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「好きにさせてよ」料理を山ほど残して帰ろうとした宿泊客。だが、ホテルの責任者が示した張り紙

  • 2026.10.25

料理を山盛りにして飲み続ける男女

妻と観光ホテルに泊まった夜のことです。夕食は好きな料理を自由に取れるバイキング形式で、飲み放題もついていました。

会場の出入口には、料理の食べ残しについての注意書きが貼られていました。

私たちが出入口近くの席に着くと、隣のテーブルに男女のグループが座りました。

彼らは揚げ物や刺身を何度も取りに行き、皿に山盛りにして運んできます。あっという間にテーブルは料理でいっぱいになりました。

ところが、料理にはほとんど手をつけません。ビールばかりおかわりして、大きな声で笑い合っています。

「ねえ、もう一杯いこうよ!」

「いけいけ!飲まなきゃ損だって!」

周囲の客も迷惑そうに顔を向けていました。

しばらくすると、通路を挟んだ席にいた年配の男性が、グループに声をかけました。

「あの、すみません。もう少し声を落としてもらえませんか」

すると、グループの男性がジョッキを持ったまま振り向きました。

「はあ?好きにさせてよ」

仲間たちはどっと笑い出しました。注意した男性は困ったような顔をして、それ以上何も言わずに席へ向き直りました。

その後、女性のひとりが酔った様子で先に会場を出ていきました。

残ったメンバーは相変わらず飲み続けています。テーブルには、冷めた料理がほとんど手つかずのまま残っていました。

「あんなに取って、どうするんだろう……」

私は思わず妻と顔を見合わせました。

出入口で示された一枚の張り紙

やがてグループは、料理をほとんど残したまま席を立ちました。

笑いながら出入口へ向かおうとしたところで、会場の責任者が声をかけました。

「お客様、少々よろしいでしょうか」

責任者は料理が残されたテーブルを確認すると、出入口の壁に貼られた張り紙を指し示しました。

「こちらにもご案内しているのですが、お料理は食べきれる分だけお取りいただくようお願いしているんです」

先ほど年配の男性に言い返した男性が、眉をひそめました。

「えっ?何それ。飲み放題なんだからいいでしょ?」

責任者は落ち着いた声で答えました。

「お飲み物は飲み放題です。ただ、お料理を大量に残されるのはご遠慮いただいております」

「いや、でもさ…」

男性は不満そうに言いかけましたが、責任者が示したテーブルを見ると、言葉に詰まりました。

そこには、料理がほとんど残った皿が何枚も並んでいます。

隣にいた女性も気まずそうな顔になり、男性の袖をそっと引きました。

責任者は続けました。

「かなり残されていますので、少しお話をさせていただけますか」

男性はまだ納得していない様子でしたが、仲間と顔を見合わせ、責任者に促されて会場の隅の席へ移動しました。

さっきまであれほど響いていた笑い声は、もう聞こえません。

責任者は周囲の客に向き直ると、頭を下げました。

「お騒がせいたしました。どうぞごゆっくり」

ようやく会場に静けさが戻りました。

隣で妻もほっとしたようにうなずいています。私も落ち着いて、食事の続きを楽しむことができました。

好きなだけ料理を取れるからといって、食べきれない量まで取っていいわけではありません。

出入口の張り紙は、彼らが会場に入ったときから、ずっと同じ場所にあったのです。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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