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令和のサラリーマンが江戸時代の旗本の八男坊に転生!? 危うい立場のなか、前世の知識を駆使して道を切り拓く!【書評】

  • 2026.10.25

【漫画】本編を読む

現代人が江戸時代に転生したら、前世の知識で無双できる——と思いきや、歴史の授業で覚えたことはあまりアテにならなかった……。『旗本改革男 ~令和のサラリーマン、お江戸に転生してべらぼう世直し~』(公社:原作、荒吐巌:漫画/KADOKAWA)は、令和のサラリーマンが江戸時代に転生し、前世の知識を頼りに奮闘する歴史転生漫画。Web小説サイト「カクヨム」の歴史部門で2024年の年間ランキング第1位に輝いた作品のコミカライズである。

仕事中に倒れた「俺」が目を覚ますと、前世の記憶を持ったまま、旗本の八男坊・徳山安十郎として生まれ変わっていた。武家の八男坊は、いずれ家を出なければならない「部屋住み」という立場。このままでは将来が危ういと考えた安十郎は、仕官を目指して勉学に励むことを決める。

父親に頼んで学問の師匠を探してもらうと、紹介されたのは、なんとサツマイモの普及で知られる青木昆陽だった。歴史上の有名人を前にして驚きながらも、安十郎は青木のもとで猛勉強を開始する。3年にわたって学問に励み、オランダ語の読み書きを手伝えるほどに成長。「麒麟児」と噂されるようになった安十郎の評判は、ついに徳川将軍家に連なる“とある人物”にも届く。呼び出された安十郎に持ちかけられたのは、彼の将来を大きく左右する「ある役目」だった。

前世で歴史好きだったとはいえ、安十郎が持っているのは前世の記憶と、学校の授業や教科書で身に着けた程度の歴史の知識だけで、派手な特殊能力はない。そんな彼が赤ん坊から始まった江戸暮らしで身につけた経験と前世の記憶を組み合わせながら道を切り開いていくので、チート能力で無双する異世界転生モノとは別次元の面白さがある。

さらに物語が進むと、『解体新書』で知られる前野良沢や杉田玄白など、教科書でおなじみの人物たちとも関わっていく。テンポよくコメディタッチで展開するストーリーを楽しみながら、江戸時代の暮らしや文化、歴史上の人物にも触れられる、異色の転生漫画だ。

文=坪谷佳保

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