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「信用してないのか!」と怒られる覚悟だった私。だが、借用書を受け取った年上の親戚が見せた思わぬ笑顔

  • 2026.10.25

借用書を出したら、関係が壊れるかもしれない

数年前、年上の親戚からお金を貸してほしいと頼まれたことがあります。

急な出費が重なり、生活費が足りなくなってしまったそうです。

昔から何かと世話になってきた相手です。できることなら助けたいと思いました。ただ、頼まれた金額は決して小さくありません。

妻に相談すると、こんなことを言われました。

「貸すなら、ちゃんと借用書を作ったほうがいいよ。身内だからこそさ」

確かに、そのとおりです。それでも、私はなかなか踏み切れませんでした。

「信用してないのか!」

そんなふうに怒られたらどうしよう。お金を貸すどころか、これまでの関係まで壊れてしまうかもしれません。

何日も悩んだ末、返済の時期と方法を書いた借用書を用意しました。少しでも角が立たないようにと、文面も何度も書き直しました。

親戚が来る前の晩、妻が声をかけてきました。

「借用書、用意できた?」

「うん。でも、やっぱり嫌な顔されそうでさ……」

「大丈夫だと思うけどね」

妻はそう言いましたが、私はまだ不安でした。

約束の夜、親戚がわが家にやって来ました。

居間のテーブルを挟んで向かい合い、お茶を出したものの、なかなか借用書の話を切り出せません。

それでも、いつまでも黙っているわけにはいきません。

「あのさ……悪いんだけど、これ、書いてもらってもいいかな」

私は用意していた借用書を差し出しました。

親戚は黙って紙を受け取り、ゆっくりと目を通し始めました。

その間、私は親戚の表情ばかり気にしていました。

身構えていた私に返ってきた意外な一言

ひととおり読み終えた親戚が、顔を上げました。

そして、思いがけない言葉を口にしたのです。

「借用書があると安心だね」

「……えっ?」

思わず聞き返してしまいました。

「いやあ、こういうの、ちゃんとしてくれると助かるよ。口約束だけだと、こっちも落ち着かないからね」

親戚はにこにこしながらペンを取り、借用書に大きな字で署名しました。

「これでお互い安心だね」

私はしばらく言葉が出ませんでした。

怒られることまで覚悟して、何日も言い方を考えていたのに。親戚は最初から、借用書を嫌がるどころか歓迎してくれていたのです。

それからは給料日のたびに約束どおりの振り込みがあり、その後には毎回、親戚から封筒が届きました。

中に入っていたのは、手書きの返済明細です。

今月返した額と残りの額がきちんと書かれ、季節のあいさつまで添えられていました。

最初は驚きましたが、いつしか封筒が届くのを楽しみにしている自分がいました。

そして、最後の振り込みがあった日のことです。

届いた明細には、全額返済のお礼が書かれていました。そのいちばん下に、こんな一文が添えられていたのです。

「次もぜひこの書式で」

私は思わず吹き出してしまいました。

返済が終わったばかりなのに、もう次のことを言っているなんて。もちろん、親戚なりの冗談なのでしょう。

台所にいた妻が、顔をのぞかせました。

「どうしたの?何かあった?」

「いや、次の予約が入ったみたいでさ」

そう言って妻に明細を見せながら、また笑ってしまいました。

あのとき、信用していないと思われるのが怖くて、借用書を出すことすらためらっていた私。

でも、親戚はむしろ喜んでくれました。

最後の明細は今でも捨てられず、引き出しにしまってあります。

あんなに身構えていたのは、どうやら私だけだったようです。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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