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「なんで10パーセント引きなんだよ、もっと引けよ」値引きに文句を言って去った客。だが、戻って空の棚を見た瞬間

  • 2026.10.27

10パーセント引きに怒り出した男性客

以前、私はスーパーの鮮魚売り場でアルバイトをしていました。

閉店前になると、売れ残っている魚のパックに値引きシールを貼るのが仕事のひとつでした。

値引きする時間や割合は店で決まっていて、アルバイトが勝手に変更することはできません。

ある夜、いつものように魚のパックへ10パーセント引きのシールを貼っていたときのことです。

背後から男性客が近づいてきて、私の手元をのぞき込みました。

そして、シールを貼ったばかりのパックを手に取ったのです。

ところが、値引き率を確認した途端、男性は不満そうな顔でパックを棚に戻しました。

「なんで10パーセント引きなんだよ、もっと引けよ」

突然の大声に驚きましたが、私は落ち着いて答えました。

「申し訳ありません。値引きの割合は決まっているので」

すると男性は、さらに声を荒らげました。

「はあ?もう閉店前だろ?どうせ売れ残るんだろ。もっと引けよ」

男性は値引きシールを指さしながら、何度も値下げを求めてきます。

周囲のお客さんも何事かと振り返り、私は困ってしまいました。

「すみません。これ以上の値引きはできません」

もう一度そう伝えると、男性は大きく舌打ちをしました。

「じゃあ、いらねえよ」

そう言い残し、何も買わずに売り場を離れていったのです。

私は少しほっとしながら、残っていたパックにシールを貼り終えました。

戻ってきた男性客が見た、空っぽの棚

男性が立ち去った直後、買い物かごを提げた女性客がやってきました。

女性は値引きシールの貼られた魚を見て、うれしそうに声をかけてきました。

「あら、さっき貼ったところ?」

「はい、ちょうど貼り終わったところです」

「そうなの?よかった。今夜はお魚にしようかしら」

女性は魚のパックをかごに入れました。

その様子を見ていたほかのお客さんたちも、次々に値引きされた魚を手に取っていきます。

先ほどまで並んでいたパックは、あっという間になくなりました。

それからしばらくして、先ほどの男性客が売り場に戻ってきたのです。

男性は値引きされた魚が並んでいた棚を見て、足を止めました。

「……おい、さっきの魚は?」

棚にはもう、値引きした魚のパックはひとつも残っていません。

男性が辺りを見回すと、少し先にいる女性客のかごが目に入ったようでした。

そこには、先ほど男性が棚に戻した魚のパックが入っていました。

男性は何か言いたそうに口を開きましたが、言葉が出てきません。

すると、先ほどの騒ぎで振り返っていたお客さんが、近くでぽつりとつぶやきました。

「売れ残るって言ってたのにね」

その言葉が聞こえたのか、男性は気まずそうな表情を浮かべました。

私は男性に向き直り、いつもどおりの口調で伝えました。

「申し訳ございません。本日の分は、売り切れました」

男性は顔を赤くすると、それ以上何も言わず、足早に売り場を離れていきました。

私は空になった棚を拭きながら、思わず小さく笑ってしまいました。

あれほど「売れ残る」と言い切っていた魚が、10パーセント引きのまま、あっという間に売れてしまったのです。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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