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「孫には、どっちの服が似合うかな」孫の服選びを電話で相談してきた客。だが、上司に電話を代わった途端、注文が決まった理由

  • 2026.10.25

どちらの上着が似合うか、突然聞かれて

以前、私は子ども服の通販のコールセンターで働いていました。

電話の多くは、届いた服のほつれや破れ、シミについての相談です。ヘッドセットをつけ、交換方法を案内するのが日々の仕事でした。

ある日の昼、年配の男性から電話が入りました。

男性が読み上げた2つの商品番号を調べると、どちらも子ども向けの上着です。今回も商品の不具合についての相談だと思っていました。

ところが、返ってきたのは予想外の質問でした。

「孫には、どっちの服が似合うかな」

私は一瞬、言葉に詰まりました。

お孫さんの年齢も、男の子か女の子かも分かりません。会ったこともない子に似合う服を、どうやって選べばいいのでしょうか。

「申し訳ございません。実際にお店で合わせてみてはいかがでしょうか」

「近くに店なんかないんだよ。だから電話してるんだ」

男性の声にいら立ちが混じりました。

通販の窓口なのに、お店へ行くよう勧めてしまった。そう気づいて焦ったものの、ほかに言葉が浮かびません。

「そうですね…お好みで選んでいただくのが、いちばんかと…」

すると、男性の声が一段と大きくなりました。

「上の者と代われ」

私は慌てて保留ボタンを押しました。どう答えればよかったのか分からず、ため息が出ました。

上司が最初に聞いた、たった一つのこと

手を挙げると、ベテランの女性上司が隣に座りました。

事情を説明すると、上司は私からヘッドセットを受け取り、保留を解除しました。

「お電話代わりました。お孫さん、おいくつですか?」

私は隣で、そのやり取りを見守っていました。

上司は画面に並ぶ上着の写真を見比べながら、笑顔でうなずいています。

「まあ、かわいい盛りですね。私の孫なら、こっちを選びますね。動きやすいし、お洗濯にも強いんですよ」

私は驚きました。

どちらが似合うかなんて答えられないと思っていたのに、上司は迷わず自分のおすすめを伝えたのです。

すると、すぐ隣にいた私にも、ヘッドセットから男性の声がかすかに聞こえてきました。

「孫に似合う服が聞きたかったんだよ。じゃあ、それにする」

先ほどまでのとげとげしい声とは違い、うれしそうな響きでした。

そして、その場で上着の注文が決まったのです。

「一緒に選んであげればいいの」

電話を終えた上司は、ヘッドセットを外し、私に笑いかけました。

「孫の服を選ぶのって、楽しいのよ。一緒に選んであげればいいの」

その言葉に、私は思わず笑ってしまいました。

男性は、服を選ぶために誰かの意見を聞きたかったのでしょう。

もちろん、声を荒らげられたときは困りました。それでも、私は「似合うかどうかなんて分からない」と考えるばかりで、男性の相談に向き合おうとしていなかったのです。

それからも、あの男性からは何度か電話がありました。

そのたびに私は上司と並んで、お孫さんの服を選びました。

「この前の上着、よく似合ってたよ」

電話の向こうの声は、いつもうれしそうでした。

あの日、上司が教えてくれたのは、商品について説明するだけではなく、お客さんと一緒に考えることも大切だということでした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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