、受付から正式に渡された鍵であることを説明しました。

番号札がなくなっていることも気になります。

受付が再開したら、契約の記録と照らし合わせて確認してもらうつもりだと伝えました。

すると、古株は急に目をそらし、隣のロッカーをちらりと見ました。

しばらく沈黙したあと、観念したように小さな声で話し始めました。

『10年使っていたのは、この隣でした。扉が最近重くなって使いづらくなったので、入口に近いここが欲しくなって。番号札も、私が外しました。受付には、あとで自分から話します』。

つまり、隣のロッカーが本来の契約場所で、私のロッカーを自分のものだと偽っていたのです。中にタオルを入れたという話も嘘でした。

そして、古株はうつむいたまま続けました。

『退会になるかもしれないのは、番号札を外した私のほうです』。

実際にどのような処分になるかは、スクール側が判断することでしょう。ただ、自分のしたことが問題になると、ようやく気づいたようでした。

私は三つ目の扉に、自分のバッグを入れました。古株はスポーツバッグをベンチに置いたまま私に背を向け、隣のロッカーへ移動しました。

ポケットから自分の鍵を取り出して錠を開けると、重い扉に両手をかけて引きます。何度か力を込めて、ようやく扉が動きました。

きしむ扉と格闘する背中に、さっきまでの威勢はありませんでした。


※本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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