1. トップ
  2. エピソード
  3. 「好きな人に振られた」と男友達から相談メッセージ→話を聞いているうちに、それが私のことだと気づきました

「好きな人に振られた」と男友達から相談メッセージ→話を聞いているうちに、それが私のことだと気づきました

  • 2026.10.27
ハウコレ

彼が打ち明けた相手の返事には、見覚えのある言い回しがありました。確かめるために送った質問への答えは、既読がついてから少し遅れて届きました。

お風呂上がりに髪を拭いていると、テーブルの上のスマホが短く鳴りました。通知に並んでいたのは、大学時代からの男友達の名前と、失恋を打ち明ける短い文面です。慰めの言葉を考えながら、チャット画面を開きました。ところが、話を聞き出すほど、返信を打つ手は遅くなっていきました。

失恋を打ち明けてきた男友達

彼とは大学のゼミで知り合って、もう5年になります。2人でご飯に行くことも多く、仕事の愚痴から家族の話まで、何でも言い合える相手でした。

その彼から届いたのが、このメッセージです。

「好きな人に振られた」

「ちょっと話聞いてくれる?」

彼が恋愛の話を自分からするのは、知り合ってから初めてのこと。タオルを肩にかけたまま、急いで返信を打ちました。

「え、大丈夫?聞く聞く」

「どんな人?」

「ずっと近くにいた人。5年くらい片思いしてた」

5年も想い続けた人がいたなんて、まったく知りませんでした。何でも話してくれていると思っていたのは、私だけだったのかもしれません。

どこかで読んだことのある言葉

「告白したの?」

「してない。好きな人いるのか聞いたら、今は恋愛いいやって言われた」

「友達と遊んでる方が楽しいって」

その返事に、見覚えがありました。

3日前、彼から「好きな人とかいるの?」と届いていたのです。深く考えずに返した文面は、こうでした。

「いないよ。今は恋愛いいや、友達と遊んでる方が楽しいし」

チャット画面を上へさかのぼり、自分の送ったメッセージと彼の打ったメッセージを何度も見比べました。言い回しまで、ほとんど同じです。

偶然であってほしくて、濡れた髪のまま、上へ下へとスクロールを繰り返しました。

確かめるために送った質問

このまま慰め続けるのは、何か違う気がしました。何度か打っては消して、ようやく送ったのがこの質問です。

「その人って、私が知ってる人?」

既読はすぐについたのに、返信はなかなか届きませんでした。今頃、画面の前で返事を迷っているのだろうか。そう考えると、ドライヤーを手に取る気にもなれませんでした。

やがて、2通続けてメッセージが届きました。

「うん。一番よく知ってる人」

「ごめん。忘れていいから」

忘れていいと言われても、はいそうですかとはいきません。振ったつもりもないまま、私は彼を振っていたのです。しかも、その相手に失恋の相談を送ってくるなんて。少しずるいとさえ思いながら、短く返しました。

「明日、会える?」

「わかった。いつもの喫茶店でいい?」

「うん」

そして...

翌日、駅前の喫茶店に入ると、彼はもう窓際の席に座っていました。向かいに腰を下ろすなり、頭を下げたのは彼の方です。

「困らせてごめんな」

「謝らないでよ」

運ばれてきたカフェオレに口をつける前に、どうしても聞きたかったことがありました。5年も言わずにいた気持ちを、どうして失恋の相談という形で、ほかでもない私に送ってきたのか。

「なんで私に相談したの?」

彼はカップに目を落としました。何でも話してきたはずの彼に、私の知らない理由がまだあるのだろうか。カフェオレのカップを両手で包んだまま、彼が口を開くのを待ちました。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ