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「倒すのは自由だろ」新幹線で後ろの客を困らせた男性。だが、自分の前の座席を倒されて激怒した結果

  • 2026.10.26
「倒すのは自由だろ」新幹線で後ろの客を困らせた男性。だが、自分の前の座席を倒されて激怒した結果

突然倒れてきた前の座席

1年ほど前の秋、新幹線で旅先へ向かったときのことです。私は指定席の窓側に座り、色づきはじめた山を眺めていました。

途中の駅で、50代くらいの男性が乗ってきて、私のすぐ前の席に座りました。

男性は荷物を棚に放り込むと、こちらを振り返ることもなく、いきなり背もたれをいっぱいまで倒してきました。

「わっ…!」

突然のことで身を引くと、目の前のテーブルが揺れ、置いていたお茶が少しこぼれてしまいました。

私は慌ててお茶を拭きましたが、前の座席との間が狭くなり、膝を動かすのも窮屈です。

座り直そうとしたとき、膝が背もたれに当たってしまいました。

すると、男性が振り返ってきました。

「おい、後ろから蹴るなよ」

「すみません。でも、ちょっと狭くて…」

「倒すのは自由だろ」

男性はそう言うと、さっさと前を向いてしまいました。

それ以上言い返す気にもなれず、私は足を縮めて座り直しました。

しばらくすると、車内販売のワゴンが通路をやってきました。

スタッフの女性が男性の席の横で立ち止まり、声をかけました。

「お飲み物はいかがですか?」

すると男性は、通路のほうへ顔を向け、急に声を荒らげたのです。

「狭いんだよ!もっと後ろ下がれよ!」

「あっ、申し訳ありません」

女性は戸惑った様子で頭を下げ、ワゴンを引いて離れていきました。

自分は後ろの席を狭くしているのに、少しワゴンが近づいただけでそんなに怒るなんて。私はあきれてしまいました。

前の席を倒された男性が、言葉に詰まった瞬間

次の駅で、40代くらいの男性客が乗ってきました。その客が座ったのは、あの男性のすぐ前の席でした。

客は腰を下ろすと、背もたれを大きく倒しました。

すると今度は、あの男性の目の前が狭くなりました。

テーブルに置いていた缶コーヒーがぐらつき、男性は慌てて缶を押さえました。

「おい、ちょっと待てよ!倒しすぎじゃないか。狭いんだよ」

男性が怒鳴ると、前の客は驚いたように振り返りました。

そして、男性の座席に目を向けてから、落ち着いた声で返しました。

「でも、あなたもずいぶん倒してますよね」

「いや、それは…」

「自分は倒してもいいけど、前の人はだめなんですか?」

男性は何か言い返そうと口を開きましたが、結局何も言いませんでした。

通路を挟んだ向こう側では、年配の夫婦が顔を見合わせていました。奥さんは口元を押さえ、笑いをこらえているようでした。

男性の耳が、後ろから見てもわかるほど赤くなっています。

しばらくして、男性は何も言わず、自分の背もたれを少しだけ起こしました。

私の目の前にも、ようやく少し余裕ができました。

さっきまであれほど強気だった男性が、今は黙って座っています。

自分がされて初めて、後ろの席の窮屈さがわかったのでしょうか。

私は小さく息をつき、再び窓の外へ目を向けました。色づいた山々が、秋の日差しを浴びていました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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