1. トップ
  2. エピソード
  3. 「オレは何度も泊まってるんだから」ホテルの部屋を指定したと言い張る客。だが、粘った末に知った予約内容に赤面

「オレは何度も泊まってるんだから」ホテルの部屋を指定したと言い張る客。だが、粘った末に知った予約内容に赤面

  • 2026.10.27

チェックインの列を止めた男性客

数年前の休日、旅行先のホテルでの出来事です。

チェックインが始まったばかりの昼、フロントにはすでに列ができていました。私の後ろにも家族連れやカップルが並んでいます。

ところが、列がなかなか進みません。

私のすぐ前にいた年配の男性が、カウンターに身を乗り出し、若い女性スタッフに不満を訴えていたのです。

「だからさ、この部屋がいいって、予約するときに指定したと思うんだけど」

スタッフはパソコンを確認しながら、丁寧に答えました。

「かしこまりました。もう一度、ご予約の内容を確認いたしますね」

しかし、男性は納得できない様子です。

「オレは何度も泊まってるんだから、事前に指定した部屋にしてくれよ」

「申し訳ございません。ただ、今回のご予約には…」

「ああ、もう!なんか融通が利かないな」

スタッフが説明しようとしても、男性は手を振って話をさえぎります。

何度も利用しているホテルだからこそ、希望を聞いてほしかったのかもしれません。

しかし、押し問答は続きました。

後ろに並ぶ家族連れの父親は何度も腕時計を確認し、子どもは母親の袖を引いてぐずり始めています。

私も声をかけられず、ただ順番を待つしかありませんでした。

予約記録を確認したスタッフの一言

しばらくして、スタッフが改めてパソコンの画面を確認し、落ち着いた声で切り出しました。

「お客様、今回のご予約内容を確認しましたが、お部屋のご指定は記録されておりません」

「えっ?いや、そんなはずないと思うけど…」

男性は戸惑ったように言い返しました。

スタッフはもう一度記録に目を通すと、穏やかな口調で続けました。

「以前のご宿泊についても確認しましたが、そちらにもお部屋をご指定いただいた記録はございませんでした」

「……そうなの?」

それまで強い口調で話していた男性の声が、急に小さくなりました。

「はい。本日は、ご予約いただいた内容でお部屋をご用意しております」

男性はしばらく黙り込んでいました。

「……指定したつもりだったんだけどな」

そうつぶやくと、カウンターについていた手を下ろしました。

スタッフはそれ以上追及せず、チェックインの手続きを進めます。

男性は顔を赤くしながら鍵を受け取ると、列のほうを振り返ることもなく、エレベーターへ歩いていきました。

スタッフは私たちに向き直り、深く頭を下げました。

「大変お待たせいたしました。次のお客様、どうぞ」

ようやく私の番です。チェックインを済ませて鍵を受け取ったときには、思わずほっとしました。

後ろでは、先ほどまでぐずっていた子どもが、元気な声で父親の手を引いています。

男性にも希望はあったのでしょう。ただ、予約内容を確認するだけの話が、長い押し問答になってしまったのは残念でした。

それでも、最後まで感情的にならず、丁寧に対応していたスタッフの姿が印象に残っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ