1. トップ
  2. エピソード
  3. 「顔合わせの食事代、ちょっと出してくれない?」10万円を返さない妹からのお願い。だが、私が返した一言で空気が一変

「顔合わせの食事代、ちょっと出してくれない?」10万円を返さない妹からのお願い。だが、私が返した一言で空気が一変

  • 2026.10.25

5万円を頼まれ、10万円を貸した私

妹が大学を卒業し、寮からアパートへ引っ越すことになったときの話です。

昼すぎ、実家の居間で妹が私の向かいに座り、両手を合わせました。

「お願い、5万円だけ貸してくれない?奨学金も返さないといけないし、最初の給料が入るまで生活費が足りなくて…」

困った顔で頼む妹を見て、私は少し考えました。引っ越したばかりでは、何かと出費もあるでしょう。

頼まれたのは5万円でしたが、余裕を持たせてあげようと思い、10万円を貸すことにしました。

「10万円渡すね。使わなかった分は返して。残りはゆっくりでいいから」

「えっ、いいの?ありがとう!給料が入ったらすぐ返すね」

ところが、その後も返済の話は出ませんでした。

妹は毎週のように恋人と遊びに出かけている様子で、実家で会えば楽しそうな話ばかり。

私はその話を聞きながら、貸したお金のことが気になっていました。

気づけば3年。10万円は一円も返ってきていません。

ある日、実家の台所で妹と話していたとき、思い切って切り出しました。

「ねえ、前に貸した10万円のことなんだけど。そろそろ返せそう?」

すると妹は、手を止めることもなく笑いました。

「えー、お姉ちゃんなんだから、ちょっとくらいいいでしょ」

「…いや、そういうことじゃなくて」

あまりに軽く言われて、私はそれ以上言葉が続きませんでした。

妹にとっては冗談のつもりだったのかもしれません。でも、私にとって10万円は、簡単に諦められる金額ではなかったのです。

顔合わせの食事代を頼む妹に返した言葉

それからしばらくして、妹の結婚が決まりました。

家族で実家に集まり、居間の座卓を囲んでいたときのことです。母が横でお茶を入れていると、妹が私のほうへ身を乗り出しました。

「ねえ、お姉ちゃん。顔合わせの食事代、ちょっと出してくれない?お祝いだと思ってさ」

私は思わず妹の顔を見ました。

この前、貸したお金の話をしたばかりです。それなのに、またお金を出してほしいと言われるとは思っていませんでした。

少し考えてから、私は湯のみを置いて答えました。

「いいよ。ただ、新しくお金を渡すんじゃなくて、3年前に貸した10万円から、お祝いの分を引くってことでいい?残りはちゃんと返してね」

妹の笑顔が消えました。

すると、急須を持っていた母が驚いた顔でこちらを見ました。

「えっ、10万円?まだ返してなかったの?」

妹は口を開きかけましたが、何も言わずにうつむきました。

母は急須を置くと、妹に向き直りました。

「結婚するんでしょう?借りたお金はちゃんと返さないと。お姉ちゃんにだって生活があるんだから」

妹はしばらく黙っていましたが、やがて小さな声で答えました。

「……わかった。毎月、少しずつ返す」

「うん。今度はちゃんと約束を守ってね」

私はそう答え、それ以上は責めませんでした。

妹が母の前で返済を約束してくれたことで、ようやく話が前に進んだ気がしました。

もちろん、実際に返してもらうまでは安心できません。それでも、ずっと曖昧にされていたお金の話に、ひとまず区切りをつけられたことがうれしかったのです。

私は残りのお茶を飲みながら、少しだけ肩の力が抜けるのを感じました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ