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「細かいこと言うなよ。家族だろ、俺たち」返済を先延ばしにする兄。だが、父の前で言葉を詰まらせた瞬間

  • 2026.10.26

「家族なんだから」と返済を先延ばしにする兄

私は自立するために、働いたお給料から少しずつお金を貯めていました。

数年前のある日、兄から電話がかかってきました。

「悪いんだけど、ちょっとお金貸してくれないか」

最初は一度きりだと思って貸しました。しかし、その後も兄からの頼みは何度も続いたのです。

「家族なんだから、困ったときはお互い様だろ」

そう言われると断りきれず、私はそのたびにお金を振り込んでいました。

ところが、家族で集まると、兄は楽しそうに遊びの話をするのです。

「この前のライブ、ほんと最高だった!次は旅行にも行くんだ」

その話を聞くたびに、複雑な気持ちになりました。

私にはお金が足りないと言っていたのに、ライブや旅行には行けるのです。

ある日の家族の集まりの帰り際、私は玄関で兄を呼び止めました。

「ねえ、お兄ちゃん。貸したお金、そろそろ返してくれない?」

兄は私の肩を軽くたたき、笑って答えました。

「そのうち返すって。困ったときはお互い様だろ?」

「そのうちって、いつ?私だって必要なお金なんだけど」

すると兄は、面倒くさそうに手を振りました。

「細かいこと言うなよ。家族だろ、俺たち」

それだけ言って、兄は帰ってしまいました。

兄にとっては軽い気持ちで借りたお金でも、私には一生懸命働いて貯めた大切なお金です。

その夜、部屋で通帳を開くと、何度も繰り返した振り込みの記録が目に入りました。

兄は遊びに出かけているのに、私のお金は戻ってこない。そのことが悔しくて、涙が止まりませんでした。

正月、父の前に置いた一枚の紙

私は通帳を見ながら、兄に振り込んだ日付を紙に書き出しました。

さらに、兄が家族の前で話していたライブや旅行の時期も、覚えている範囲で並べてみました。

振り込みのすぐあとにも、兄が遊びの予定を話していたことが分かりました。

そして正月。実家に家族が集まったとき、私はその紙を持って父のところへ行きました。

居間の座卓では、父と兄がお茶を飲んでいました。

「お父さん、ちょっとこれを見てほしいの」

父は眼鏡をかけ直し、私が差し出した紙を読み始めました。

向かいに座る兄は、何も知らずにおせんべいを食べながらテレビを見ています。

しばらくして、父が顔を上げました。

「おい。これだけ妹から借りて、まだ返してないのか?」

兄は驚いたように父を見ました。

「えっ、いや……返すつもりだよ」

「それなら、いつ返すんだ。遊びには行ってるんだろう?」

兄は持っていたおせんべいを取り落とし、言葉に詰まりました。

「いや、それは……」

父は棚から白い紙とペンを持ってくると、兄の前に置きました。

「毎月いくら返すか、ここに書きなさい。私もちゃんと確認するから」

兄はしばらく黙っていましたが、やがてうつむいたままペンを取りました。

私は隣で、その様子をじっと見ていました。

翌月から、兄の返済が始まりました。

父は毎月、兄に電話で確認し、そのあと私にも知らせてくれます。

「あいつ、今月もちゃんと払ったぞ」

通帳には、兄からの振り込みの記録が少しずつ増えています。

あのとき父に相談してよかった。そう思う一方で、家族だからこそ、お金の貸し借りは曖昧にしてはいけないのだと感じています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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