1. トップ
  2. エピソード
  3. 「いつものやつ。短いほう」たばこの銘柄も言わずに店員を怒鳴る男性客。会計後に始まった理不尽な要求を、後ろの女性が指摘した瞬間

「いつものやつ。短いほう」たばこの銘柄も言わずに店員を怒鳴る男性客。会計後に始まった理不尽な要求を、後ろの女性が指摘した瞬間

  • 2026.10.26
「いつものやつ。短いほう」たばこの銘柄も言わずに店員を怒鳴る男性客。会計後に始まった理不尽な要求を、後ろの女性が指摘した瞬間

夜のレジで告げられた、あいまいな注文

学生のころ、私はコンビニで夜のアルバイトをしていました。

その日も品出しを終え、レジの内側に戻ったところでした。客足も落ち着き、店内は静かになっていました。

そこへ、一人の男性客が入ってきました。

男性はまっすぐレジへ来ると、カウンターに手を置いて言いました。

「いつものやつ。短いほう」

私は一瞬、返事に詰まりました。

どうやらたばこのことらしいのですが、銘柄も番号も言われていません。うしろの棚には似たような箱がいくつも並んでいます。

迷っていると、男性がカウンターを指でトントンと叩き始めました。

私はひとまず、それらしい箱を取って見せました。

「こちらでしょうか?」

すると、男性の表情が一変しました。

「違う!それじゃない!そんなことも分からないのか!」

突然の大声に、思わず肩がすくみました。

「申し訳ありません。銘柄を教えていただけますか?」

そう尋ねると、男性は面倒くさそうに銘柄を答えました。

「ありがとうございます。こちらですね」

私は指定されたたばこを取り出し、会計を進めました。

男性はそれ以上何も言いませんでしたが、会計中もずっと不機嫌そうにこちらを見ていました。

「レシートは?」と聞いた直後の怒声

ようやく会計が終わったときです。

男性がぶっきらぼうに言いました。

「レシートは?」

「あ、はい。こちらです」

私はすぐにレシートを切り取り、両手で差し出しました。

ところが、受け取った男性は、そのレシートを握った手を私の胸元に向けて突き出してきたのです。

「頼んでないのにレシートを押し付けるな、謝れ」

「えっ…?」

思わず声が漏れました。

ついさっき、自分からレシートを求めたはずです。

私が何か聞き間違えたのかと思いましたが、男性は怒ったまま、こちらをにらんでいます。

「すみません…」

何と答えればいいのか分からず、私はそれ以上言葉が出ませんでした。

すると、男性のうしろから声がしました。

「あの、ちょっといいですか?」

買い物かごを提げて並んでいた女性客でした。

「さっき、ご自分で『レシートは?』って聞いてましたよね。私、うしろで聞いてましたよ」

男性が勢いよく振り返りました。

女性客は少し困ったような顔をしながらも、続けました。

「店員さん、聞かれたから渡しただけですよ」

男性は口を開きかけましたが、すぐには言葉が出てこないようでした。

女性のうしろに並んでいたほかのお客さんたちも、小さくうなずいていました。

しばらくして、男性は大きく舌打ちをすると、レシートを握りしめたまま足早に店を出ていきました。

自動ドアが閉まり、ようやく店内が静かになりました。

女性客はかごをカウンターに置き、私に笑いかけました。

「大変でしたね。あまり気にしないでくださいね」

「ありがとうございます。本当に助かりました」

私は深く頭を下げました。

次の会計を始めると、バーコードを読み取る手はまだ少し震えていました。

それでも、きちんと見ていてくれた人がいたことに、心からほっとした夜でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ