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「私は朝早くから並んで場所を取ったんだからどきません!」運動会の撮影エリアに居座る母親。だが、園長先生が伝えた一言

  • 2026.10.27
「私は朝早くから並んで場所を取ったんだからどきません!」運動会の撮影エリアに居座る母親。だが、園長先生が伝えた一言

演技が終わっても動かない三脚

2年ほど前、子どもが通う保育園の運動会でのことです。

よく晴れた園庭には大勢の保護者が集まっていました。撮影エリアは学年ごとに入れ替わる決まりで、自分の子どもの出番に合わせて前へ出ることになっていました。

その撮影エリアの最前列、ちょうど真ん中に、三脚を立ててビデオカメラを構えている母親がいました。

自分の子どもの学年の演技を、熱心に撮影している様子でした。

やがて演技が終わり、子どもたちが退場していきます。先生がマイクで呼びかけました。

「次の学年の保護者の皆さん、撮影エリアの前へどうぞ」

私の子どもも次の学年で、これからかけっこが始まるところでした。

ところが、最前列の母親は三脚を動かそうとしません。

次の学年の保護者が前へ進もうとしても、その場所に立ったままです。

近くにいた女性が、遠慮がちに声をかけました。

「あの、すみません。もう次の学年の番なんですけど…」

すると母親は、カメラを気にしながら答えました。

「まだうちの子が写るかもしれないので」

「でも、場所を交代する決まりですよね?」

「横から撮ればいいじゃないですか」

母親はそれ以上話す様子もなく、再びカメラへ視線を戻しました。

女性も困った顔をして、それ以上は何も言えませんでした。

そうしているうちに、次の学年のかけっこが始まってしまいました。

後ろにいる保護者たちは、何とか子どもの姿を撮ろうと背伸びをしています。

私のカメラにも、目の前の母親の頭や三脚の脚が大きく映り込んでいました。

すると、後ろにいた父親が声をかけました。

「すみません。もう交代してもらえませんか?子どもが見えなくて…」

母親は振り返ると、強い口調で言い返しました。

「私は朝早くから並んで場所を取ったんだからどきません!」

その大きな声に、周囲の保護者たちも思わず顔を向けました。

私も自分の子どもの順番が近づいていて、焦るばかりでした。

園長先生が伝えた交代のルール

そのとき、エプロン姿の園長先生がやってきました。

母親のそばに立つと、落ち着いた声で話しかけました。

「お母さん、すみません。次の学年の撮影が始まっているので、場所を交代していただけますか?」

「でも、私、朝早くから並んで、ここを取ったんですよ」

母親は納得できない様子でした。

園長先生は、母親の話を聞いてから、ゆっくりと言いました。

「そうだったんですね。朝早くからありがとうございます。ただ、ここは学年ごとに交代していただく場所なんです」

「でも、まだ撮りたいものが…」

「お気持ちは分かります。でも、今は次の学年の子どもたちが走っています。ほかの保護者の皆さんにも、お子さんの姿を撮っていただきたいんです」

園長先生は声を荒らげることなく、母親にそう伝えました。

母親は何か言いかけましたが、周囲の保護者たちが待っていることに気づいたのか、口を閉じました。

「……分かりました」

小さくそう答えると、三脚の金具を外し、ゆっくりとたたみ始めました。

三脚を抱えて後ろへ下がる母親に、園長先生が「ありがとうございます」と声をかけます。

そして、待っていた保護者たちに向かって言いました。

「お待たせしました。皆さん、前へどうぞ」

私もようやく正面からカメラを構えることができました。

ちょうどスタートラインに立っていたわが子が、こちらに気づいて元気よく手を振ってくれました。

ふと後ろを見ると、先ほどの母親は、たたんだ三脚を抱えたまま、人垣の後ろでつま先立ちになって園庭をのぞいていました。

朝早くから並んで、いい場所で撮影したかった気持ちは分かります。

でも、みんながわが子の姿を楽しみにしているのは同じです。

園長先生が最後まで穏やかにルールを伝えてくれたことが、今でも印象に残っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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